Vorhandensein

ここは主にizkdicの制作したリズムゲーム、
「Dancing☆Onigiri」を公開しているサイトです(現在工事中)。

ここのスペースで何かやりたいけど考え中です。

Last Update: 2024/02/29

更新履歴

2024/02/29(木)  [→Log]

今日は4年に1度の2月29日です。
そんなわけで、裏で持ち寄り合作を企画していました。
11キー種25譜面と、そこそこの規模になっています。

No.360「あわててないもん、天使だもんっ!!」
かわいい系の楽曲を多数公開されている、さんうさぎさんの楽曲をお借りしました。
楽曲公開日は今年の1月27日で、かなり新しい曲です。

2月29日になんかやりたいという話はあいすさんあたりと前から話していて、
最初はコラボ合作でもしますか、みたいな内容だったのですが。
そのうち過去のイベントに提出された持ち寄り合作全般の話がでてきて、
話題が展開するうちに多鍵祭'23Wでapoiさんとやろうとして没になった曲の話になり、
その過程でさんうさぎさんの曲をちょっと覗いたら数曲増えていて、
試しに聴いてみたらこの曲すごくよくない? ということに。
曲としての好みもありますが、中盤と終盤でアピールポイントが作りやすいというか、
ぶっちゃけ「縦連やりたい!」という衝動に駆られてしまったんですね。また衝動か。

一方長さ面では2分ちょいとほどほどで、普通に乱闘的な持ち寄り合作もできそう、
持ち寄り合作をするなら(あいすさんと僕が企画側に入っていることもあって)7chat合作としてやりたい、
そうすると7chat合作としては「Chinese Restaurant」以来8年ぶりの持ち寄り合作か、みたいな話があり、
最終的にお互いにイメージしているキー数が被ったらコラボ合作で、ということになりました。

ここで、あいすさんは7keyか9Bkey、というようにおっしゃったのですが、
僕はなんとなく例の縦連が「↑」のイメージだったので5keyか9Akeyか、そのあたりかなと思っていたため、
キー数不一致により持ち寄り合作として企画されることになった、というのが今回の起こりです。

で、今回は乱闘のようにDiscord内とかで広く参加者を募る形ではなく、
あくまで企画としては水面下で、楽曲も参加者にのみ開示、
譜面も僕が一括で管理(=参加者には他の人がどのキー・難易度で作っているか分からない)することで、
乱闘との差別化を図ることにしました。
特に昨今の乱闘ではいろんなキー種で作れる人は「まだ誰も作っていないキー種」を優先して選ぶ傾向にあったため、
そういうのはナシで自由に選んでもらいたかったというのがあります。
(結局偽名譜面以外はキー被りナシだったので、この程度の規模だとキー被りはあんまり問題にならないのかも……)

参加者についても節操なしに声をかけていくことはせず、
この人なら参加してくれそう、という方を個別に誘ってみたり、
Discordのボイスチャンネル内で何人かに声をかけてみたり。
あくまで水面下で進めることを重視した形です。

さて、あいすさんには5か9Aと答えた僕でしたが、
いつものように(?)曲のキメに合わせて二次元配置を入れる発想が下りてきてしまったので、
最初は11Lで形にしてみることにしました。それが「あうあう」譜面です。名前がひどい。
(ふとキーボードに目をやったら「3あ」「4う」というのが見えてしまったんだ……)
キメ以外のところのフレーズにはあんまり上下交錯というイメージが無かったので、
概ね要所で二次元配置が降ってくるみたいな感じの譜面に仕上がりました。

その後は、やはり9A難易度表で☆1や☆4が不足しているのが気になっていて、
ちょうど9Aが合うかなと思った曲だったのもあって☆1と☆4を作って、
あとはそれとは関係なしに9Aを1譜面作ったら終わりかな、くらいの認識でした。

☆1は難易度感としては☆2にならないようにすればよいので、スムーズに進められました。
(ただあくまで☆1を作るのであって☆0を作るのではない、という点には注意を払いました)
Easyなりに見せ場を作っていくのが面白くて、最近易しい〜易しめの譜面を作っている時が一番活き活きしています。
非常によろしくない傾向です(白目)

☆1を作ったあたりで、☆4の大まかな方向性が頭にあったのですが、
それを形にしてもし難易度が超過 or 不足したら本末転倒だよな、という懸念があったため、
11Lの枠組みで同じような方向性で組んでどうなるか、リハーサルをしてみることにしました。
動機が謎すぎますが、まあ難易度は広くある方がいいと思うので……
これを作っているあたりでidukudikkuさん[誰?]から提出があって、11Lについては3難易度きれいに揃いました。

結局この方向性で難易度感は問題なさそうだったので、改めて組み直したのが☆4です。
現行の☆3〜5を一通りプレイした上で、☆3より難しく☆5より易しい難易度、を強く意識しました。
今回の譜面群の中で一番工夫のし甲斐があって作譜も楽しかったです。
困ったのは☆5が緩ゲージ or 譜面難易度が測りにくい譜面の2択になっていたことで、
☆4の範囲を見積もりづらかったところですね……。
☆5の緩ゲージ組の譜面が通常ゲージになると、それはもう☆6とかになってしまうので、
譜面、ゲージの両面から注意して難易度設計を行ったつもりです。努力の方向音痴。

あとは9Aで普通に……と思ったのですが、この時点で5key譜面が1つもなく、
まあ持ち寄りで5keyがないのもそれはそれで時代を象徴してるよね、という感はあったものの、
 ・やっぱりこれだけ譜面があって5keyナシってのはバランスが悪い
 ・改めて聴いてみると5keyの枠組みでやりたい構成が頭に浮かんできた
 ・9Aで作ると難易度名は確実に「普通に作った譜面を難易度査定したもの」になってしまうので、
  idukudikkuさんに申し訳が立たない
等の理由があり、最後は5keyでやってみることにしました。
自分としてはかなり詰め込んだつもりなのですが、ノート数は25譜面中10位で、
明らかな下位難易度等もあるから実態では真ん中orそのやや下くらい、というのがなんともです。

<ここより偽名譜面のネタバレを含むので反転>

今回はゲージに関しては全譜面ノルマ制を採用するつもりでいました。
希望があるならそれに沿って、希望がないならこっちで決める、という感じで。
早い段階で提出してもらっていたのがdecresc.さんの23key6譜面とショウタさんの8keyだったのですが、
前者はノルマ制にして、80%、82%、85%、88%、90%、90%あたりにしたいな〜というのがあったし、
後者はオリゲにするのは譜面難易度的にももったいないなあというのがあったので。

というわけで今回は全譜面ノルマ制にしますという通達を各参加者に送ろうとしたくらいのタイミングで、
SKBさんから23key譜面の提出がありました。譜面名も相俟って趣旨は一瞬で把握したのですが、
その際に、「decresc.さんの譜面含めてノルマ制にされるとコンセプトが壊れるから困る」という話がありまして。
こうして僕の「ゲージ設定してやるぜウヘヘ」という思惑が破壊されてしまったのでした。
まあ、大した思惑ではないし、せっかく面白いことをやってくれているんだから応援したいというのがあったので、
「cresc.さんからの強い要望で23keyのみ特例でライフ制」、ということにしました。
その結果、謎の権力を持つcresc.さんとは何者なんだ、みたいな話題が生まれましたね。

その後もSKBさんから謎の譜面群が続々と提出されました。
僕は基本的に(作風的な意味での)自我が強すぎて他者の作風を意識した譜面みたいなのは全然作れないだけに、
純粋に「すげえなあ」と思いながらこれらの譜面を眺めていました。
個人的に最も完成度が高いと思ったのが7keyに入っている1.04の変速です。
ここは本当にあいすさんなら「入れそう」な変速で、納得感がMAXでしたね。
だからこそ改めてあいすさんの譜面が提出されて、変速ゼロだったのを見た時には軽く落ち込みました(殴)
変速ナシか〜〜〜そっか〜〜〜みたいな感じで。

僕の作風を意識して作られた11Lについては、僕が難しい譜面を作らなかったため、
単純に「代理で作られた上位譜面」みたいな内容になってしまい、申し訳ないことに。
そこまで読むのは本当に難しいと思います(それだけに、7keyと23keyで本物と数ノーツ差の譜面を作っているのがすごい)。
僕を意識した譜面だけ1ページ目が空白(最初のメロを取っていない)だったのもニヤリポイントでした。
さすが、わかってらっしゃる。

SKBさんが言及されている、
 ・左手4key成分強め
 ・寝かし押し以外の二次元配置を入れる
について僕なりに言及しますと、
まず後者はまさしくその通りです。Ramune Partyとか見ても明らかですね。
前者については、僕がガチ勢に向けた壁として4key側高密度の配置を入れがちなのと、
僕は節操なく散らした譜面よりも固まってまとまりがある譜面の方が好きなので、
結果的に4key側にも寄りがちでそのように見えてしまうというだけで、
僕が特段4key側に密集した配置を好んでいるわけではありません。

僕の譜面の傾向として挙げられそうなのは、
 1. 音の長短の区別
 2. 伴奏要素の重視
 3. 主旋律を取らない流れの時に一部分でだけ主旋律を取ったりしない
とかでしょうか。1についてはSKBさんの譜面でもしっかり反映されていて見事なものでした。
2についてはこの曲はそもそも伴奏要素を追いにくいので今回反映するのは難しいですが、
メロから離れて動き回る伴奏要素とかは大好物なので嬉々として拾いにいく傾向があります。シナリオだは!とか。
3については今回の譜面のラストですが、ああいう取り方は僕はやらないってことですね。
あの部分を拾うつもりならアウトロ全体でメロを取ります。

なお、もともとこの譜面の作者名は「lzkdlc」(アイがエルになっている)だったのですが、
これだとさすがに紛らわしすぎて作者誤認につながる恐れがあったため、
名義を変えてもらいました。本当にすみません。
偽名で出す側にとっても作者誤認は本意ではないと思うので……。

個人的に、SKBさんの14key(ピックル名義)をプレイor鑑賞した後、
ティックルさんのNormal(Hardではない)をプレイor鑑賞するととても面白いと思います。
ティックルさんの作風の模倣が如何に困難か、よくわかります。
あの配置はティックルさんでないと出てこないと強く思わされる構成でした。

<反転ここまで>


というわけで閏年記念合作でした。
2月29日に作品を出すのは過去にも何度かやっていますが、こうやって大きくやるのは初めて。
高々25譜面でしたが管理は相応に大変でした。これの倍の規模を取りまとめているMFV2さんのやばさを痛感。

この記事(?)は2月29日中に出さないと意味がないのですが、
本当は1月24日に公開した「錦上添花乙女樂」についても書くつもりでした(間に合わず)。
後日、この記事に追記する形で執筆します。

2024/02/10(土)

ひくzm!!!(挨拶)


というわけで多鍵祭'23 Winter、お疲れ様でした。
今回も無事、年末年始を吹き飛ばすことができましたね(白目)
イベントスタッフとして、例によって各作品のAdjustment値の調査や、
主要枠以外の投下順の作成などの部分で暗躍していました。

制作者としては、事前飛び入り枠、飛び入り枠もフル活用して、
合作含む計13作品を提出しました。これは全参加者中3番目に多いようです。
(1位はあいすさんの15作品、2位はapoiさんの14作品です)
内訳としては、本提出が9、事前飛び入りが1、飛び入りが3。
種別で見ると、個人作1、パッケージ参加2、持ち寄り合作3、リレー合作3、コラボ合作4です。
実質個人で譜面を作った作品は6つあるものの、純粋な個人作といえるのは1つだけというのが、
平常運転と言うべきなのかどうなのか……。

パッケージ企画もあり、9Bkeyが大きく取り上げられたイベントだったため、
僕も必然的に9Bをかなり多く作ることになり、譜面数ベースで考えればなんと倍(10→20)に。
制作のリソースとしては結構9Bに割いた気がします。ちょっとはうまくなれたかなあ。

……というわけで、ここから恒例のあとがきタイムです。
毎度のように長く、今回は文庫本100ページ分くらいの分量があるようです(殴)
また諸般の事情で、やや変則的な並びになっています。
すみません。


01. 雪の街叙情曲
 01-1. 作品について
 01-2. 「始まり」
02. 9Bkey Package
 02-1. 企画統括
 02-2. Iris
 02-3. ユメイロドロップス
03. プラネタリウムガーデン
04. 大樹の軌跡
05. クレセントラリー
06. Connect
07. data / OVErfLow
08. kirarinn.
09. クリティカルカプチーノ
10. 桃色シュガー
11. Ramune Party
12. Outernoid
13. イベントについて
 13-1. イベント統括
 13-2. アリーナバトル
 13-3. スピードツイスター
14. お気に入り作品


No.347「雪の街叙情曲」(第1部、投下番号1)
apoiさんとの5回目のコラボ合作でした。
そして、僕の中では今回の合作がある種の「始まり」になっています。それについては後述。
作品内容的にぴったりだったのでトップバッターを飾ることになったのですが、
前回のトップバッターがiskbicの「Summertime Adventures」だったため、
合作でメンバーが違うとはいえ2イベント連続でトップバッターに抜擢されてしまいました。

この曲自体は「都市計画」の時に出ていた……というか、
その時の候補曲のうちの1つがこの曲でした。
オーケストラというジャンルはだんおに的にもボカロ的にも珍しいもので、
打鍵重視のapoiさんと組んだらどんな作品になるのか、単純に興味があったというのがあります。
ちなみに僕はオーケストラはめっちゃ好きです。

しかし、こんな曲名なのに加えて、その時は対抗馬(都市計画)もあったので、
雪の街叙情曲は冬に回すことがすぐに決まり、夏は都市計画で合作することに。
そして、夏のイベントが終わり、晴れて本合作始動、となりました。

多鍵ガチ勢で集まった時に大体問題になるのが「どのキーで作るのか」という点ですが、
僕は明瞭にこの曲に対して9Akeyのイメージを抱いていました。
サビの「冬だよ、冬だよ」を↓→←↑、↓→←↑で取って、転調後に左右同型をあてはめる案があったためです。
一方、apoiさんからは12keyを提案してもらいました。↓→←↑は12keyでも実現できるのですが、
僕の中でのイメージが「片手」だったため12keyはちょっと合わないなあ、ということに。

9Aについては、apoiさん的には作譜経験が少なく、イメージがわかないということだったのですが、
形があれば何か浮かぶかもしれないということで、とりあえず最初の合作部を9Aで作ってみて、
どうにもならなかったら12にシフトする、という方針が決定。
この時はパート分けをしていなかったのですが、パート分けをした結果最初の合作部は4小節で終わってしまい、
どうしようもなくなったので、とりあえず冒頭合作部素案含め僕先行で制作を始めることになりました。
この時点で、全体構成をどうするかについては軽く打ち合わせを入れています。

打ち合わせ内容に沿って1番を、深く考えずにやりたいことを入れながら組み立てたところ、
それがapoiさんの感性をうまく刺激したようで、「行けそう!」ということになりました。
あとはそのまま完成まで進んでいる感じです。
音の解釈の不一致や、採譜困難な音などの問題はありましたが、
多鍵図書館の合作としては異例のスピードで完成しています。合作部も短いですしね。
(とはいえ本曲は各コーラスでまとまりがあり、さらにラスサビで転調するので、
 どうあがいてもこのパート分けにしかならない印象を受けます……)

2番については伴奏主体、ということになっていたのですが、
この曲の伴奏はサビ以外、スネアを除いてほぼすべての要素が4分のみみたいなことになっていて、
正直僕だったら詰んでたかもなあと思うところがあります(個人で作る場合はそれを見越して1番を作ると思います)。
しかし、apoiさんの打鍵コントロール力が「繊細さ」を演出するのにも遺憾なく発揮されていて、
打鍵にこだわっているとこういう表現もできるんだなあ、と感心しました。
ラスサビ以降は躍動感あふれる配置になっているので、それとの対比も印象的な作品になりましたね。

多鍵図書館名義の合作は移動系のキーになることが多かったし、
唯一の移動なしキーだったオレンジの約束はそもそも密度が高いなど、
基本的に難しい譜面になっていましたが、今回は異例の易しさになりました。
僕はこれくらいの難易度の譜面を作りがちなので、今回はかなり僕に寄った形になります。
(まあ、キーも構想も合わせてもらったので、それはそう、という感じではありますが)

余談ですが、作品ページの背景はDreamStudioで生成されたものです。つまりAIイラスト。
DreamStudio自体は有料(生成可能枚数を購入する形式)のサービスですが、
これの元になっているStable Diffusionはオープンソースで公開されているので、
知識とリソースがあればこのレベルのイラストを無料で作成できます。
すごい時代になったものですね。

表明コメント「運営です2」
前回のeXisTraceのコメントのパクリです。
この2人が運営のイベントに合作を提出したことがなかった点も同じです。
この後ろに誰かの気配よろしく、「あなたの作品を見ています」を反転・赤文字で入れる案もありましたが、
さすがにふざけすぎだろう、というところから没になりました。

作品コメント「舞い散る雪と、変わりゆく街の物語。」
僕とapoiさんの間で曲に対する解釈が違ったので、作品コメントを決めるのはとても大変でした。
要点としては、サビにある「私 冬の女神さ」をどう解釈するか、です。
2人でいろいろと案を出して、それを元にapoiさんの解釈に近づける形で僕が考えたものが最終的に採用されました。
これとは関係ないですが、apoiさんの個人コメントの最終行がエモくて好き。

難易度名「Picturesque」
読みはピクチャレスク。「絵のように美しい」みたいな意味です。
この曲が描く情景をイメージした難易度名で、apoiさん案。


さて、「雪の街叙情曲」という作品についてはここまでなのですが、
今回のapoiさんとの合作は今回の僕の作品群に大きな影響を与えているのです。
それについて言及します。

今回、合作・飛び入り含めて僕が選曲したのは以下の6曲です。
 ・ユメイロドロップス(えだまめ88さん)
 ・Iris(リイカさん)
 ・kirarinn.(さりいさん) ※decresc.さんとの合作曲として提案
 ・クリティカルカプチーノ(にょるさん)
 ・桃色シュガー(桜餅ルナさん) ※マムぷぁい名義の合作曲として提案
 ・Ramune Party(IchinoseSoundさん)

この中で、ユメイロドロップス以外の5曲は、
すべてYouTubeで「BGM素材」として音楽を公開されている方、
さらに言えば、だんおにという観点では未出アーティストの方からお借りしたものなのです。
えだまめ88さんもYouTubeで活動されていますが、
僕がユメイロドロップスを知ったのはDOVA-SYNDROME経由だし、
そもそも以前氏の曲を使わせてもらっている(CHINA GIRL)ため、状況は異なります。

僕は2016年ごろまではいわゆる「マイナー系ボカロ曲」、
さらに前をたどると旧muzieであまり知られていなかった曲等を含め、
隠れた名曲の発掘を楽しみの1つとし、手元のiPodには15000曲を超えるデータベースが形成されていました。
2017年にPCを買い替えたのですが、その結果iPodとiTunesの同期ができなくなってしまい、
15000曲の情報を再度登録する気力もなかったため、それ以来音楽とは疎遠になりました。
(付け加えると、楽曲公開方式が徐々にストリーミングに寄ってきていたというのもありました)

僕の中で、だんおに制作の原動力の1つに「この曲をいろんな人に知ってもらいたい」という思いがあり、
その思いは今でもありますが、「知ってもらいたい」と思う曲を見つけるのをやめてしまったため、
2019年ごろはモチベーション的にもどん底にありました。
当時はFlashとHTML5の過渡期、だんおに的にも勢いが最も下火だったと言える時期で、
たとえば多鍵祭'19を見ると、当時はまだ(Anotherこそあれど)年1の本祭なのに、
本参加の新作数は50+4しかありません。今は年2回開催で毎回80くらい集まっていることを踏まえても雲泥の差。

そんな状況だったので、そのころ作品番号が280くらいだったため、
この先1作ずつの重みを増やして290あたりから回顧するような作品を出し、300で引退しようとか、
今からすると信じられないようなことを割と大真面目に考えていたくらいです。
その後はCW Editionの機能がどんどん強化されるのに伴ってだんおにも息を吹き返し(一層内輪化が進んだだけともいう)、
現在はほぼ半固定メンバーのような界隈で居心地もよいため、なんやらで続けてしまっていますね。

しかし新曲とは相変わらず疎遠、中途半端なプライドもあるため選曲に苦労する日々(誇張表現)。
そこに颯爽と現れたのがDOVA-SYNDROMEでした。まあそれまでは僕が知らなかっただけですが。
何かと権利関係が複雑になってきた昨今、BGM素材として良質な音楽がまとまっているサイトというのは非常にありがたく、
その後はDOVAで曲を聴いたり探したりするのがメインになっていきました(サンドラの踊り、あたりからがそうです)。
ところが、DOVAはDOVAで問題があり、要は音ゲーにはまりそうな曲ってそんなに多くないのです。
これについてはDOVAランセレ合作を見ていただければわかるでしょう。
Ice reflects lightとかもはや選曲画面で流れる音楽にしか聴こえません。
基本的にBGM想定の音楽が集まっているので当然といえばそうです。

その点でマンネリ化を迎えつつあった僕に転機が訪れました。
それが今回の多鍵図書館名義の合作、「雪の街叙情曲」。
……ではなく、それと併せてapoiさんとやろうとした「もう1つの合作」です。

実は、今回当初は多鍵図書館名義で2作品出す予定でした。
1つはもちろん「雪の街叙情曲」。もう1つ、候補として挙がっていたのが、さんうさぎさんの楽曲でした。
(今回のイベントでapoiさんが「ふわふわどこへいくんだぁ??」という事前飛び入り作品を出されていますが、
 この曲を作ったのがさんうさぎさんです。合作候補に挙がっていたのはこの曲ではありませんが)
さんうさぎさんはYouTubeをメイン活動拠点にされていて、多くのフリーBGMを公開されています。

ここで、apoiさんにさんうさぎさんの楽曲を1つ提案していただいたのですが、
氏は他にも多く楽曲を公開されていたので、もっと心に響く曲があるんじゃないかと思い、
氏の楽曲をいろいろと聴いてみることにしました。その結果、案の定そういう曲があったので、
「さんうさぎさんの楽曲ならこの曲とかどうですか?」と提案したのですが、
「この曲だと無性に移動したくなって11key★13〜14になります」ということだったのであえなく終了しました。

この時はapoiさんの熱意がだんおにから少し離れたベクトルを向いていた時期で、
「ここまでにやることが決まった合作に対しては全力を尽くすけど、他の合作は最小限にするつもり」みたいな話があったので、
合作に節操なしに巻き込むのも考え物だなあと思いとどまり、
多鍵図書館名義の合作を「雪の街叙情曲」1つに絞ることを提案。最終的にそれが通って、
今回の「さんうさぎさんの楽曲を使った合作」の話は流れることに。
ちなみにその後まもなくapoiさんの熱意がだんおにに戻ってきました(何)

そんなわけで合作自体は流れてしまったのですが、僕にとっては大きな変化が1つ、もたらされました。
さんうさぎさんの曲をYouTubeでいろいろ聴いて回ったことで、
YouTubeのレコメンドエンジンが僕のことを「そういうのを色々見る奴」だと判断したのか、
おすすめ動画にYouTubeで公開されているフリーBGMの動画が続々と上がってくるようになったのです!
最初に上がってきたのは「kirarinn.」でした。この曲がものすごく好きだったので、
decresc.さんに合作を打診し結果6譜面作ることになるのはご存知の通りです。

僕は言うなれば、「DOVAの中のizkdic、YouTubeを知らず」状態だったのでしょう。
DOVAでは活動されていないアーティストさんのなんと多いことか!
(DOVA経由ならDOVA運営がYouTubeに上げてくれるので、ある種当然といえます)
テンションが最高潮に達した僕は、いろんな方のいろんな曲を聴いて回りました。
そもそもさんうさぎさんがkawaii系の楽曲を多く作られている方だったため、
おすすめに並ぶのもそういう曲が多く、僕はそういう曲が大好きなので「ヒット率」はめちゃくちゃ高かったです。
YouTubeのレコメンドエンジンもきっと、「こいつ単純だな」と思ったことでしょう。

……というわけで、今回は自分の選曲を「YouTubeで活動されているフリーBGM作曲家の方の曲」に絞ることにしたのです。
(まあ、kirarinn.含めいくつか衝動的なやつも混ざっているのですがそれはここでは措いておくことにします)
ユメイロドロップスが例外なのは理由があります。それについては当作品のところで言及します。
実際に出した方以外にも、いろんな方の曲を聴きました。それらはもしかすると今後僕の作品の中で登場するかも。


「9Bkey Package」(第2部)
前回の「17key Package Vol.2」に続いて行われた、apoiさん主導のキー限定パッケージ企画第2弾です。
僕は2作品提出しましたが、それ以外でも企画内部の部分でちょっとだけ関わりました。
具体的にはパッケージ内難易度表記への意見出しと、難易度査定の部分で。
個別の作品については後に譲り、ここでは企画について振り返ります。

9Bkeyは前から「作る人が少ない」、不遇なキー種という印象でした。
初期は対抗馬の7keyや9Akeyが比較的強かったし、
最近は9Akeyも微妙ですが代わりに12keyや23keyが台頭してきて、どうも影が薄いというか。
しかも9Bってどの作品が初出なのかわかってなくて、標準キーの中で唯一誕生日が不明なんですよね。
加えて、1年前に難易度表の中で11Lkeyが独立したのも記憶に新しく、
さらに12keyの難易度表までできてしまった(しかも通常表、発狂表完備)一方で、
9Bはいまだに9Aと一緒に掲載されているし、発狂難易度もない……。
※その後、1月28日に9A難易度表と9B難易度表が分離しました
それだけにコメントを書くときに譜面総数を調べて、122譜面「も」あったのか、と驚きました。

一方、第1弾の17keyに比べると作譜的なハードルは低いのか、
パッケージの規模としては人数、作品数、譜面数のどれをとっても1.5倍以上と、
かなり大きなものになりました。9Bkeyの面目躍如といったところでしょう。
メンツに関しても、完全に「いつものメンバー」だった17keyとは違って、一風変わった顔ぶれも見られます。
とはいえ、企画の裏でSKBさんが旧ぽっつべ9key勢に声をかけていたり、
僕もdecresc.さんに直接「参加しませんか」と持ち掛けたりしていたので、
それらを除けばほぼいつものメンバーのような気がしないでもありません。

ただし、仮にいつものメンバーだったとしても、
こういう企画があると「9Bkeyを作ろう」というきっかけになるので、非常に大きいと思います。
これは17keyの時にも言いましたね。
この企画が後押ししたのかはわかりませんが、今回のイベントでは他の9Bkey作品もいくつかあったので、
譜面数にして40、実に夏の多鍵祭(SKBさんの2譜面だけ)の20倍という驚異的な数になったのでした。

企画内の難易度は例によってクリア難易度を基準につけられています。1〜7と6+で8段階表記。
最初は1〜5を基準にしてそれより結構難しい5+と超難しい6、みたいに「5+2段階」表記で、
レベル1も難易度表基準☆1〜3程度とかなり広く取られていたのですが、
例によって僕が出したIrisの一番下の譜面があまりに簡単すぎた結果それだけがレベル1に隔離され、
残りを2〜6、6+、7にスライドしたものが現行の表記になりました。
概ね、

レベル1……難易度表☆1程度
レベル2……難易度表☆2〜3程度
レベル3……難易度表☆4〜6程度
レベル4……難易度表☆7〜9程度
レベル5……難易度表☆10〜11程度
レベル6……難易度表☆12〜12+(易)程度
レベル6+……難易度表☆12+(普)〜☆12+(難)程度
レベル7……難易度表☆12+(超難)程度

くらいです。
なお、今の僕の実力は☆12+(普)の中で易しいものがいくつか埋まっているくらいなので、
今回のレベル6+以上の譜面はどれもクリアできていません(6以下の譜面はすべてクリアできました)。

企画内での並びについては、一番易しい譜面がトップっぽくない感じなので、
中々悩ましい気がしましたが、幸いにももう1つ近い属性の曲で作られた作品があったため、
それが最終曲に据えられることで1つの物語を構成するかのような順番になりましたね。
17keyの時は純粋に一番難しい譜面がボスとしてラストに置かれていたので、
ストーリー性とエンディングが考慮されたこの並びも味があっていいなぁという印象です。
個人的には3番目の曲のキャラクターの被りっぷりが面白かったです。


No.351「Iris」(第2部、投下番号25)
そんなわけで提出作1つ目です(ただし作った順番的にはこっちの方が後)。
9Bkey Packageには最初から2作品出すつもりでいて、
片方がこの曲になる前提でもう片方の曲をどうするかいろいろ考えたので、
2作品の中ではこっちがメイン寄りです。ゲーム的な観点だともう一方に軍配が上がりますが……。

9Bkey Packageの作品は基本的に合作の合間に作っていたのですが、
なぜ曲が決まっているにも関わらず、完成が遅かったのか気になる方もいらっしゃるでしょう。
その理由の9割方はこの曲が6拍子であることです(白目)
現時点でSKBさんのエディタは1ページあたりの拍数を「設定として」持っているので、
6拍子の曲と4拍子の曲を並行で作るといちいち設定の変更が必要で面倒なんですよね。。。
4拍子組のバトンを一通り回した段階で作ろうと思っていたら、中々そんなタイミングが来ず、
結局ここまで遅れてしまったという裏事情でした(本作の完成日は12/11)。

9Bkeyの強みをどのようにとらえるかは人それぞれだと思いますが、
僕は7keyよりも広くなった横を活かして緻密な旋律表現ができること、が強みの1つだと思っています。
また、端にあるAや+が他のキー種ではあまり使わない小指を使わせる特殊性を持つキーなので、
高音が印象的なフレーズに対してそれを+に宛てるみたいなアプローチがしやすいと思います。
一方、いわゆるSキック的な表現が7keyよりやりにくいことを考えると、
どっちかというと音ゲーライクな曲よりは、旋律が美しいとか、表情豊かな曲の方が合うんじゃないでしょうか。

というわけで、「Iris」は9Bにぴったりだ! と、僕は思ったのです。
リイカさんの曲は他にもいろいろ聴いてみたのですが、
最終的にはYouTubeくんがおすすめしてくれた(=最初に聴いた)この曲に決まってしまいました。
ちなみにこの曲で一番好きなところは転調です。
なお、コメント内で「Irisにはいろんな意味があるけど僕はあやめの花という意味で解釈している」と書きましたが、
改めて楽曲動画を見ると登場する女の子が花束を持っているので解釈云々の問題ではなかったですね。
というわけで曲名の読みは「イリス」ではなく「アイリス」です(謎)

さて、この曲で譜面を作るにあたって、まず「冒頭をどうしよう」という問題が出てきます。
ヴァイオリンもピアノもめちゃくちゃ印象的なフレーズだからです。
かといって混フレにはしたくありませんでした。
「別のものを入れれば入れるほど旋律譜としての純度が下がる」という持論より。

そこで、全体的にピアノに注目してみると、パートの役目としては伴奏に寄っている一方、
最初から最後まで出番があるし、伴奏として見ると動きも主張も大きいところがあるので、
ピアノだけを切り出して1つ譜面を作れるんじゃないかという考えに至りました。
特にピアノは転調前のフレーズで16分、24分の絡むかなり印象的なところがあるので、
冒頭の16分メロも併せて「難しい方の譜面」にできるんじゃないかと思いましたね。
(この部分は普通の譜面なら前後から浮きすぎるので反映が難しかったところでした)

そんな感じで方針が決まったはいいものの、作譜面ではかなり慎重に進めることになりました。
ただ1つのパートに注目した譜面を作る場合、ごまかしが許されないからです。
(ごまかしとは、たとえば音が聴き取りにくいところを別の要素と合わせて「それっぽく」配置する、とかです)
また、転調後はピアノの音階が上下に広く動き回るので、単純に9Bの形に落とし込むのが大変でした。
何も考えずにピアノだけを追いかけているように見えて、考慮しないといけない部分が多かった感。
最後だけパーカッションですが、ここを空白にする構成はすごく違和感があったのでこうなっています。

ヴァイオリンなどをフィーチャーする譜面の方では、
逆に極力ピアノを入れないようにしています(ピアノ意識の要素は転調前のフレーズにあるフリーズだけ)。
こっちも旋律表現は極力丁寧に、かつ印象的なところをちゃんと主張できるように考えました。
総じて表現面では全力を尽くしたつもりです。伝わりにくいですが。

Pianoはピアノ譜面でないと(曲調的に)不自然なことをやっているので、
一番自然と言うかメイン譜面っぽいのは真ん中のIrisです。
ただ、IrisとPianoは曲の美しさを異なる方向性から照らした譜面なので、
どっちかというと2つで1つ、みたいに捉えてもらえるとうれしいかもです。

本作については例によって闇のゲーム(僕のスコア機構でFS0を取ってもなお上のスコアを狙うやり込み)が行われましたが、
それ以前にPiano譜面の中盤の16分、24分複合のところがSKBさんらをAPレベルで苦しめる配置になっていて、
なんか業が深いことをやっちゃったなあと思っていました。難しいけどそこまで難しいとは思わなかった。
そこがよりによって選曲画面のプレビュー音源で最初に流れるパートであることに加え、
1曲目のプレビュー音源は企画ページをロードしたら必ず最初に流れてしまうので、
「ページを開くたびにトラウマが呼び起こされる」という苦情が出ていたのはさすがに面白かったです。

難易度名「Ayame / Iris / Piano」
PianoはPianoなのでいいとして、AyameとIrisについては、
もう片方の難易度名をYumeiroとDropsにしていたので、
曲名のIrisと、それを日本語に訳したAyame、というようにしてみました。


No.346「ユメイロドロップス」(第2部、投下番号31)
提出作2つ目です。
これも合作の合間に作っていましたが、合作は基本的に譜面のやり取りが必要で、
作譜が長期化しやすいため、結局本作が僕の全提出作の中で最も早く完成した作品になりました。

えだまめ88さんの楽曲は以前、あいすさんとの合作でCHINA GIRLを使用させていただきましたが、
CHINA GIRLはチップチューンという属性以外はあんまり氏の楽曲らしくないもので、
選曲自体も楽曲の好み度合いよりもあいすさんの作風がはまるかどうかを優先してしまったところがあり、
もう少しちゃんとした形でチャレンジしてみたいという思いがありました。
僕は極力「同じ作曲者の曲で連続していっぱい作る」というのを避けていて、
CHINA GIRLを出したのがイベント基準で1年前となったこともあり、
多鍵祭'23 Winterでやってみよう、と思っていたのです。
(ちなみに、今年の1月15日に「CHINA BOY」という曲が公開されましたが、
 こっちはチップチューン一本という曲ではないので姉妹曲的なやつではなさそうです)

ほどなくして、それを9Bkey Packageに回すことを決めて、
9Bkeyで作譜することを念頭に置きながら、(その時点で)DOVAで公開されている曲をすべて聴いてみました。
DOVAで音楽を公開されている方の中には数百、人によっては1000以上の曲を公開されている方もいらっしゃいますが、
えだまめ88さんは38曲(当時)だけだったので、無理なく楽しく聴くことができました。

で、最終的に候補に挙がったのが「Tea time」と「ユメイロドロップス」の2曲だったのですが、
ここで前提に「Iris」が存在することが活きて(?)きます。
というのもTea timeは6拍子の曲なので、Irisと雰囲気が被ってしまうんですよね。
ユメイロドロップスは初心者向けの譜面が作れそうな感じがしなかったのでそれはどうかなとも思ったのですが、
そっちはIrisでがんばればいいか、みたいな感じで決定になりました。
(Irisにわざわざ低難易度譜面がついているのはこれが理由です)

ユメイロドロップスと9Bが結び付いたきっかけは、
冒頭部分のベース(に相当する音)がちょうど1オクターブ分の幅を持っていて、
(ソーラシ♭ソ、ソ、ド↑、ド、ドミードミーソファ、ドードファ、ドードファ、ドーファ、ファ♯ー)
しかも臨時記号(ファ♯)がちょうどおにぎりにあてられる位置にあることから、
「もうこれしかない!」となったところですね。

Irisのところで「どういう曲が9Bに合うのか」という持論をつらつらと述べましたが、
そもそも9Bというキーは移動を除いた様々な表現が可能なキーではあるので、
譜面という形に起こすのは割となんとかなったりします。
(9Bらしさみたいな話になると行き当たりばったりでは辛いので、
 何かしか9Bならではの形や、9Bでしかできない形を模索したいところではありますが)
結局9Bが作られないのは単純に対抗馬が多いせいだという気がしますね。

作譜上は終盤の怒涛のユニーク要素ラッシュをどうするかが最大の鬼門でした。
メロもベースも伴奏も全部拾いたくなるので困りものです。
ベースに至ってはそこまではほぼ繰り返しなのですが終盤のみ変化があるという形です。
結局メロは下の難易度に任せて伴奏とベースを追いかける方向性で考えました。
小指と薬指が絡む階段は(階段に限らずそういう配置全般がそうですが)非常に打ちにくく感じたので、
全体的に大きく散らすような形で構成している部分が多いです。
それとは関係ないですがイントロ後半の組み方も地味に難儀しました(^o^)

初期案では後半のフリーズ地帯は音通り12分トリルで伴奏を取っていたり、
その後の12分交互が同時押しだったりして、ツール難易度基準で現行より5以上高かったのですが、
流石に浮いてるかなあということでかなりマイルドになりました。
9Bとしてはとっつきやすいタイプの譜面だと思います。

下の方は、曲が軽快なので4分メインでリズムよく構成した、という感じの内容です。
前半のおにぎりの使い方がEasyっぽいかもしれません。
現時点では9Bは難易度表☆1の範囲が他キーよりも広いので、
これでも☆2の下位くらいの難しさになりそうです。

難易度名「Yumeiro / Drops」
明確に難易度が違う2譜面に対して、2単語を1単語ずつ難易度名にあてるのはあまりしてこなかった気がします。
難易度が近くてキーが別というパターンだとそういうことは何度かあり(ことさら合作の場合は)、
個人作だと「からくりすとりーと」(Karakuri / Street)みたいなそのまんまなもの以外にも、
「あさがおのみち」(朝顔→Morning glory→Morning / Glory)とか、
「あやしいやしき」(ショウタさんの曲→Crepe Curtain→Crepe / Curtain)みたいな変化球タイプのものもあります。


No.348「プラネタリウムガーデン」(第1部、投下番号8)
恒例の7chat合作……というよりはもはや7chat + Discordのハイブリッド合作です。

作品内の個人コメントでも言及していますが、本作はもともと多鍵祭'23に出す予定で選曲されていました。
しかし、曲が決まった後に11key15周年の件を思い出し、そっちを優先したかったため、
こちらは冬への延期が決まったという経歴を持っています。
逆に言えば今回は最初から曲も方針も概ね決まった状態だったので、始動はスムーズでした。
(合作において選曲は結構モメやすいところなので……)

最初の時点でapoiさんから7iの提案を受けていて、僕の中でも7iはイメージに合っていたので、
この曲と7iというセットはすぐに決まり、例によって難易度をすみ分けた2譜面構成にする方向も確定。
下は7chatっぽく、上は今時で3つ押し解禁、でも方向キー内の3つ以上は勘弁してほしいなみたいな話をして、
最終的に以下のような方向性を打ち出しました。
 ・下:2つ押しまで、あんまり難しくしない程度(目安はツール15〜20くらい)
 ・上:3つ以上同時押しあり(方向キー内の同時押しは2つまで)、最低でも☆12+易以上の難易度にする

上については7iで難しい譜面を作るということで、goeさんとchipさんには参加してもらいたいという思いがあり、
chipさんはボイスチャンネルで話すことも多いのでその場ですぐに承諾をいただき、
goeさんからもありがたくも了承をいただけました。
言い出しっぺのapoiさんと僕もまあ参加するということで、もうこの時点で上のメンバーがほぼ固まってしまうことに。

あと1人どうするかというのはかなり悩みどころだったんですが、
その後すずめさんと2人だった時にすずめさんに持ち掛けたところ、
「3つ押しありなら参加します」ということだったのでメンバー確定。
他4人に比べてすずめさんの扱いが露骨に雑なのがアレですが、
7chat合作はもともとはこういう「その場にいるメンバーで発足」という方向性だったのでご容赦(

下については、SKBさんが下に入っているのがやや珍しいくらいで、
まあいつもの7chatなメンバーとなりました。
しかもパート分けの結果、3番手までが前回と全く同じ順番になってしまう珍事。
そしてSKBさんはまたしてもラスト担当になってしまいました。
希望は出すけど基本的にどこでもよいというワイルドカードポジションでめちゃくちゃ助かっているのですが、
そうなるとラストに寄りがちになってしまうんですよね……。

上についてはワイルドカード担当がいなかったのでパレート最適解を選んでいます。
chipさんが空気を読んで(※本人談)ラストを希望されたため、いかにもなパート分けになりました。
一方、apoiさんと僕がともに最初のパートを希望し、
パレート最適解を選んだ結果僕が3番手になってしまったので、これがこの譜面のターニングポイントに。
(仮に僕が初手だった場合はこの難易度にはなっていないため)

その後の展開はコメント等にもありますが、
chipさんがアンカーということで気合を入れたapoiさんが冒頭を超難化させ、
それを受け取ったすずめさんがあまりの難易度にドン引きし、
(失礼ながら「このまま進めて大丈夫か」というDMが飛んできたときには笑ってしまいました)
そのままの流れで進めた結果chipさんもドン引きするという謎の展開になりました。

すずめさんパートが終わった時点でツール難易度はすでに94に達していたのですが、
その後僕が全体的な仮組として配置を置いていくたびに、
ツール難易度が少しずつ下がっていったのはさすがに面白かったです。
仮組段階からだいぶ増やしてるので最終的には僕パート終了時点で100をわずかに超えるくらいになりました。
なおこのパートはパン振りの複雑さも相俟って採譜が地獄でした(真顔)
見た目がすごいことになっていますが、そういう方向性で組んだので意図的です……。

下は普通に自分が作りたい譜面を作れる流れになっていたのでそうしました。
主に短フリーズラッシュのところがそうです。
難しくするというよりは後続が難しくなるように布石を打っておくみたいなパートです。
SKBさんに「あとは頑張れ〜〜」した結果、SKBさんがやり応えある譜面を作ってくれたのでとても満足。
全体的に僕パートでフリーズを使い倒したので7chatリレー合作の最多フリーズ数(147)を更新するかなと思いましたが、
どちらの譜面もわずかに届かなかったですね。

先に完成したのは上の方です。ちなみにchipさんの作譜速度がやばかったです。
難しい譜面って作るのに時間がかかると思うんですがそうでもないのかなあ。
初期案は今以上にすごくて、現行案は空気を読めてる程度にナーフされているのですが、
むしろナーフの方が苦労されていた印象を受けるほどでした。

ゲージについてはgoeさんかchipさんのゲージに概ね準拠するつもりでした。
(goeさんは最近の作品だと3分半を超えた場合ライフ制にされているので、前者準拠だとライフ制になります)
apoiさんとも相談した結果、「合作なので途中落ちしてプレイされないかもしれないパートが出るのは微妙」ということになり、
ノルマ制が採用されることになったのですが……。
(仮にgoeさん基準のゲージなら、僕が読み間違えていなければ初期200、回復2.86、ダメージ50、94.48%になっているはず)

chipさんにテストプレイしていただいた結果、6:90だと厳しすぎるんじゃないかということになり、
6:75は? 6:60は? 4:60は? みたいな感じでいろんな可能性を考慮しました。
そのたびに1からテストプレイをしていただいたのですが、
結局5:75がバランスいいんじゃないか(加えて3333判定なら実数値1.5:22.5となり綺麗)という結論に。
下の譜面はこれを踏まえて、ややマイルドな感じのゲージをこちらで決めました。

名義「Planet Nine」
7chat合作は慣習的に参加人数を名義に含めることにしていて、
これを決めた時点でプラネタリウムではなく宇宙スケール(上位譜面名がSupernova)になっていたので、
宇宙、天文を題材にして9が絡む名義をいろいろ考えました。
最終的には「直径9メガパーセク」とかいう超絶ネタ名義に走ったりしたのですが、
9なら「Planet Nine」というのはどうか、とchipさん、すずめさんから別々に飛んできたので、
被ったのも何かの縁、ということでそれが採用されることに。
※補足:銀河の直径はおおむね1000〜10万パーセク程度ですが、数百万パーセクに及ぶ大きなものもあります

表明コメント「Unknown」
作品コメント「未知なる惑星を探し求めて。」
これは名義がPlanet Nineに決まったところから出てきたものです。
プラネット・ナインは太陽系の外縁にあると予測されている天体(惑星?)なのですが、
いくつかの説で存在が提唱されている一方、実際に観測はされておらず、
現時点では未知であることからこれらのコメントにつながりました。

難易度名「Protostar / Supernova」
上はもう超新星(爆発)に喩えても怒られない程度にすごい譜面になったので、
それを「Supernova」という難易度名にすることはすぐに浮かんだのですが、
じゃあ下はどうしよう、というところでめちゃくちゃ悩みました。
天体や天文分野のことをいろいろと調べまわった挙句、
超新星が「星の死」ならば「星の生」にあたる原始星=Protostar、ということになりました。
超新星というのは基本的に一定以上の大きさをもつ恒星に起きるもので、
そうでない恒星は一生を終えると「惑星状星雲」(planetary nebula)になるのですが、
Planetary Nebulaだと長すぎるし、Nebulaだと意味が変わってしまうので……。
結局この難易度名に決まるまでに3時間くらいは右往左往しました(白目)


No.349「大樹の軌跡」(第2部、投下番号24)
だんおに作品一覧の掲載作品数10000到達を記念する大規模持ち寄り合作です。
いろんな人が自由気ままにいろんなキーで譜面を作るという意味では、
主に冬イベントの飛び入り期間中に発生する「乱闘」に近いもので、名義もそうしていますが、
本作は祝電的なニュアンスが強いので、これまでの乱闘とは毛色がだいぶ違いますね。

経緯としては僕やgoeさんがコメントに書いていることと、MFV2さんが載せているスクショに集約されていますが、
goeさんが掲載10000番目を踏んだことをDiscordにて報告されたのがきっかけで、
古の「キリリク」という制度に乗っかって、乱闘をけしかけましたみたいな感じです。
当初は「goeさんのリクエストにだんおに勢有志で答える」みたいなコンセプトだったのですが、
goeさんが出してきた曲が「DOVA-SYNDROMEの10000番目」という非常に濃い属性をもっていて、
楽曲の雰囲気的にも10000作品という記念にぴったりな感じだったので、
「みんなで作る祝電作品」という方向性に変えることにしました。そのためgoeさんも参加されています。

本作において、僕は「主犯」という役職になっていますが、
 ・「goeさんのリクエストにだんおに勢有志で答える」という形の合作をけしかけた
 ・大樹の軌跡が提案されたときに、真っ先にBPMとStartNumberを計測した(しないと流れると思ったため)
 ・裏でSKBさんら数名に、この企画をやったら参加していただけるかどうか確認を取っていた
 ・企画の全体的なルール(1人キー2種まで、1種あたり4譜面まで、など)を策定した
 ・Discordにあまり来ない制作者数名に裏で声をかけた
ここまでやったらさすがに「主犯」といって差しさわりはないでしょう。

コメントで「そんなこんなで晴れて乱闘枠初の主犯ポジに。」と書きましたがこれは大嘘です。
(いんせくと!が僕主犯だったのを完全に失念していました)
最近は唆すのが仕事だったので(?)、このレベルで中枢に入ったのは久々です。

譜面数やキー数に制限を掛けたのは、飛び入りベースの普段の乱闘と異なり、
今回は作譜可能期間が1か月以上あった+楽曲が短かったため、
ある程度制約をいれておかないと譜面数が無限に増える懸念があったからなのですが、
結局複数キー種作った人はいなかったため杞憂だったかもしれません。
主にスネアロールの拾い方の差異によって難しい譜面とそうでない譜面に二極化したのが面白かったです。

僕は9Bで譜面を作りました。
スネアロールを32分で取ることを考えると、階段的な拾い方が増えると思われるので、
横一列で通常キーが8つある9Bはまさに適任、と判断したのです。
この時点で最上位譜面では多重押しを入れる予定ではいたものの、
作譜前にSKBさんのTremendous譜面を見てしまったせいかテンションがぶっ飛んでしまい、
結局最上位がネタ譜面になってしまいました。ちなみにこの譜面僕はめちゃくちゃ苦手です。たまに落ちます。
というかFutureとOmakeの間に、goeさんのHardのようにスネアロールの役割を住み分けた譜面を入れるべきでした。
もう少し考えるべきだったかも。

あとの譜面は基本的に音ベースという感じです。
難易度的には無難というか、混フレさせなかったらこれくらいになると思います。
チェンバロもマリンバもピアノも割と動きがあるので、それをフィーチャーして、
スネアロールについてはあまりロールっぽい見せ方をしない(単発ベース)ように譜面に反映しました。

各個人のキーチョイスは、選び方についても内容についても個性が出る結果になりましたね。
この曲ならこのキーだ、と確固たる意思のもとに選んだ人もいれば、
祝電作品ということでメインのキーで挑んだ人もいるし、
どのキーでもいけそうだから誰も作ってないキーをチョイスした人もいる一方で、
キーが決められないからダイスを振った人(???)も。

36譜面集まったところで締切となり、作品提出をしたのですが、
作品修正期間中にかみやんさんが飛び入り参加したいという話があって、
それに9ikey4譜面が増えて最終的に40譜面でフィニッシュとなりました。
僕はスピツイ基準難易度査定があるので一通り譜面を確認しましたが、
曲時間が短いのもあって、本当におつまみ感覚で「もう1つ遊ぶか〜」を繰り返した結果、
結局全部見ちゃった、みたいなことになってしまいました(殴)

余談ですが、「場内乱闘」という表現はあまり適当ではないというか、
乱闘した結果をイベントに出しているのでただの「殴り込み」です。
イベント提出作に乗っかる形で強行した「poP!steP!!jumP!!!(11Wkey)」の方が、
「場内乱闘」のイメージには近いと思います(乱闘というには譜面数が少ないけど)。
本提出された何かの作品に対して、別の人が自分も譜面を作ってみようと画策し、
それが拾われて本提出した人自らも参加するお祭り騒ぎみたいなことになれば、
真の「場内乱闘」と呼ぶにふさわしいかもです。そんなこと起こるのか? という感はありますが。

あと、今回の企画はあくまで「作品一覧への掲載数が10000になった」記念です。
実際は作品一覧に掲載されていない作品も多々あるし、
合作は重複カウント(たとえば、プラネタリウムガーデンは全員が登録したら9作品扱いになる)なので、
真の意味での「作品数」とは乖離があることに注意が必要です。
未移植、サイト閉鎖(含ジオシティーズ)もあるので、
実際に遊べる作品数という観点なら結構減ってしまいそう。
実際に遊べる「譜面数」なら多鍵データベース(含メジャー)を参照するのがよいでしょう。

表明コメント「10000」
ほぼ自明ですが、10000作品到達記念なので。

作品コメント「ダンおに伝説 万の軌跡」
10000作品は伝説といっても過言ではないし、如何にも曲名から取ってきた感のある内容ですが、
実際のところは日本ファルコムが誇るストーリーRPG、英雄伝説の軌跡シリーズが元ネタです。
軌跡シリーズの初作「英雄伝説VI 空の軌跡」(英雄伝説 空の軌跡FC)は2004年発売、
そして現時点でも進行中のシリーズであることから、だんおにと共通する部分も意外とあります。
初期はPC向け、その後はPS系ハードで発表されていますが他機種への移植へも多いので、
実はSwitchだけで零、碧、閃(1〜4)、創、黎(1のみ)の8作品が遊べます。黎は今年2月15日発売。
(他に「那由多の軌跡」というものもありますがこれはやや特殊なので除外)
空(1〜3)も何らかの形で移植されないかなあ。

難易度名「Past / Present / Future / Omake」
Arcaea由来……ではなく、単純にこの曲に対してそういうイメージを持ったからこういう難易度名になりました。
そんな経緯もありOmakeを「Beyond」にしたい衝動には何度も抗いました(何)
Omakeについてはいろいろぶっ飛んでいるので、難易度名についても他3つと関連性をなくしたかったのですが、
じゃあどうするか、と考えた結果妙案が思いつかず、ストレートに「Omake」になってしまいました。
その代わり、ゲージがArcaea仕様です(ただしPastは回復が多く、Present以下はノルマが低い)。


No.350「クレセントラリー」(最終部、投下番号65)
SKBさんとの10回目のコラボ合作です。僕とのコラボ回数が2桁になったのはこれで3人目。
前年('22 Winter)に引き続き、あぢさゐのお二人から楽曲をお借りしました。
あの時はまだ5回目だったはずなのになんでもう10回目になってるんですかね???

さて、iskbic名義合作では、毎回違うキーでコラボすることがお約束になっています。
そもそもの発端はFABRiCでのSKBさんのコメントで、
 ・地味に毎回key種が違うの良いと思います。
 ・(20回やればデフォルトキー網羅出来る…?)
こういうものがあり、その後もなんやらでやる合作が毎回別キー種になってしまっていました。
とはいえ、ここまで続くと「偶然別キー種になった」という確率はだいぶ下がっていて、
9回目のSwifter Charge!!!!あたりからは「まだ合作していないキー種」を意識的に選ぶようになっています。

SKBさんとはDiscordのボイスチャンネルで頻繁に通話するので、
9月6日。この日も今後の合作についてどうするか話していました。
ここまで7→11W→7i→11L→11→5→17→23→9Aときて、
残ったキーの中で合作できそうなのはあと8、9B、12あたり。
この3つが終わったらもう縛り解除していいんじゃない?、とか、
12はせっかくだし12回目にやりたいですよね、とか。

そんなわけで次の合作の候補として残ったキーは8と9Bだったのですが、
今回は9Bkey Packageで9Bkeyがフィーチャーされる予定だったので、
じゃあとりあえず9Bにしましょうか、選曲については9Bでやるんだったら、
僕よりもSKBさんにやってもらった方が良さそうなので、いい感じに9Bがはまる曲をお願いします!
みたいなところまで一旦話が進みました。

このタイミングで、おそらくSKBさんは「作譜候補曲メモ」みたいなのを確認したと思われるのですが、
しばらくして、「う〜んこの曲は8keyで作らないと怒られるタイプの曲なんだよな」という謎のコメントが飛んできました。
これに対して僕は「8keyで作らないと怒られるタイプの曲 is 何」みたいなリアクションをしました。
そこから先はスムーズ(?)で、

「一応個人でやるっていう選択肢もあるか……?」
「でもこの曲難しいしどうせ個人ではやらんやろ!」
「もういいや、投げよう! 投げます!」

みたいな感じでSKBさんの中で問答が自己解決し、
飛んできたのがクレセントラリーだったというわけですね。

SKBさんが「個人で作らない曲」というとまあグレイッシュブルーが思い浮かんだのですが、
楽曲動画を開いて「あぢさゐ」という名前を見て「あっ(察し)」となりました。
さらに、最初はなんで8keyで作らないと怒られるのか分かりませんでしたが、
1分くらい聴いて最初のサビで「Enter」という言葉が出てきてその点でも納得することに。

最初は9Bの予定ではあったけど8もやっていないキー種だったし、
グレイッシュブルーとは違ってクレセントラリーは難しくなるタイプの曲ではなさそうだったこと、
そしてグレイッシュブルーのように「そもそも何分音符なのかすら分からない」みたいなところもほぼなかったので、
「グレイッシュブルーの採譜を乗り越えた後だしこれくらいなら何とかなるでしょ」
と、愚かにも調子に乗ってしまった僕はほぼ二つ返事で「今回はこの曲でいきましょう!」と、
そう返答してしまったのでした。

さて、本曲で作譜するにあたり、Enterをどういう形で使うのかが非常に重要になります。
特に1サビでどう見せていくか、これによって全体の方向性が変わるといっても過言ではありません。
そこで、手始めに1サビについてどういう譜面像をもっているか、
通話しながらお互いにそこだけを作譜してみて、比較してみることにしました。
その結果としては、Enterの使いどころは違っていたものの、
問題のところ以外のEnter数は0にはしないけどめっちゃ絞る、問題のところは前面に出していく、といった、
ざっくばらんな方向性が同じだったので、ここの調整はスムーズでした。
最終的に1時間くらい通話して、1サビをSKBさんベースの使い方で進めることが決まり、
1番のラップ地帯まで(合作→SKBさん個人パート→合作)の原案の作成をお願いすることに。

……そして、事件が発生します。
SKBさんは仕事が速いので、この通話の直後から原案作成に着手されていたのですが、
「ここのキック、跳ねてそうだけど24分だと違和感があるし、ここ何分っぽいですか?」
と、SKBさんから問い合わせが来ました。そこでArrowVortexで確認するのですが、
確かにメトロノームを16分で鳴らしても24分で鳴らしても当該の音にタイミングが合いません。
0.1倍速再生とBPM12倍取り(メトロノームが48分間隔)までを駆使した結果、

「あ、これ16分と24分の中間だ……」

この曲のパーカッションが7:5のシャッフルを刻んでいることが明らかになったのです。
これに対するSKBさんの反応も「まさにアゼン」という感じでしたが、
とりあえずもっとも分かりやすいイントロの最後を7:5リズムで入れてもらった結果、
「あ、24分だと違和感あったけどこっちだと全然違和感ないですね」
ということで、7:5シャッフルであることがプレイ感の方向からも実証されることに。

しかし、2:1シャッフルが「24分2個分+24分1個分」を繰り返すリズムと解釈するなら、
「96分7個分+96分5個分」を繰り返すリズムといえる7:5シャッフルは、
BPMを倍取りしないと反映できない、非常に厄介なリズムパターンとなります。
SKBさんエディタは、48分と32分を組み合わせると96分単位で「12n+0、2、3、4、6、8、9、10」の位置にノートを置けますが、
12n+7の位置に置くことは不可能なのです。

BPMを倍取りすると譜面の見通しが非常に悪くなってしまい、正直作譜が大変になるので、
パーカッションを取る可能性があるところは倍取りして、他の部分は普通に進めることになりました。

その後はスムーズでした。
歌詞のおかげでEnterの使い方の方向性が定まり、音も豊富にあるから取る音にもそんなに困らない。
合作パートで相方の繰り出す素案の完成度が高く、非の打ちどころがほぼなかったことも相俟って、
パート分けが非常に細かい割にはかなりすんなりと終盤まで進めました。
ラスサビも入れたい配置(クレセント、に合わせたクレセント配置と、Enterフリーズ中の伴奏追い)だけこっちで入れて、
あとはSKBさんにぶん投げるという最悪のことをしましたが、SKBさんが超うまくまとめてくれて、
「すごい」という小学生並の感想を抱きながら、譜面が最後まで通りました。

通ったところで、僕は僅かな違和感を覚えました。
一番最後のピアノが、跳ねている「ような」気がしたのです。
(この時点では跳ねているのはパーカッションのみ、の想定で、普通に16分で取っていました)
そこで波形を確認したのですが……。

「16分の頭にない……だと……?」

なんと、ピアノも7:5シャッフルだったのです。
ピアノはガチ追いしている場面は少ないものの、16分4連でそれっぽく取った箇所は結構あったため、震撼が走りました。
結局、ピアノ追いの部分をBPM倍取りしながら、7:5シャッフルに直していきました。
譜面が完成した後の修正で「なぜかエディタのページ数が増えていく」という珍現象。

他の合作との兼ね合いもあって作業的に若干きつかったですが、
とりあえず7:5シャッフルに直すだけ直したものをSKBさんに見てもらい。
意外にも違和感はなかったため、単純に直したものが採用されました。
他にも、2番のラップ地帯前半や、ラスサビの最後はピアノではない伴奏追いでしたが、
さすがにここはシャッフルっぽく聞こえないし、これでいいんじゃないですか?
というわけで完成! 乙!

……でも、僕は一応、念のためこの2か所も低速で検証してみることにしたのです。
なぜ検証してみようと思ったのか、よくわかりませんが、不安だったのかもしれません。
数分後。

「(絶句)」

というわけでバッチリ跳ねてました。もちろん7:5で。
もうやだこの曲。

結局、ボーカル以外全部7:5シャッフルだった、というオチでした。
本当はボーカルも跳ねているのかもしれませんが、
ボーカルパートは他ほどアタックが明瞭ではないので、0.017秒の違いの判断はできませんでした。
このころになるとSKBさんは「この曲だったらむしろ7:5になってないと精度が取れなくなってきた」とか、
僕には理解できないことをおっしゃっていましたが、
そんなこんなで初期案から15ページ以上長くなった、激動の作譜は幕を下ろしました。

izkdic「誰ですかこんな曲選んだの!」
SKB「いや〜誰なんやろなぁ……」

当初の見立てより数倍は苦労しましたが、
曲の作り込みの深さも手伝って、とても面白い譜面になったと思います。
Enterも使いどころを絞りつつかなり存在感がある内容になったし、
界隈初の8keyコラボ譜面として恥じない出来になったのではないでしょうか。

表明コメント「この曲7:5シャッフルだと 俺を殺す気か」
今となっては知る人ぞ知る、夏祭り2009のCMより、
「この曲4分30秒だと 俺を殺す気か」のパロディです。
案の定SKBさんには伝わりませんでした(当たり前)
このCM、夏祭り2009の公式ページからリンクが張られていないので、
本当に「当時を知る人しか知らない」代物になってしまってるんですよね……。
これ以外にも当時のだんおにあるあるが満載です。

作品コメント「進め!」
歌詞引用。本作は歌詞自体がネタバレになってしまうので、
極力当たり障りのないところから取っています。
方針を決めたのは僕で、実際に選んだのはSKBさんです。

難易度名「Crescent」
曲名より。


No.352「Connect」(第3部、投下番号41)
今回ようやく実現した、すずめさんとのコラボ合作でした。

すずめさんはDiscordのボイスチャンネルによく来られるし、
作品面でもSSLやその他の合作でご一緒することが多かったので、
マンツーマンコラボの機会を窺っていたのです。
しかし、そこで1つ問題になるのが、すずめさんと僕とでは得意としている難易度が違いすぎること。
リレーならまだしも、コラボ合作で超高難易度みたいな話になってしまうと、
Doggoのように、まともな配置吟味ができなくなってしまいます。
やりなれている相手ならまだしも、初回でやる内容ではないのは明らかです。

そこでいろいろ考えていたのですが、11Lであればそれなりに戦えるのではないか、と思いました。
さすがに★12とかそういうレベルになるとどうしようもないですが、★9くらいまでならどうにかなるはず。
というわけで、すずめさんと2人だった時に、「11Lあたりで合作やりませんか」と持ち掛けたのが11月1日です。

この時点ですずめさんから「11Lならこの曲はどうか」という提案を1つもらっていて、
「個人作構想だと★13くらいになりそうだけど合作だし抑えたほうがいいかも」という話だったので、
11Lのだいたい★8くらいを作る想定でちょっとこっちでも曲考えてみます、ということでその場はお開きになりました。

それからしばらくして、いろいろYouTubeで音楽を聴いて回っていた時に、
ものすごく僕の琴線と作譜欲に触れる曲を見つけました。
というか、その方の曲が全体的に完成度が高くてすごかったので、
その中から2曲、すずめさんに提案してみることにしました。

2曲のうち、片方(これを楽曲Aとしておきます)は★8程度の11Lでいい感じに作れそう、
もう片方は11Lでもできるけど7keyの発狂譜面とかの方が映えませんか、ということに。
確かにそうかもと思いつつ、今回の合作で7keyの発狂譜面を作るつもりはあんまりなかったし、
それだったら(プラネタリウムガーデンのように)リレーで7key難譜ガチの人を招聘し、
難易度別に2〜3譜面に分けて〜とかやったほうが面白そうなので、
多分次回の7chat合作には発狂7key譜面が含まれていると思います(謎)

この期間、すずめさん側もいろいろと候補曲を考えてくださっていて、
その中にはSSLのように、「複数キー種のリレー」がはまりそうな曲もあったりしたのですが、
なんやらで微妙に決め手に欠く状態が続きました。
(僕が挙げた楽曲Aは候補として採用されていたものの、
 その後同じアーティストさんの曲で7chat合作するならストックしておきたいという気持ちも少しあった)

そんな中、突然すずめさんから、

「あとはこれとかizkdicさん好きそうだなと勝手に思ってます」

と飛んできたのがConnectだったのです。

実際こういう曲はすごく好きだったし、
「izkdicさんの作品か7chat合作にありそうなイメージ」というすずめさんの印象も言い得て妙でした。
今だったらどうかなあと考えを巡らせたところ、現行譜面にも存在する、
サビ前の付点8分ピアノを左手移動で取らせる配置が浮かんできたので、
11keyで、要所のみ左手移動を使うくらいの難易度感であることを伝えました。

ただ、さすがにこの曲だと僕の好み・作風に寄りすぎなところがあったので、
その点を懸念したのですが、「敢えて中級譜面やるのも面白いと思うので個人的には別にありですね」ということだったので、
お言葉に甘えることになりました。

……で、最終的に楽曲AとConnectが候補として残り、じゃあどっちでやるか、と2人で考えたのですが、
「どっちも甲乙つけがたくて決められない」という状態になってしまいました。
結局、「2曲ともパート分けしてきれいにパート分けできた方にする」という謎の決め方をすることに。
Connectが展開のはっきりしたボカロ曲なのに対し、楽曲Aはインスト曲だったので、
Connectはテンプレ分け、楽曲Aはかなり変則的な分け方になりました。
両方を提示し、すずめさんに裁定をお願いした結果、Connectが選ばれましたとさ。

その後はとりあえず最初の合作部をお互いに作ってみて、
案の定僕は抑えめ、すずめさんのは程よいくらい(現行譜面程度)になっていました。
一度は僕の密度展開をベースに進めて1メロまで組んだのですが、
さすがに抑えすぎて伴奏要素を活かせなさそうな内容になってしまったので、
すずめさんの素案の内容をベースにして1メロを組み直すことにしました。
開始時点でツール難易度15程度と見積もっていたのですが、
組み直した状態で進めて完成した譜面のツール難易度が13.69だったので、
僕の初期案は明らかに抑えすぎでしたね……。

すずめさんの出してくる配置は個人パートも合作パート素案も完成度が高く、
勝手に「中級11keyもっと作ってくれ〜〜〜」とか思っていました。
上級譜面を作るのが上手い人は中級譜面を作るのも上手いというのがよくわかりましたね。
ラストパートの素案は当然のようにノート数1111に揃った状態で飛んできたので、
パート内の各所を見直して1100+22になった状態ですずめさんに引継ぎ、
そこにすずめさん側からいくつか修正が入って1100+22でフィニッシュ、となりました。

総じて、個人パートの回し方で悩む部分はあったものの、
合作としてはかなりスムーズに進んだし、多鍵特有の難易度バランス崩壊もなく、
お互いの得意難易度が違いすぎるとは思えないような譜面内容に。
とても納得感のある合作になりました。

今回の名義について、すずめさんからも振られているので詳細に書いてみます。
そもそも7chat合作とは違って、この後ずっと使っていく名義になるので真剣に考えたのですが、
結局何も思い浮かばず、とりあえず何かのアナグラムで作れないかと思い、
Wordsmith.orgのアナグラムサーバーを使って考えることにしました。
(このアナグラムサーバーは辞書にある単語でアナグラムを作ってくれるので便利です)
ちなみに最初は「suzumeizkdic」でアナグラムを探したのですが「No anagrams found.」でした(真顔)

この名義を考えていた時、ちょうどパズル投稿サイト「Puzzle Square JP」(通称パズスク)にて、
「Puzzle Square Advent Calendar 2023」が開催されていました。
12月1日〜25日に、それぞれ指定されたパズルを投稿するイベントです。
僕もすずめさんも問題を投稿しているので、パズルが突破口にならないかな、とふと思いました。

すずめ「名義は何も思いつきません ダンおにオルタネーション部とかしかない」
izkdic「それSKBさんも入っちゃうんだよなあ(」
すずめ「入部条件2作以上作ってる人にすればOK」
※オルタネーションは稲葉直貴氏発案のパズルで、なぜかSKBさん、すずめさん、僕の間で話題になりました

それはさておき、すずめさんの持ちパズルは「Castle Wall」。
僕はまあナンプレかヤジリンで、イメージから「Castle Ring」という名義が浮かんだのですが、
そもそもヤジリンのリンはRingではなくLinkなのでうーん。
ただLinkという言葉は曲に合っているので、難易度名の方で採用することに。
その後もアナグラムを見ながら考えていました。

そして、何気なしに「castle alter」でアナグラムを探したまさにその時、見つけてしまったのです。
「Clear Lattes」という文字列を。
※オルタネーションはぱずぷれでは「alter」というURLで扱われています。

僕としては、メジャーな言葉で意味も通じるし、Latteもちゃんと複数形になってるからよさそう、と思って、
「こんなのが見つかりました」くらいの感じで、軽はずみに出したのですが、
すずめさんから即座に「これじゃん」(※URLつき)というレスが来ました。
僕はアサヒのクリアラテについては全く知りませんでした。
「南アルプスの天然水&ヨーグリーナ」は飲んだことがあったのですが、
こっちは透明飲料というよりは「水系飲料」ですかね。

実物があったならさすがにナシかなーと思案していたところ、
すずめさんから「謎だけど面白いのでいいと思います」というコメントがあり、
結局これが採用され、僕ら2人の名義になってしまいましたとさ。
表明コメントの「すっきり大人の甘さ」は、この流れですずめさんがノリで決めてくれました(謎)
作品コメントの方は普通に歌詞引用です。2番Bメロ。

作品とは関係ないですが、今調べるとパズスクでの問題投稿数ランキングで18位に入ってるみたいです。
Xでのヤジリン毎日投稿も2年以上続いてるし、なんでこんなにペンパにのめりこんでるんですかね……?


No.353「data / OVErfLow」(最終部、投下番号61)
今回のSSLです。SSLということで4キー種4譜面リレーです。
「4キー種4譜面」というのは僕らでしかできないことだと思うので、
SSLでは今後も継続してやっていきたいなと個人的には思っています。

さて、SSLの選曲ですが地味にめちゃくちゃ大変です。
というのも、大規模なリレー合作では往々にして発起人とその周辺が曲を決めていますが、
SSLはメンバー固定で人数も多くないので、4人で話し合って決めているのに加え、最低でも
 ・楽曲が4つに区切れること
 ・様々なキー種で譜面を作れそうな曲であること
の条件がかかってくるからです。

今回も多くの楽曲が提案され、その中には中々挑戦的な選曲もいくつか混じっていたのですが、
最終的に「data / OVErfLow」に決まったのは僕が強く推したから、という側面が強かったですね。
提案されたのはapoiさんでしたが、話に出ていた曲の中では特に好きだったのです。
見せ場という点でもアウトロ部に大きいのがあるので、そういう意味でもやりやすいかなと。
同時に候補に挙がっていた別曲については、今後やるかもしれないしやらないかもしれません。

結局SSLでは3回連続歌モノ(付け加えるとバーチャルシンガー系)ということになってしまったのですが、
順当に「ボカロ曲」だった前2回とは異なり、今回は「歌パートありのフューチャーコア」という感じで、
歌がメインというよりは歌もパートのうちの1つみたいな立ち位置なのでちょっと毛色は違う印象です。
ボーカルパートはかなり目立っていますが、半分以上がインスト部ですからね。

キーについては、僕がやりたいのは11Lだけど、
ツール20くらいの5keyや7keyも見てみたいな、というところがあって5or7or11Lみたいな希望の出し方をしました。
(僕が希望を出した時点で、SKBさんが「3押しあり7key」という希望を出されていた)
その後はapoiさんから「izkdicさんが11Lなら9B、11Lも11も選ばれないなら15A」という希望が出てきたので、
この段階で11Lという希望を確定させた、という形です。
相変わらず5keyは空くんだなあと思っていたところにすずめさんが5keyを提案されたことで、
今回のキー編成はすべて難易度表に掲載されているメジャーキーという異例の内容になりました。
まあ、そのあと調べたら9Bkeyの大人数リレーはどうやら界隈初のようだったのですが。

で、想定難易度というか作りたい難易度については、
僕がそもそも技術寄りの11Lがめちゃくちゃ好きなので、そういうのが作りたいなと思って、
 ・ツール20前後
 ・MovレベルはE程度、右手移動はいれない、二次元配置は普通に使う
 ・難易度表では★4程度
 ・ここで提示している難易度は「Sugary Pop [Ice-lolly]」に近い
というように、譜面の具体例まで添えて出しました(何)
ここまで書いておけばさすがに難易度超過は防げるかと思ったのですが、実際はプチOVErfLowしてしまいましたね。
とはいえSugary PopとくらべてBPMが49も高いことに加え、密度以外の超過は起こしていないため、
しょうがない部分はあったのかも。

パート分けについてはこれまでの2作と同様の決め方をしたのですが、
7keyが初手担当になったのは本当に僥倖でした。ここならイメージがあったのでなんとかなった感。
BやD担当だったら終わっていたかも(それか難易度が逆OVErfLowしていたか)
★2〜5という難易度はツール難易度換算だと40〜70くらい、しかもこの譜面だけ多重押しアリなので、
一番密度が高くなるはずの譜面だったのですが、入り出しが一番おとなしいのはもはやネタですね。
難しい譜面にするとしても最初はこういうイメージだったんだけどなあ。
一応僕パートで4+1つ押しまで出せたので、役割は果たせたはず……。

5keyはかなり悩ましかったです。そもそも僕が作ったもっとも難しい5key譜面ですらツール46とかなので、
片手向けという範囲でこのレベルまで難しくすることを考えるとどうなのかな、と。
SKBさんが(想定難易度の割に)比較的穏やかな入り出しをされていたのでそこは少し安心しつつ、
一応イメージにあった「ハイハットを細かく拾った配置」を試してみることにしたのですが、
片手どころか両手でも(餡蜜しないと)打てないようなものすごい内容になってしまいました。
BPM178の32分17連とか入れてたらそれはそう、という感じではあります。

apoiさんとも相談しつつ、さすがにやりすぎ感がすごかったので、
32分をフリーズで簡略する代わりに同時押しやおにぎりを混ぜたナーフ版も作った上で、
すずめさんに判断をお願いしたところ、
「ナーフ前でも許されると思うけどナーフ後の方が面白いからいいと思います」
ということになってナーフ後のものが採用されることになったのでした。
というか、あれを「片手想定」と言い張っても許されるのか……(汗)

9Bについては個々の配置はともかく、パート全体の構成は自分としてはあまりやらない形です。
CパートとAパートの違いってほぼドラムンの有無くらいしかないので、差別化が重要と思ったのですが、
ここボーカル取りたいな、と思ったところの大半は1番の同じところがボーカル配置だったので、
割と開き直って1番の間を縫うように伴奏配置を入れ込むような作り方をしました。
(個人作だったら1番の方を統一するのでまずこういう作り方はしない)

9Bはそもそも初手から想定難易度をだいぶオーバーされる見込みになっていたのですが、
Bパートのapoiさんが「密度は上げずに配置を難しくしたら、後続がizkさんなので大丈夫なのでは?」みたいなことをおっしゃっていて、
それを踏まえて自パートを考えると、ドラムンをそのまま取ると密度が高すぎるんじゃないかという懸念が出ました。
どうせここはみんなドラムンを取るだろうし、僕はシンセストリングスを絡めてリズムっぽくまとめる方針にしたのですが、
ここをプレイしたSKBさんから「ここめっちゃizkさんだよなあ」という評をいただき、
その手前のapoiさんの間の取り方もapoiさん以外誰もやらないような手法だったため、
「やっぱりSSLって多鍵の方が向いてるのかも」みたいな話をSKBさんとしていました。
その後、9Bは僕パートの配置(変速後の24分とラスト)が原因で難化しました(真顔)

11Lについては、初手はやや難しめなものの、SKBさんパート、すずめさんパートで難易度が大きくあがることがなく、
バランスいい感じで回ってきたので、気合を入れてラストを構成しました。
やっぱり二次元配置が好きなので、その辺は思う存分やってます。
パート全体の難易度感は、初期の構想よりやや強め。
僕は制作者補正で理接していますが、他プレイヤーからすると僕パートはかなり難しく映りそうです。

ボーカルについては、ページを整えてリンクを張る段階になるまでバーチャルシンガーだと気づきませんでした。
2008年とかそれくらいに、めちゃくちゃ手がかかった自然な歌い方をするボカロ曲に対して、
ニコニコ動画で「神調教」というタグがつけられる時代を知っているだけに、
この十数年間の技術の進歩ってすごいんだなあとしみじみ。
名前も普通にありそう(キャラクターっぽい感じがしない)だし、花隈という苗字も普通にありそうだと思ったのですが、
実際は花隈さんは非常に珍しく、なんと初音さん以上に珍しいっぽいです。そんなぁ。

さて、本作……に限らず今回の合作群の調整は例によってギリギリでした。
どれくらいギリギリだったかというと、30日になった時点で、
 ・Connectの歌詞表示、制作者表示、タイトル画面
 ・data / OVErfLowの制作者表示、タイトル画面 ※歌詞表示は公式に公開された歌詞がないので入れられなかった
 ・クレセントラリーの7:5リズム調整、歌詞表示、制作者表示、タイトル画面
 ・30日に投下される分のX告知文章作成と予約投稿登録
これらがまだできていない状態で、いろいろとやばかったです。

とはいっても騒いでもしょうがないので、投下される順番にまずはConnectを終わらせて、
data / OVErfLowの制作者表示を入れていくことにしました。
担当箇所は違うものの、担当が変わるタイミングはすべての譜面で同じなので、
まずは5keyの制作者表示を入れて動作に問題がないか確認した後、
7、9B、11Lの各譜面に水平展開していったのですが……。

この時に間違えて、11Lkey(4譜面目)の制作者表示を、
「back4_data」として入れなければならないところを、「back_data」として入れてしまい(4の入れ忘れです)、
5keyの制作者表示の内容が11Lkeyの内容で上書きされてしまったのです。
しかし、5keyはすでにテスト済だったので、僕は7、9B、11Lの3つしか見ません。
このままではback4_dataがありませんが、back4_dataがないときはback_dataを自動で見るようになっているので、
11Lの制作者表示も問題なく動作しています。
時刻は午後2時50分。動作確認、ヨシ! ということでメンバーに通達したのです。
その後、僕は大急ぎでクレセントラリーの仕上げに入りました。
投下まで、メンバーからの指摘はありませんでした。

というわけで、公開時点では5keyの制作者表示が11Lのものに化けてしまっていたのですが、
どのように変わっていたのかというと、
 ・SKBさんパート→Editor: apoi表記
 ・izkdicパート→Editor: SKB表記
 ・apoiさんパート→Editor: すずめ表記
 ・すずめさんパート→Editor: izkdic表記
よりにもよって、一番難しいすずめさんパートを僕が作ったことになってしまったのです\(^o^)/

これの衝撃はかなりのもので、
「今回izkdicさんはっちゃけてるな、何かふっきれるようなことがあったのかな」
「すずめさんも許されないこと(※1)してるけどizkさんがもっとすごいことしてる」
「izkさんパートすごい、しかもナーフしてこれ?(※2)」
などと、絶妙なかみ合い具合から様々な憶測を呼ぶことに。
(※1)apoiさんパートの後半にある32分17連のこと
(※2)コメントで簡略したという記載あり+口頭でもナーフしたと言っていた

結局goeさんから「あれ5keyの最後のパートってizkdicさんであってますか?」とご指摘をいただき、
確認したところ全然合っていないことが発覚、Discordのボイスチャンネルは笑いの渦に包まれたのでした。
(ちなみにその後も本作の5key譜面が遊ばれるたびに「izkさんパートが難しい」と言われるように)
繰り返しますがこのミスは「4を入れ忘れただけ」です。
なんでここまでかみ合ってるんですかね???

急いでいたからそこをミスったんだ、という可能性は否定できませんが、
仮にこういうミスり方をしていたなら急いでいなくても気付けなかったと思います。
(いつも水平展開元の譜面って見てなかったので……)
とはいえ、普段は5keyとかなら制作者に対応した色変化を入れているところ、
今回はたまたま入れていなかった(入れていたらcolorやacolorも同時にミスらないとこうならない)のもあって、
本当に奇跡的な重なり方をしましたね。こんなところで運を使わなくていいから。

表明コメント「※画像」
なにをやっている時だったかは忘れたのですが、
SKBさんが誤ってDiscordのグループDMの名称を「SSL000000000000」に変えてしまい、
その一連の流れが表明コメントになってしまいました。
(実際の名義をSSL000000000000にしていないので画像で出しています)
この後ろにもapoiさんの「12桁を想定したナンバリング好き」発言とか、面白い発言があるのですが、
画像サイズの都合上ここまでということで……。

作品コメント「difficulty / OVErfLow」
もともとは歌詞を聴き取って書き出して、それを見ながらすずめさん、apoiさんと3人で、
いろいろいい感じのフレーズにならないか試行錯誤していたのですが、
その時に「流れを全部ぶち壊す案出しますけどいいですか?」と言いながらSKBさんが出してきたのがこれです。
ギャップも相俟ってメンバーに大ウケした結果採用されましたとさ。

前口上「君にもっと伝えたい、あふれ出していくこの膨大な”データベース”を。」
2番の終わりあたりの歌詞内容から考えました。
時系列はdifficulty / OVErfLowの数日後くらいです。

難易度名「int / long / float / double」
僕案です。データということでプログラミング言語の何かしかのデータ型から取りたいな、というのがあって、
だったら整数と浮動小数点数から2つずつ取るのがバランスいいかなと思い、プログラミング言語Javaの数値型から取ることにしました。
本当はJavaではなくてCのつもりだったんですが、Cのlongは修飾子だったんですね……。
そこを勘違いしていたのですが、幸運にもJavaが僕の記憶と同じ型名を持ってくれていたので、
Javaから取ったことにして事なきをえました。うろ覚え、ダメ、ゼッタイ。


No.354「kirarinn.」(第2部、投下番号23)
decresc.さんとの合作です。
今回の合作群の中ではクレセントラリーと並んで大変だったやつ。
まあそれもこれも「6譜面」という要素に集約されるのですが(汗)

前回は5keyと11Wkeyという2種類のキーによる合作となったのですが、
5はともかく11Wというチョイスはかなり僕に合わせてもらった部分がありました。
decresc.さんに合わせるという意味では23keyがベストチョイスになってくるので、
次は23keyでもやりたいですねとか、それを見据えた選曲にしますとか、
その辺の話は前回の合作が終わった時点でしていました。

apoiさんとの合作がきっかけでYouTubeのおすすめにフリーBGM動画が並ぶようになり、
今回のイベントでの選曲をそちらに寄せたというのは先述の通りなのですが、
その流れで最初に聴いた曲が「kirarinn.」でした。
知らない方(+だんおにでも見たことがない方)&とても好きな曲でizkdic大歓喜。
環境が変わっても昔の趣味って意外と残ってるものなんですね。
チェンバロを使ったこういう雰囲気の曲は本当に好きです。

作譜者的な目線で書くと、11とか11Lとかの移動系多鍵には向かなさそうですが、
それ以外の「移動というウェイトがないor少ないキー種」だったら大体形にできそうな曲で、
(23keyにも移動はありますが、他にもいろいろできるキー種なのでウェイトはかなり小さい)
長さも2分半程度と程よく、decresc.さんとの合作にとても良いんじゃないかと直感で思いました。
というわけで次回の合作は23keyも含めてこの曲でやりませんか、と提案したのが9月11日です。
この時点では5+23+何か、というところまで考えていて、最終的に「何か」は7keyになりました。
数日後、decresc.さんからも返答があり、3キー種でやることも含めて了承をいただけました。

しかし、1点問題があって、「音源はSoundCloudからダウンロードしてね」となっていたのですが、
この曲だけSoundCloudからダウンロードできない状態になってしまっていたのです。
この曲「だけ」わざとダウンロード不可にする理由はないし、よく見ると最も再生数の多い曲だったことから、
おそらくSoundCloudのダウンロード数上限に達したのではないかなと推測したのですが、
いずれにせよ音源が入手できないと作譜ができないので困ったことに。

……まあ、外部ツールを使えば音源を落とすことはできますが、それもなんかアレだし、
制作期間的に余裕もあった+さりいさんご本人がめちゃくちゃ活動頻度が高い(※週2曲公開)という事情もあって、
とりあえずメールで問い合わせてみることにして、decresc.さんには「なにか進展があったら報告します」という形で、
一旦その場はお開きになりました。

45分後。早速さりいさんからお返事をいただき、個別に音源を提供していただけることに。
この時に、「私の曲をゲームのBGMに使っていただけてとてもうれしいです」的なコメントをいただいたのですが、
めちゃくちゃ迅速、そして丁寧にご対応いただけたことも相俟って、
これを見た僕の中に「さりいさんにも遊んでもらいたいな」という思いが沸々と湧き上がってきました(←単純)
次の瞬間には、「低難易度の譜面も作りたいんですけどいいですか?」とdecresc.さんに掛け合っている自分がいました。
最近の僕、衝動で動きすぎでは???

この時点でdecresc.さんは相当困惑されていて、
さらに3キー種全てに下位難易度譜面を付けることを提案した時にはさらに困惑されていたのですが、
「がんばってみます(要約)」ということで、異例極まりない6譜面コラボがスタートしたのでした。
本当にすみませんでした。

一応方向性としては、
 ・Easy側は5keyがメイン
 ・Hard側は5keyがベーシック、7keyは密度寄り、23keyはキーらしさ重視
 ・5keyはEasyがツール2くらい、Hardがツール10〜12くらい
 ・7keyはEasyがツール2〜5くらい、Hardがツール15〜20くらい
 ・23keyはEasyがツール2〜3くらいでDB☆2〜3、Hardは5keyより密度低めでDB☆4〜5下位くらい
 ・decresc.さん先行譜面、僕先行譜面、全編コラボ譜面の3つに分ける
みたいなことを提示していましたが、全体的に細かい部分ですれ違うことが多々。
今までの合作では問題にならなかったところで躓いたり、
キーに対する認識の違いや難易度に関する感じ方の違いが結構如実にでた感があります。

これについては、僕が方針を提示しているのだから、最初の時点で僕がそこまで考えを共有しておくべきで、
合作の回し方がまずかったかなあという反省材料になりました。
さすがに個人パートのリテイクを2回要求してるのはダメすぎ。

結局具体的なイメージが固まっていない状態で複数譜面を同時に回そうとしたのが失敗だったので、
Hard側については一旦5keyでベースを作ってから7keyや23keyを作っていくことに。
Easy側は5keyが僕先行、7と23は全編コラボ(たたき台発展型)だったので、
それらについては並行して進めていきました。

7keyについては差別化でEasy側の密度を上げてみました、という形で素案が飛んできて、
それが面白いアプローチだったので乗っかる形でいろいろやっています。もはやどう見てもNormal。
23keyは普通にDB☆3くらいのが来たので、密度中心にちょっと緩めてみます、と言ったはよかったのですが、
結局そんなに緩くならなかったので普通にDB☆3な譜面に仕上がりました。

全体の進行としては7keyのEasyと5keyのHardが先に出来ていて、
あとの4譜面は似たり寄ったりな完成ペースでした。
僕が他の合作を抱え込みまくったのもあって完成が危ぶまれるシチュエーションもありましたが、
どうにか無事に6譜面すべてを完成させることができました。

所感として、まず6譜面の中でいちばんモメたのが5keyのEasyだったのが意外でした。
結局はEasy譜面への考え方が結構違ったということなんですが、
それ以上にEasy譜面への考え方がこんなに譜面に表れてくるんだなあという点が意外だったというか。
あとはdecresc.さんのラストパートの素案が全部フリーズ複合だったのはさすがに面白かったです。
(構成としてはとても理解できる)
それもあって僕側から素案を提示した5keyの下と7keyの上は意図的にそういう形のフリーズを排しています。
フリーズ数は多い譜面でも40台……というか過半数が40台になっていて、
フリーズ祭りにならないようにバランス調整した結果とは言え偶然色が強いのですごいなあと思いました。

どうでもいいですが、decresc.さんのコメントで突っ込みたいのは、「個人作完全未着手ぞ?」のところですね。
9月中旬の時点で個人作完全未着手「じゃない」人の方が少ないと思うんですがそれは(
僕なんて作品提出締切の時点でもまだ個人作は選曲以外未着手でしたからね(ダメ)
あと、後半にベース音とピアノ音のくだりがありますが、このやりとりはかなり省略されていて、
実際は「ピアノ音のつもりだったので可能ならそのままにしておいてほしい」みたいな言い方をしています。
さすがにテキストベースならあの口調で一蹴することはしないです。

演出については、これまでのReiageの作品には(特殊なRickshawを除いて)何かしら入っていたので、
今回だけ演出なしになってしまうとなんか手抜きっぽく見えてしまうのがいやで、
結構無理にお願いすることになってしまいました。
最終的には楽曲動画で使われているイラストをベースに、泡をテーマにきっちり仕上げていただけました。
制作者表示の泡の中にオーストラリア大陸っぽいのがあるように見えるのはきっと気のせい。
最初は「DANCING★ONIGIRI」はデフォルト表示でしたが、
そっちも演出側に入れたほうがよさそうだったのでデフォルト表示は消すことになりました。

総合的には、23keyで配置の意見出しがちゃんと出来たのが良かったですね。
6譜面がそれぞれ別のカラーを持っていて、単なる水増しっぽい形にならなかったのも、
多譜面にする説得力があったという意味では良かったと思います。

前回の振り返りで、23keyの合作がSKBさん絡みのものしかない点に言及しましたが、
あれを書いていた時点でこの合作は動いていたので、
「まあ、いずれ崩れるとは思いますが。」というのは確定事項なのでしたとさ。

表明コメント「虹色。」
これまでReiageの表明コメントはすべて2字の熟語(旅路→航路)だったので、
今回もそれを踏襲しました。イメージはシャボン玉に反射する光。

作品コメント「きらり輝く水飛沫」
曲名から考えました。
個人的なイメージが水族館だったし、「夏っぽい」というワードからも、
「きらりん」は星の輝きとかではなくて、水面に反射する光だと思うんですよね。

難易度名「Dew / Splash / Water / Aqua / Lake / Ocean」
6譜面あるということは当然難易度名も6つ考える必要があるわけで。
紆余曲折の末こうなりました。水に関係するものに対して、Easy→Hardでスケールを上げています。
Dew(水滴)→Splash(水しぶき)、Lake(湖)→Ocean(大海)といった感じに。
で、本当は7keyは僕の中での楽曲イメージが水族館だったのもあって、水槽→水族館、にしたかったのですが、
水槽(Aquarium)→水族館(Aquarium)だったため終了しました(白目)
悩みに悩んだ末に、普通の「水」と、どちらかというと学術的な文脈で使われるラテン語の「水」を取ってきて、
Water→Aqua、ということになりました。一応Aquaの方が用法が限られているのでそっちを上にしています。


No.355「クリティカルカプチーノ」(第1部、投下番号ε)
というわけでようやく個人作です。事前飛び入りですけど。

作曲者のにょるさんは、すずめさんとの合作で提案する曲をどうしようか探している時に知った方です。
氏はkawaii系の曲を多数出されているのですが、この曲はハピコアで、若干毛色が違います。
音ゲー的にも形にしやすいんじゃないかと思うところはあったのですが、
いかんせん合作にするには曲が短すぎて提案するには至らなかったのです。
(なおこの曲はにょるさんの曲の中でもかなり短い方です)

というわけで個人でやることにしたのですが、実は候補曲はもう1つあったのです。
そもそも候補曲レベルではなく、多鍵祭'23で飛び入りで出そうと思って断念した作りかけの作品です。
この時はここで飛び入りとして急いで作って出すよりは、
次のイベントに提出するつもりでじっくり組んで、今回はSwifter Charge!!!!に集中しようと思い、
制作を後回しにしていました。楽曲Bとしておきます。

事前飛び入りに割けるリソースは多くても作品1つ分で、両方作るのは無理。
(というか本作を作っていなかったらもっと合作の調整を余裕をもってできたので、本当にギリギリでした)
クリティカルカプチーノは完全にそのあとから出てきた作譜予定曲だったのですが、
どちらで作るかは結構悩みました。

キー種は、クリティカルカプチーノは自分の直感で選んで11W。
一方、楽曲Bは11Lで作っていました。
この2つを天秤にかけることになったのですが……。

11Wは、その時点で提出されていたのは2作品3譜面。
具体的にはchipさんの「POLYBIUS GB SPEEDRUN」とCieさんの「NO NIGHT MORE SOUL!」の2つだけ。
一方11Lは、桃月さんが大量に提出されていることに加えて他の方もいくつか出されていて、
data / OVErfLowにも11L譜面がありました。
となると、少ない方を優先したくなるわけですね。

僕は11Lは好きですが、11Lしか作らないみたいなことはしていなくて、
全体的にいろんなキー種で作品を作っています。
であれば、11Lは専門家の桃月さんに任せて、僕は他の人があんまりやっていないところをやろうかな、と。
(その後こらえきれずに飛び入りで11Lを2作品出したけど)
そんなことがあって、クリティカルカプチーノで作譜することにしたのです。

譜面については、まずはCriticalから作り始めました。
この曲で作るならやっぱり冒頭はメロとピアノの混フレにしたかったんですが、
最初でそれをするとなると相当難しくしないと後ろが釣り合わなくなってしまいます。
とはいえ、この曲は短いので難しくできると思い、その方向性で進めました。
その後、ブリッジ的なところに入ると、やや変則的なリズムを刻んでいるピアノを取りたくなるわけでして。
変則的なリズムを入れると11Wならおにぎりを絡めたくなるわけでして。
そんなわけでスネアをおにぎりで取ったところ、8分刻みになってからの難易度に悶絶しましたが、
いろいろ配置を調整しているうちになぜか理接してしまい、「つながったのでヨシ!」で通してしまいました(殴)
4分刻みのところは配置次第で普通になんとかなる内容でした。

主題はどうするか悩んだ結果、とりあえず思いついた箇所に思いついた配置を断片的に入れてみて、
そこから前後を補填していくような作り方をすることに。
ストップを挟んで前半は物量、後半は技術ですが、難易度感が同じになるくらいを目指しました。
後半は出張をうまく使えればきれいに取れると思います。難しいですが。
(ちなみに最初は「あ〜ゆ〜れでぃ?」の方にも変速が入る予定だったのですが、
 急減速の印象がなかなか良くならず、結局そっちは変速なしに。変速 is 難しい)

Criticalが出来た後はNormal→Easyと難易度を落としていきました。
Normalは何も考えずに好きに作るとこれくらいの難易度になりそうな譜面で、
Easyはとりあえず199を目指した譜面です(何)
普通に作ったら近い数字になったので、Normalの通常ノート数を355作目にちなんで355にしたかったのですが、
355でいい感じの配置が出てこなくて没に。356ならいい感じの配置があったのですが無念。

表明コメント「It was a cold and snowy day.(今年も事前飛び入り参加ってありますよね?)」
実は事前飛び入り参加者は参加表明しなくてもよかったのですが、
iskbicの方で夏祭り2009のCMネタを使ったのでどうしてもこれにしたかったのです。
夏祭り2009のCMはいわゆる「嘘字幕シリーズ」で、元はエースコンバット・ゼロのオープニングなのですが、
それの最後の決めのシーンのセリフ「It was a cold and snowy day.」に、
「今年も飛び入り参加ってありますよね?」という字幕が振られているわけです。
(動画では、急いでも間に合わない→最後の妥協策→「今年も飛び入り参加ってありますよね?」という流れ)
最早誰に伝わるのかすら分からないですが、そのシーンが元ネタです。

作品コメント「あ〜ゆ〜れでぃ?」
曲中の声ネタより。

難易度名「Critical」
曲名より。
3難易度作品でEasy、Normal、(曲名由来の難易度名)というのは僕が結構よくやる手法です。


No.356「桃色シュガー」(飛び入り、投下番号C)
ここから飛び入り。衝動を抑えられずに始動した突発リレー合作です。

多鍵祭'23では作品一覧への情報登録がかなり後手になってしまったので、
今回は素早く登録することにしていました(というか、コメントに時間がかかるのでそこを後回しにした)。
僕は作品一覧では、合作にタグ(?)を付けていて、
持ち寄りは[B]、リレーは[R]、コラボは[C]、パッケージものには[P]が付与されています。
(譜面提供の[O]もあるのですが、これは今後出てくることはまずないはず)

で、何気なしに自分の7ikey作品の一覧を見て思ったのですが、
最近の作品が[R]や[C]で埋め尽くされていたのです。つまり合作でしか作っていなかったということです。
近年は特に合作が多いとはいえ、7iほど個人で作っていなかったキーはありませんでした。
いつから作っていなかったかと言うと、「Illegal Vinyl」以来です。7i生誕10周年のときのやつで、2017年6月。
なまじ合作ではそれなりに作っていたので、「そんなに作ってなかったのかー」となってしまいました。
だったらせっかくの機会だし、何か個人で7iを作って飛び入りしようかな、と考えました。

そこで多鍵祭のイベントが始まったために中断していた、YouTubeでの曲巡りを再開。
ほどなくして、桜餅ルナさんの「桃色シュガー」に遭遇します。
そして、完全にやられてしまいました。

僕は自分の音楽の好みを他の人に説明するときに、
「明るい」「ほのぼの」「かわいい」「穏やか」系の曲が好きとよく言うのですが、
その中でも一番好きなのは「かわいい」だと思います。
kawaiiとは異なります。あっちは音楽ジャンルで、「かわいい」は曲の雰囲気やイメージのことなので。

「桃色シュガー」は音遣いの面でもメロディの面でも「かわいい」を地で行く曲で、
もう本当に大好きでした。分かりにくいのですがちょっと属性が違う好み方なのですよね。。。

作譜的な観点では軽めの16分が特に映えそう、
それと対比させる形で主題は8分のメロを軽めの同時押しで、みたいなイメージが出てきました。
こういう形で作譜するのなら7iはまさしくぴったりで、
思いがけない出会いの結果爆上がりしたテンションそのままに、作譜を決意。
これが12月31日の夜のことです。

いろいろ曲を聴いているうちに、時間も結構経っていて、
Discordのボイスチャンネルには最初は誰もいなかったのに、
僕が決意したころにはMFV2さんとぷろろーぐさんが入室されていて、
場外乱闘合作に載せる18keyの細かな部分の調整等をされていました。
一部では「ボイチャでのSSLは一番安い役」と言われるほど、SSLメンバー4人の入室頻度は高く、
いつもだったらSKBさんやapoiさんが同席されていることが多いので、
MFV2さんとぷろろーぐさん(と僕)だけ、というのはあまり見ない光景だなあと。

そこで、ふと思いを巡らせてしまいました。
MFV2さんはHeaven Knowsのあとがきでも書いたように、氏の7iのクオリティは言わずもがな。
ぷろろーぐさんはどのキーを作っても上手いですが、7iに関して言えば、
NTD#03 "26ROAD"とかを作られていて、やっぱりすごいのですよ。
そして、普段はめったに見かけることのない組み合わせ。
僕の中で、この3人で合作したい欲がどんどん増幅されていきます。

でも本作は久しく作っていなかった7i個人作を作るという目的で始めたもの。
そこはきちんと自分で作って、合作をやるにしても別の曲でやれば……。
……それで本当に後悔しないのか? こんな機会二度と来ないかもしれないぞ?
ボイスチャンネルでの通話内容は、いつしか18keyの話から、ぷろろーぐさんが乗っていた電車の話になっていました。
その裏で、個人作を作りたいizkdicと合作を作りたいizkdicがかつてないバトルを繰り広げています。

結局、「個人作を作りたいizkdic」が負けてしまい、
まあ個人7iをやるにしても別の曲でやればいっか、となってしまった結果、
7iで合作しませんか、と持ち掛けることになってしまったのでした。
こいつ衝動で動きすぎ。

ぷろろーぐさんも「合作をやるかやらないかと言われたら、『やりましょう!』なんですよね〜」とおっしゃっていたし、
MFV2さんもノリが良く、「よし、じゃあいっちょやりますか!」みたいな話があって、
楽曲と想定難易度の共有を行いました。
だいたいこれくらいのタイミングで、ボイスチャンネルにapoiさんが入室されました。

入室直後のapoiさんはだいぶ燃え尽きていた様子で、
「やりたかったことが山積みになっていてそっちをやりたいし、
 合作の参加は見送ります、場外乱闘も今回は参加しません」
とおっしゃっていたのですが、通話して5分ほども経つと、
「すみません、さっきの合作なんですがやっぱり参加します、話してるうちに作りたくなってきました」
と、軽々とモチベ復活。最終的に場外乱闘にも参加されています。
これまた一部では「ボイチャに入室すると作業は進まないがモチベが上がる」と言われていますが、
まさしくその通りだったんですね。

というわけでそのまま通話でパート分けも決めてしまって、僕は1番手になったので、
流れで自分のパートを自分の作りたいように作ってぷろろーぐさんへパス。
ぷろろーぐさんパートが進行中に2024年になり、夜1時ごろにapoiさんへパス。
apoiさんは起きてから自分のパートを作ってMFV2さんに引き継ぎ、
確認したMFV2さんは一気に続きを作ってしまったため、結局1月1日の昼過ぎには譜面が完成していました。
1人あたりの担当箇所が短いとはいえ、このスピードはイベント直後テンション感がありますね。

僕は僕で、裏でタイトル画面や作品ページ、制作者表示等の準備を進めていて、
お三方からコメントをもらって準備完了。
コメントについては普通の形式にしてもよかったですが、書くこともそんなにないだろうし、
1行でネタっぽく書いてもらった方がよさそうだよねみたいな話になったのでそうしてもらいました。
個人的には前置き部分でMFV2さんとぷろろーぐさんしか出てこないのに、
コメントのところでいきなりapoiさんが出てくるのが(apoiさんのコメントも相俟って)巻き込まれた感あって好き。

そんなわけで、一通り制作が完了し、あとは公開するだけという状態になりました。
時刻は午後4時02分。ボイスチャンネルには僕らしかいなかったし、
「さすがに夕方は人も少ないし、22時くらいにタイミング見計らって公開しますね」
こうして僕らは別れたのです。

……そして、その8分後の出来事でした。

 2024年1月1日 午後4時10分
 令和6年能登半島地震発生

というわけで、石川県能登半島沖で大地震が発生し、
志賀町や輪島市で震度7を観測した他、
日本海側沿岸の各所に津波警報が発令される事態に。

僕のところは震度3で、沿岸に津波注意報が発令されました。
一応僕の家は沿岸からはそれなりに離れているのですが、
もし津波警報になったら避難しようか、と母+帰省中だった姉と相談していました。
(結局津波警報が発令されることはありませんでした)
その後、だんおにのDiscordサーバーでもだんおに勢の安否確認が行われることに。

本作は1日22時に公開予定でしたが、この時点で大津波警報こそ解除されていたものの、
広い範囲で津波警報が発令されていて、だんおに公開どころじゃないよなあと。
というわけでいったん翌日に回すことにしたのですが、
2日は2日で羽田空港での衝突事故があったりして、結局3日に公開することになりました。

名義「マムぷぁい」
MFV2さんが、今回のパート分けの確認で、「i p a M」というテキストを僕とのDMに投稿されたのですが、
これを見ていたら「pai」という言葉を思いつきました。
であれば、MFV2さんの代表的な呼び名「マムファイ」をもじって、paiを「ぷぁい」にしたらどうかな、
みたいな感じでかなり雑に考えた名義です(殴)
ひらがなにしているのは、そっちの方がイメージに合うと思ったというものありますが、
マムプァイにしてしまうとマムファイとの区別が非常に難しくなるので、まあ妥当かな、と。

作品コメント「この気持ち、もう抑えられない!」
楽曲動画に使われているイラストと併せて考えると、
「桃色シュガー」って「甘い恋心」のようなものなのかな、と思ったので(※ここは独自解釈です)、
抑えきれなかった自分の合作欲を反省しながら、こういうコメントになりました。
「気持ち」は楽曲(恋心)と経緯(合作欲)のダブルミーニング。

難易度名「Cherry」
楽曲の周辺情報が少ないのでこれも悩んだところですが、
春イメージの曲であることと、楽曲動画で使われているイラストから、
桜のはなびらって桃色を想起させるよな、と思いながらこの難易度名にしました。


No.357「Ramune Party」(飛び入り、投下番号E)
これはこれでどうしてこうなった系作品です。
イベントには合作版のページが掲載されています。個人版のページはこちら

IchinoseSoundさんは多鍵祭終了後のテンションで、
YouTubeのおすすめに出てくる曲をいろいろ聴いて回っている時に知った方で、
Ramune Partyを筆頭にポップでキャッチーな曲を作られていて、すぐさまお気に入りになりました。
他曲だとSnowflake Macchiatoが好き。もう非公開になっちゃったけど。

最初に聴いたときから11Lのイメージしか浮かばなくて、
特に要所のキメや軽快な音に二次元配置をあてたい、という思いがとても強かったです。
加えて、これを作ろうとした時点で場外乱闘の11L譜面はすべて作り終えており、
真ん中と上の難易度差が大きくなりすぎてしまっていて、
この曲で譜面を作ったらちょうど間の補填になるかな、と思ったというのもありましたね。

そんなわけで自分の作りたいように譜面を作りました。
ほどほどの密度にほどほどの難しさの二次元配置が絡んで軽快に打てる譜面は大好物なのですが、
今回はまさしくそういう譜面になりました。でも他に誰も作らないから自給するしかないんですよね。。。
もっとこういう譜面増えてくれ〜〜〜頼む〜〜〜

そんな感じで1譜面完成したのですが、ここで困ったことになりました。
発想が完全に凝り固まってしまい、下位難易度の構想が全く浮かばなくなってしまったんですね。
別に複数譜面を完備する必要はないんですけど、せっかく2分くらいの曲なんだし、
扱ってるのは多鍵だからやっぱり複数難易度つけたい……。
でもまあ浮かばないものは浮かばないので、この1譜面で公開することにしました。

本作を公開した時はボイスチャンネルには誰もいなかったのですが、
その後あいすさんやdecresc.さん、MFV2さんなどが続々と入室してきました。
飛び入りしたことを告知しつつ、低難易度を作れなかったことをぼやいたのですが、
「この曲で譜面を作れば載せてもらえる……ってコト!?」みたいなリアクションがあったので、
「作っていただければよろこんで掲載します!」とか適当なことを言っていました。

それから1時間半ほどたって、
decresc.さんから「節操ない譜面ですが押した感じは楽しいんじゃないかと思います」というコメントとともに、
23keyの譜面が送られてきました。そして、僕は凍り付きました。

……少し、僕のサイトの裏事情について言及します。
僕のサイトは、最下部のクレジットにあるようにH.P.T.Fさんのテンプレートを使わせてもらっています。
このレイアウトになったのは2012年の元日。12年前のことです。
今だったら凝ったデザインとかを考えなければ、Bootstrapとかを使ってそれっぽく自前で作れるのかもしれませんが、
当時はそんな知識も情報も持っていないからしょうがないですね。

このデザインは、メインコンテンツの横幅が830pxになるように作られています。
(左右に10pxの枠があるので、それ込で横幅850pxというレイアウトです)
Flashのだんおには後期作品でも横580とかだったので、十分すぎる横幅がありますね。
当時から17keyはありましたが、レーンの幅(矢印のサイズ)を小さくしていたので800でかろうじて足りました。

時は流れ、時代はHTML5(CW Edition)に。
CW Editionでは横幅をかなり柔軟に変えられるようになりましたが、
歌詞表示とかで長いテキストを入れたりしない限りは横幅は600とかで十分、
9Aや9Bの時は横幅700くらいあった方がいいかもとか、その程度でした。

しかし、そんな僕の中での常識を覆す出来事が発生しました。
23keyの登場です。
23keyは最低でも横幅900を要求するシロモノ(初登場時は横幅950だった)。
その後、17keyも矢印を小さくするのではなく横幅を広くする方向で仕様変更があり、
現在最小横幅は825となっていますが、825だと領域が重なってしまうのでこれも830では不十分です。

というわけで、僕のサイトのレイアウトでは17keyと23keyが作れないのです。
すずめ「ごめんなのび太、このサイト16key以下用なんだ」
decresc.「マムえも〜ん どんなキー配置にも対応できるcss出してよ〜」

Ramune Partyは、提供してもらった譜面を追加するとは言いましたが、
自分の中ではせいぜい自分の譜面の後に2譜面目、3譜面目、……と追加するような、
形式としてはスピカと同じようなものを想定していました。
そこに初手で23keyが飛んできたことで、この想定はもろくも崩れ去ったのです。

とはいえ、提供してもらった譜面は作品ページに追加すると言ったのは僕自身だし、
decresc.さんにもせっかく時間を割いて作ってもらった譜面なのだから、
それを無碍に扱うわけにはいきません。当然のことです。
結局、合作用ページは7chat合作のレイアウトを流用する形で、別に用意することにしました。

decresc.さんのコメントはこの経緯に由来しています。
出前、すなわち僕の家にチャーハン(※23keyはDiscordサーバー内中心に「チャーハン」と呼ばれている)を届けに行ったら、
そもそも家(僕のサイトの横幅)に入りきれなかった、ということです。
チャーハンの発祥については「いんせくと!」のdecresc.さんのコメント参照。

その後はあいすさんから7key、MFV2さんから9Akeyの譜面をいただき、
難易度査定したりスコアレートを設定したりしながら、
正式にプチ乱闘作品として公開されることになりました。
ゲージについては全譜面通してダメージ20点程度、必要達成率88%程度のノルマ制を採用。
Hardゲージはkirarinn.でもやっているのですが、decresc.さんのHARDゲージへの当てつけで(!?)、
初期値1000、回復2、ダメージ80のライフ制を採用しています。
(decresc.さんのHARDゲージは初期値が250なのが厳しいと言われている)

作品コメント「ズチモナミイ ゼチスカン」
意味が分からないと思いますが、この作品のタイトル画面を作る時に、
「Ramune Party」と入力しながら誤ってカナ文字専用のフォントを選択してしまったところ、
「ズチモナミイ ゼチスカン」と表示されてそれが面白かったのでコメントとして採用してしまいました。
よく見るとかな入力した時の位置に一致しているんですね。

難易度名(個人用ページ)「Moderate」
ここでは「おてごろ」という意味で使っています。
おてごろというのはニコリのパズルで使われている難しさの指標の1つで、
らくらく→おてごろ→たいへん→アゼン、の順で難しくなっていくのですが、
パズスクでも同じ難易度名が採用されています(ただし超難しい問題用にハバネロという難易度も用意されている)。
★1が「らくらく」、★2が「おてごろ」、★3が「たいへん」、★4が「アゼン」なのですが、それを英語表記にすると、
★1が「Easy-peasy」、★2が「Moderate」、★3が「Tough」、★4が「Stunned」となるので、
それに準拠しておてごろという意味合いでこの難易度名にしています。
(この英語表記がニコリ由来なのかパズスクで英語対応時にできたものなのかはわかりません……)
実際にこの譜面がおてごろなのかどうかは諸説あります(真顔)


No.358「Outernoid」(飛び入り、投下番号J)
というわけで場外乱闘です。
場外乱闘は「いんせくと!」の後、ランダム選曲→1人1譜面限定、と特殊スタイルが続きましたが、
今回は無事に「いんせくと!」スタイルに戻ってきました。要は制限なしで好き放題やろうぜってやつ。

「全てを知っている」立場からの説明責任が僕にはあったので(本来はchipさんにあるはずだが)、
コメント内で経緯については詳細に記載しています。
年末の場外乱闘はもはや恒例行事と化していて、
どちらかというと「むしろどういう風に面白くやるか」みたいなところが重視されている感があるのですが、
今回も過去の例に負けず劣らずの面白さでした。

いわゆる「乱闘」は今回で6回目。1回目は「Yorixiro」ですがこれは今とは事情が違いますね。
2回目の「いんせくと!」はぷろろーぐさんの飛び入りする曲が決まっていたパターン。
3回目の「DOVAランセレ合作」は飛び入りする曲が決まっていなかったパターン。
4回目の「Swifter Charge!!!!」は前回、前々回を踏まえてchipさんの誘導尋問が炸裂したパターン。
5回目の「大樹の記憶」は特殊なのでいいとして、6回目が今回となります。
今回はぷろろーぐさんが電車に乗っていたパターンでした\(^o^)/

ぷろろーぐさんは今回1日目にリアタイできていなかったので、当然ボイスチャンネルにも不在だったのですが、
いないなら呼べばいいじゃないみたいなノリのすずめさんのコメントがあった後。
chipさんが実際にメンションを飛ばしたのはさすがにびっくりしました。
(chipさんに聞いたところによると、ちゃんとぷろろーぐさんがオンラインになっていることを確認した上でやったらしい)
それだけでも面白いですが、この時ぷろろーぐさんがたまたまDiscordの多鍵祭チャンネルを追っていて、
即座に反応があった、というところが面白さのミソなんですよね。
反応が無かったら「ダメか〜〜〜」くらいで終わっちゃうと思うので。

「今電車なんですけど!!!」というコメントにボイスチャンネルでは大爆笑。
場外乱闘が完結するまで、だんおにDiscordサーバで電車ネタが影をひそめることはありませんでした。
一方、場外乱闘が始まってしまうとMFV2さんのスケジュールが終了します。
あの規模の譜面数を管理できるのが現状MFV2さんしかいないためです。
軽率にけしかけたchipさんに対するMFV2さんのリアクションは中々のものでしたが、
何というか毎回取りまとめていただき本当にありがとうございます\(^o^)/

そんな話があってから約1時間後、満を持してぷろろーぐさんが入室され、その流れで選曲会議が行われました。
いろんな人がいろんなキーでいろんな譜面を作るという場外乱闘の性質上、
長すぎず短すぎず、しかもいろんな配置が考えられそうな曲で……となると意外と難しく、
最終的にchipさんが「以前から譜面を作りたかった曲」として出してくださったOuternoidと、
ぷろろーぐさんからの候補曲としてもう1つの曲(楽曲Cとします)が候補に残りました。

いずれも何らかのライセンスの元で配布されている楽曲ではなく、
楽曲Cがいわゆる合作曲であったことから、一旦Outernoidに関して作曲者のAoiさんに尋ねてみて、
だめだったら考え直しましょう、みたいなことになりました。
chipさんとAoiさんがいわゆるFF関係にあったことから許可関係はchipさんに任せてその場はお開きに。
その結果、翌朝には許可をいただけたので晴れて場外乱闘始動となったのでした。
迅速にご対応いただけて本当にありがたい限りです。

さて、僕は11Lをいただくことにしました。
この時点ではRamune Partyはまだ作ろうとしていないので、個人では1年ぶりの11Lです。
普通に出した作品の方では11Lより11Wの方を優先してしまったし、
今のところは桃月さんが場外乱闘に来られることもないから、その辺は気兼ねなくいけますね。
Bメロあたりは配置のイメージもすっと出てきました。

というわけで、基本的に一番難しい譜面に一番時間がかかりがちなので、
まずはそこから始めることにしたのですが、意外とこの曲作譜が難しい。
作譜で困りそうなところってイントロと間奏くらいしかないよねくらいの認識だったのですが、
当初の感じよりはだいぶ丁寧に仕上げていく必要が出てきました。
ピアノパートは結構装飾音符が出てくるのですが、最初イントロで入れてみたところ、
例によって見た目がすごくなって作りたい方向性からは離れてしまったので、
僕の譜面では基本的に装飾音符は入れない方向で進めることにしました。

サビ前の時点で、密度より移動要素が強くて、ガンガン二次元配置とかも出ていたのですが、
ここでサビの構成に困ったことになりました。
サビだからある意味当たり前ですがこの部分はボーカルパートが強くて、
とはいえそっちに引っ張られるとほぼ8分譜面になっちゃうし、
11L的にどうやって見せていくのかめちゃくちゃ考えました。
結局考えてもわからなかったので(何)、とりあえずいろんな配置を試してみることに。
節操なしに上下を動かしながら、見た目は難しいけど流れで押せる配置……。
今回難産だったのはだいたいここのせいです。しかもサビは終盤にもう1回あるし。
3小節目、11小節目の半音の違いは譜面に反映したかったので、
11小節目のそのあたりの運指は難しめになっていると思います。

この部分の配置は総じて、流れに乗り損ねると終了するので、
うまくいく時とうまくいかない時の差が両極端になりやすいですね。
その後もまあまあ採譜や作譜に苦戦しながら、
やっとの思いで最後まで仕上げることができたのでした。
楽曲の長さを考えると、最近の僕の個人譜面の中では一番時間がかかりました。
最初聴いた時は普通に作れると思ったんだけどなあ。投下明けテンションって怖い。

1つ目があの有様だったので、作れてもあと1つが限界かな、とか思っていて、
音符を生やすためにMFV2さんに救援依頼を出していたりもしたのですが、
結局真ん中が思ったより易しくならなかったのでもう1つ下を作ることができました。
対照的に残りの2譜面は至極スムーズに進みました。割とやりたい配置があったし、
この程度の難易度なら割と「イメージ」「印象」で配置できる側面もあったかも。

最上位譜面には2回目のサビ入りに謎の上段↑フリーズがありますが、
これは「40兆」に合わせたものになっています。上段↑は3でも4でも押せますからね。
他にも交点とか頂点とか、3譜面通じて歌詞をそれっぽく意識した配置がいくつかあります。
よければ探してみてくださいね。

……さて、この合作では、12年前に瀬尾椿さんが作ったキー種、
「18key」が復刻されることになりました。
同作が瀬尾椿さんの作品リストに載っていなかったことから、
ジオシティーズ終了時のアーカイブ化が行われていなかったようで、
本当に幻のキー種だったんですね。

しかし、なぜかswfとdosは無事にアーカイブされていることが発覚(?)。
さらに、なぜかhtmlはすずめさんがローカルに保存されていて(???)、
作品データ一式がそろってしまったのです。なんで???
というわけで、無事に古代の遺産が現代によみがえることになりました。

当初の18keyは、下段のキー配置がSDFZXCJKLで、
真ん中にあるZXCがかなり難しい(見た目と合わない)仕様だったのですが、
現代だんおにの知見から、ZXCをVBNに移動すれば直感的に行けそう、
また下段のおにぎりのオブジェを変更すれば混同が起きにくくなりそう、などの改善案が提示され、
さらに矢印キーをUI8Oにした15B+3keyの形も面白いんじゃないですか? みたいな話もあって、
18keyがものすごくプレイしやすいキー種になりました。あくまで12年前に比べれば、ですが。

そして、この18keyに関する調整が進むうちに、
chipさんからこれの下段のみを取り出したキーが面白そう、みたいな話があったようで、
それで9dkeyという新しいキー種が生まれることになってしまいました。
僕は18keyの下段を取ってるからdownのdなのかなと思っていたのですが、
どうやら見た目が皿っぽい→dishで9dkeyになったようです。
11Wもキー配置の見た目がWであることから11Wという名称になったので、それと同じですね。
皿を意味する言葉には他にもplateがありますが、
dishとplateの違い・使い分けはかなり複雑そうというか、闇が深そうなので調べるのをやめました……。

9dが生み出された翌日(日付的には同日)の夕方、
9dという新しいキー種が出たはいいけど簡単な譜面がなく、
今でいうNormalに相当するMFV2さんの譜面がEasy扱いになっていたため、
それならBeginner枠作ってみますみたいな感じで軽率に1譜面増やしました。
こういう導入譜面なら任せろ〜みたいな(?)
まあそのあとティックルさんが程よいEasyを作られたので存在価値が微妙になったんですが。

9dに関しては(3人ほど相乗りしているが)みんなで作った感が強かったので、
難易度名についても統一的に下からVE、E、N、H、VHみたいな形にしたらどうとか、
ゲージについては中級までは統一したらよさそうとか、その辺の提案をいろいろ出しました。
その結果現行の仕様になっています。
Very Easy的な難易度名に対して、間にスペースを入れるかどうかは宗派が分かれますね。
僕はVery EasyやVery Hardはスペースを入れる派、SemiHardはスペースを入れない派です。
veryは副詞(用法)ですがsemiは接頭辞なので、というのがあります。

今回は、いんせくと!の時にはあった「同一キーなら難易度帯を変える」という条件がなくなりました。
というのも、開始直後にCieさんとzaql0さんが5(zaql0さんは5iだったが)で作ることを表明されていたのですが、
長月さんが後から参加されることにこの条件を懸念されて、
「作ってみて難易度が被ってしまった場合は参加辞退します」とおっしゃったんですね。
このコメントって中々すごいというか、ものすごい「圧」のある内容で、
普通は「譜面を作ったのに参加を辞退する…… それだけはしないでくれっ!!」ってなるじゃないですか。
というわけで条件が撤廃されました。もともとそんな条件がなくても、
多鍵ガチ勢はキーも難易度も差別化して複数難易度作る傾向があるから全然問題なかったですね。

なお、今回のサムネイルは例によってdecresc.さんに作っていただいたのですが、
「いんせくと!」以来の伝統として毎回お願いしていたためか、
今回は乱闘始動当日夜に「聞こえてしまったのでつい」とサムネイルが飛んできました。
大樹しかり、この手のセンスありすぎてやばい。

作品コメント「16人が見守った電車の行方」
テレビドラマ版電車男の第1話サブタイトル「100万人が見守った恋の行方」が元ネタです。
(参加人数)人が見守った乱闘の行方、と迷ったのですが、
あのサムネイルと一緒に登場する文章なので、
(参加人数−1)人が見守った電車の行方、の方になりました。−1はぷろろーぐさんの分。

難易度名「Revolving / Rotational / Asymptotic」
Revolvingは自転、Rotationalは公転軸のことを表しています。
Asymptoticは「漸近的な」という意味です。
ラスサビの歌詞から、公転軸が「何か」に漸近していくみたいなイメージでつけました。


続いて、イベントについて振り返ります。

今回のイベントはかなり初動が悪かったのが印象的でした。
数作品しか提出されていない、という状況がかなり長く続き、
「本当に作品が集まるのだろうか?」という懸念がapoiさんから出てくるほどでした。
僕としては、多鍵祭'21 Returns以降、各イベントに何らかの形で、
「作品数を底上げする何らかの要素」があって、
それがなかったらこれくらいの規模になってしまうのかな、とかどこか達観していましたね。

作品数を底上げする要素について言及すると、
たとえば21Rならしょーでんさんが個人で7作品出されているし、
22は長月さんが通常枠だけで11作品出していて、
投下枠の都合で残りの事前飛び入り予定を僕が聞きにいったイベントでした。
22Wはapoiさんがテーマにそった11key作品を多く出していて、
23はhsvsjさんが単独6作品+17key Packageに2つ出されていたりとか。
今回はそういうのはなかった印象です。

また、通常締切時点で個人不参加の方も多かったです。
僕はまあDiscordに来てもらえればいつでも動向が見れるからいいとしても、
ショウタさん、ふみのりさん、しょーでんさんなどが個人作なしでした。
この辺りで作品数の下振れを招いてしまったところはありそう。

結局、通常締切が終了した時点で提出された作品数は67。
決して少ないわけではないですが80以上がデフォだった近年を踏まえると物足りないし、
67のうち14は9Bkey Package(どうせ一斉投下)なので、3日開催する必要性は薄い、と考えました。
実際に作品の合計時間と2日開催したときの予定時間の長さを比較したところ、
程よく余裕をもって投下できる程度だったため、今回は2日開催とすることに。
(作品もないのに長々とやってもダレるだけですからね……)

この状態で投下枠を構成しても一部投下はどうしてもスカスカにならざるを得なくて、
そのへんは事前飛び入りに期待、今回は事前飛び入り期間も長いからなんとかなるかな、
そんな感じで悠長に構えていたのですが、ここで1つの異変が起こります。

今回、事前飛び入り、めっちゃ多い。

期間が長いから増えるのは予想していましたが、それでもせいぜい5〜6作品くらいのつもり。
まさか14作品も事前飛び入り作品が提出されるとは思っていませんでした。
その結果、各投下の長さも自分の思っていた上限ギリギリの長さになり。
あともう1つ事前飛び入りが来ていたら投下スケジュールの変更を余儀なくされるところでした。
極力本提出で出した方がいいですよ!

事前飛び入り作品には慣習でギリシャ文字の番号を当てていたため、
今回見たことないようなギリシャ文字が大乱舞する謎のイベントになってしまいました。
まじでどうしてこうなった。
結局、通常+事前飛び入りで81作品。最終的な飛び入りも含めると91作品285譜面。
割といつも通りの規模になりましたとさ。
285のうち、大樹が40でOuternoidが47だからこいつらだけで3割占めてるんですけどね(爆)

そんなわけで、今回は最終部へ入れる作品を決める時に、
「この人の作品なら何を入れたいだろう?」みたいな、いつもとは違う考え方をしました。
割と多く出していただいた方は、何らかの形で最終部に作品が入っているはずです。
個人作だとは限らないですけど。

トップバッターについては、とりあえず「雪の街叙情曲」はトップ向けだよなあとか、
そんなことをapoiさんと話していたのですが、結局他にトップ向けみたいな作品がなかったので、
結局雪の街叙情曲が採用されることになってしまいましたね。
SKBさんのPrologueはちょっと別枠になるのでここでは使えませんでした。

今回問題になったのはSKBさんの処遇です。もとい、PrologueとEpilogueの処遇ですね。
それはそれはモメました。「運営を困らせてしまい、すみません」は伊達じゃない。
Epilogueの作品コメントにある「おつかれさまでした。」という部分も非常に厄介でした。
とりあえず、Epilogueが9Bであること、コメントで9Bへの言及があることから、
9Bkey Packageのあとで単独投下するのがよさそう、
ならばその部のトップにPrologueを置いたらきれいにまとまらないかな、
という感じで一連の作品の処遇が決まっていきました。
(これもあって、Prologueをイベントのトップに置くことはできませんでした)
そのせいでゆのみっくの場所が微妙なところになったけどそれはしょうがない。

……まあ一番困ったのは、9Bkey Package投下後にSKBさんから、
「今日の投下ってこれで終わりですか?」と聞かれたことなんですが(
投下スケジュールには21:30に第2部B投下、23:00に1日目終了予定と書いてあって、
この投下枠のことはサプライズ的な意味合いを込めて隠していたのです。
ここもどうやったら自然に隠せるのかみたいな話を事前に運営内でしていた部分でした。
「終わりです」とも「まだあります」とも言えないので、言葉に詰まりました。
つくづく、嘘をつくのがヘタクソマンと申します。
この時、apoiさんが著しい体調不良で仮眠を取られていたのですが、
そのapoiさんが「23時に戻ってこなければならない」という点も併せて考えれば、
「まだ何かある」というのはもしかしたら察せたかもしれません。

投下枠にはネタを仕込むのが通例となっていますが、
通常提出作が少なく事前飛び入りが多かった関係で、今回はあまりネタを入れられませんでした。
それでも恣意的な並べ方をした作品は以下の通りです。

5. コドモチック・フィロソフィ / 長月
 5keyなので。

11. きゅるるる〜んキラキラ / Peach Blossom
 前イベントとの「曲被せ」+11Lkeyということで前回のeXisTraceと同じ場所。
 そして隣があいすさんなのも同じ。

第1部第4投下の前半部分
 12、13はあいすさんの押しにくい(笑)特集。
 13がLIAR PARADOXだったので、ライアーつながりで14がライアーダンサー。
 ライアーダンサーはかなり難しいので、押しにくい(笑)との対比。

16. Prologue / SKB
 前述の通り。第2部のPrologue。

17. Closer / ぷろろーぐ
 Prologueの隣にはぷろろーぐさんの作品を。

23. kirarinn. / Reiage
 23keyがある合作なので。

39. Epilogue / SKB
 前述の通り。第2部および1日目のEpilogue。

第3部第3投下
 ボスラッシュ。最初の2作が5key、7keyなのも同じ。

58. サマーフィッシュ・フィロソフィア / O+ VS SHARK
 単独投下であることを含め、多鍵祭'21 Returnsの「T+ VS SHARK」と同じ出し方。

64. ひとりぼっちのステラ / 長月
 場所に意味はないが、ひとりぼっちの投下ということで単独枠。


アリーナバトルについて。
今回も夏同様、アリーナバトルが開催されました。参加人数は12名。
そして、例によってサポートスタッフとして介入していましたとさ。
長らくプレイヤーイベントをやってきた身として、こういう企画は応援したいですね。

僕がやったのは司会進行と、SKBさんが関わる対戦の選曲です。
1回目の選曲は僕だけで、2回目はぷろろーぐさんにご協力いただきました。
例によって勝率30%くらいのを……という話でしたが、
僕がことごとくSKBさんの得意譜面orやり込み済譜面を選んでしまった結果、
SKBさんのパワーが炸裂してしまい対戦相手の方(具体的にはすずめさん)に大変申し訳ないことに。
アリーナの選曲むずすぎ問題。SKBさんはなんであのスピードでチョイスできるのか謎すぎる。

トーナメント表をかなり恣意的に構成した前回でしたが、
今回はトーナメント表はランダムにして、対戦に応じてハンデを付ける構想があるみたいな話をSKBさんから聞いていました。
とはいえハンデは設定が難しいし、なんか強烈なハンデがある状態で勝っても……みたいなのがあったので、
やっぱりトーナメント表の方を恣意的にして、どうしようもない時だけハンデ運用の方が、みたいな提案をしたんですが、
結局今回はハンデなし運用になりましたね。

前回はまあ無難に(?)ベスト4でしたが、今回は決勝まで勝ち進んでしまったため、
試合数が多くなりました。以下、各試合を振り返ります。


<1回戦(vs ショウタさん):課題曲>
・虹[Socks](7i) ←izkdicBAN
・ライアーダンサー[Very Hard](7)
・ドリームグライダー[Another](9A)
・Acrise[Hard](9B)
・Lux[Lux17](17) ←ショウタさんBAN

ショウタさんは中難易度帯での精度プレイヤーですが、
難易度が上がると物量耐性等の点から僕の方に利があると考えて、
ショウタさんが精度を取れそうな「虹」をBANすることにしました。
ライアーダンサーの結果が象徴的になりましたね。概ね計画通りです。
おそらくこのルール下ではショウタさんに勝ち目がないため、
もっと低難易度に寄せてハンデ1点(AP取れば勝ち)とかにしたほうがいいのかもです。ハンデ1点については後述。


<2回戦(vs apoiさん):課題曲>
・雪の街叙情曲[Picturesque](9A)
・around circle[Hyper](9B) ←izkdicBAN
・October Fantasy[Normal](11)
・赤の砂丘[庄内砂丘(Lv.26)](11L)
・ゆのみっくにお茶して (feat. nicamoq)[Normal](14) ←apoiさんBAN

宿命の好敵手、apoiさんとのバトルなのでめちゃくちゃ気合を入れました。
October Fantasyは難しい譜面ではないので残し、明らかにapoiさんより実力の劣る9Bを除いた形になります。
とはいえ14keyも得意ではないため、apoiさんのBANがゆのみっくではなくて赤の砂丘だったら負けていたかも……。
(仮にapoiさんより実力が上だったとしても事故る可能性が高いので普通に怖いんですよね)
赤の砂丘は庄内砂丘ならまだ精度でカバーできるから勝てそう、October Fantasyは厳しいかなあと考えると、
雪の街叙情曲で勝った方が勝つ、ということになりそう、と思ったらその通りになってしまいました。
ここで雪の街叙情曲が出るのも恣意的だろうし、展開的にはとても熱かったですね。
雪の街叙情曲は会心の1シャキPF(自己ベ)。apoiさんは3シャキ1ミスの-6でしたが、
-6なんて同時押しが無反応を起こしただけで吹き飛ぶので怖すぎ。apoiさんの精度力上がりすぎでは??


<決勝(vs SKBさん):課題曲>
・僕がいない世界の境界線[NORMAL](9A) ←SKBさんBAN
・Autumn Rain[Advanced](7i)
・Outernoid[Hard](11)
・桃色シュガー[Cherry](7i) ←izkdicBAN
・クリティカルカプチーノ[Normal](11W)

勝てません。現場からは以上です。

……というだけで終わるのではさすがにあとがきの意味がないので、
詳細に書きますと、そもそも「SKB vs izkdic」というのはizkdicに勝ち目がないのです。
僕とショウタさんの関係も似たようなものですが、SKBさんの実力が僕のほぼ完全な上位互換のためですね。
アリーナでは基本、相対的に強い方の弱点を弱い方が突けるような選曲になっています。
これが例えば相手がchipさん、goeさん、ぷろろーぐさん、すずめさんあたりだった場合、
多鍵の易しい譜面での精度勝負に持ち込めば勝ち目があるかもしれないのですが、
SKBさん相手だと何をやってもダメなのです。

 ・地力はSKBさんの方が上
 ・精度力はSKBさんの方が上
 ・多鍵力はすべてのキー種(含片手5key、パンパネ、キリズマ)でSKBさんの方が上
 ・SKBさんが難易度を問わずやり込むタイプなのでやり込んだ譜面でのワンチャンもない
 ・ありがたくも僕の譜面もめっちゃやり込んでもらってるので制作者補正も効かない

逆にこれでどうやって勝てばいいんですか???

現時点でSKBさんより良い成績を出せる譜面ってアトランチスの謎メドレーくらいしか思いつきません。
(さすがにリバースなしが強制される片手5keyならいける)
Watchdogツイステッドも制作当時は制作者補正がすごかったですが、今は無理です。
あとはエイプリルフール版のきのこのワルツくらい? グドアタなのでアリーナのルールではダメですけどね。
広い界隈探してこれだけしか見当たらないって時点で絶望感しかありません。

課題曲に戻って、Autumn Rainとクリティカルカプチーノは一応AP可能、境界線は変速運ゲー、
Outernoidは一応相手が初見なのでそこに付け込めるかも、ということで、
「僕の自己ベスト<SKBさんの安定スコア」になっていてどうあがいても勝ち目のない桃色シュガーをBANすることに。
結局、Autumn Rainは僕がトリルで1シャキを出してしまい糸冬、
OuternoidはSKBさんが初見5シャキ1マタ(-7)という謎スコアを出したので糸冬、
クリティカルカプチーノは両者APの引き分け、で2-0で敗れました。
SKBさんのスコアだけを取ると、「-0(AP)」「-7」「-0(AP)」であるため、
僕の勝利条件は「Autumn Rain、クリティカルカプチーノを両方AP+Outernoid6落ち以内」以外なかったわけですね。
勝てるわけないだろ! いい加減にしろ!

Outernoidのスコアは結構ひどかった(-26)ので、
これだったら負ける前提で桃色シュガーを残しておいた方がまだ接戦を演出できたかも……。

翌日、SKBさんとこの対戦について話していて、
結局ハンデは使わなかったけどこういう場面でハンデ1点とか、そういう風に運用してもよかったかもみたいなことを言ったら、
「もしハンデ1点だったらカプチーノ切ります」というすごいコメントが出てきて思わず笑ってしまいました。
今回の試合に関して、ハンデなし、ハンデ0.5点(同点時は勝利判定)、ハンデ1点を比較すると、

ハンデなし→2-0
ハンデ0.5点→2-1(クリティカルカプチーノはAP vs APだったので僕の勝ちになる)
ハンデ1点→1-1(Autumn Rainが引き分け、クリティカルカプチーノが僕の勝ちになる)

となります。
まあ、ハンデ1点だったらカプチーノを切られるのでどのみち無理なんですが。


……というわけで今回もSKBさんが優勝してしまいました。
そもそも明確な弱点の少ないSKBさんはアリーナルールではめっちゃ強いというのはありそうです。
しかもスピツイでSuddenDeathを付けるような人なので(?)一発プレイという環境にも強いと思います。
次回はタイトルホルダーとして参戦されるそうなので、楽しみですね(遠い目)


スピードツイスターについて。
前回はかなり大きなルール変更を行ったのですが、自分自身納得のいく変更だったのと、
周囲からの評価も上々だったので、今回は前回と全く同じルールで行いました。
(一応、3人以上対戦時にSurprise Attackを引いたときは無効+引き直しにすることを決めていましたが、
 今回の流れで出てくることはありませんでした)

前回SKBさんからスピツイ用ツール(スプレッドシート)をいただいたのですが、
それによって今まで以上に円滑な進行ができることを肌で実感していました。
前回は参加人数15人(5人3リーグ)で、この人数であれば概ね4時間コース(24時すぎに終了)なのですが、
途中僕のPCの不調により20分くらいロスったにも関わらず24時すぎに終われたことを考えると、
時短になっているのは明瞭で、これなら僕も参加できるかな? という思いがありました。
基本僕は毎回司会をやっていて、「参加」はしていないので、やっぱり参加したいってのはあったんですよ。
というわけで、今回は僕も出場するつもりでいました。

SKBさんのツールのおかげで、5+5+4人リーグみたいな運用もできるようになったので、人数の問題はほぼなくなったのですが、
試合数が人によって変わってしまうため基本的にはn人mリーグの形にしたいとは思っています。
今回は14人だったので、仮に僕が抜けても中途半端になるため、5+5+4人リーグで開催し、
決勝トーナメントへの進出者を3+3+2人にすることでバランスを図りました。

結論から言えば、僕が参加しても円滑に進めることができました。
14人参加して23時すぎに終わったので、余裕です。
とはいえ、さすがに18人とか20人とかの規模になった時は厳しいでしょうね、集計等もあるので……。

というわけで、今回は代行とかを除いて、僕が正式な形で参加した初めてのizkdic式スピツイになったのです。
せっかく参加するので、気合を入れて「不自然でない程度に勝率が高くなるムーブ」をしました。
具体的には、
 ・使えるものはすべて使う(キーコン、速度変化OFF、Easyゲージなど)
 ・素点を大事にする
 ・明らかに不利な場面でチャンスカードを引かない
の3点です。

キーコンや速度変化はアリーナでは許可されていませんが、パーティゲームのスピツイならなんでもありです。
昔ほどではないですが基本的にはクリアできないときつい展開になるので、
クリアのためにはありとあらゆる手段を講じた方が勝率は上がります。
顕著なのがキリズマです。セッティングが面倒ですがスペース以外のすべてをFJに割り当ててしまえば、
あとは1回の打鍵で2回反応することを念頭に置いたプレイングをすることで大体なんとかなります。
通称ズルキーコンと言われます。普通はこれでクリアしても何もうれしくないですが、落ちるよりはマシです。

素点については、基本的にスピツイは「SOTEN is POWER」なので、
基本的に出来る限り素点が高くなるような動きをしたほうが強いです。
チャンスカードはあくまで「素点から逆転できる要素がある」というだけで、
素点で勝てるなら勝つに越したことはないです。

明らかに不利な場面で……というのは例えば、Cieさん vs 僕の「99ES vs 2289」みたいな場合です。
ESはEasy対象、Short対象を指します。
仮にこちらが引いた場合、Mod 100やIkasamaが出れば終了してしまう上、
引かなくても相手が単体カードで逆転できる見込みはありません(+2000でも×16でも負けないので)。
Mod 100もIkasamaも出現率は7%とか、その程度でしかないので引かない方が勝てる見込みが高いです。

こういうことを心掛けていましたが、スピツイというのはランダムなので負ける時は負けます。
極論、素点で勝っていても相手がRevolution(2%)すれば問答無用で負けますしね。
そんなわけで勝てたらいいな、くらいでいたのですが、
なんやらで全体的に運が良く、予選を1位通過し決勝トーナメントに進んでしまいました。

ここで、前日のアリーナでSKBさんが勝ってしまったことを思い出します。
仮にこの流れで僕がスピツイで優勝してしまえば、プレイヤーイベント企画者が優勝するジンクスが続き、
「それってどうなの?」というのはさておきネタ的に面白いんじゃないかみたいな邪な考えが脳裏を過りました。

準々決勝でdata / OVErfLow(最高判定数2345)を引きCieさんを下した後、
準決勝ではある種因縁の相手SKBさんと対峙。ここでも青の洞窟(判定数1918)を引き、素点パワーで勝利しました。
(ただしSKBさんはプラネタリウムガーデン=判定数3333のFailedだったため、クリアされてたら負けていたかも)
「短い曲で複数譜面化」が進んだ現代、判定数1000でも十分強力です。
引きに関しては相当運が良かったと言わざるを得ません。

そして運命の決勝戦。対戦相手はすずめさん。
ここで僕が引いたのは赤の砂丘(最高判定数1584)でした。やっぱり運良すぎ。
Lightゲージなら最上位の「鳥取砂丘」でも落ちることはないのですが、
自分の実力を考慮すると判定数1007の「庄内砂丘」をプレイすれば、
マターリやミス考慮で999点くらいにならないかな、と思ってそっちをプレイすることに。
この譜面は前日にアリーナで遊んでいて、予習ができていたというのもあります。

そしたら偶然999点を取れてしまいました(真顔)。
その後難易度表への新規提案検討中に再プレイした時も999点だったので、
僕の素点は999を中心とした正規分布になっているのかも。
繰り返しますがマジで偶然です。というか密度の高いあの譜面で8落ち調整なんてしてる余裕がないです……。

そして素点383のすずめさんと対峙し、izkdicが引いたチャンスカードとは……

izkdic@STAFF「izkdicさんはチャンスカードを1枚引くことができます。引きますか?(引く場合chanceと発言)」
izkdic@STAFF「負けるためにひきます」

chance > izkdic@STAFFはチャンスカードを引いた! 「Mod 100」! 双方はスコアの下2桁勝負になるぞ![全][後]

??????????

Mod 100は前回からルール変更があって、最終発動になりました。
そのため、僕の点数が999[99]点に。やっぱり今回運良すぎでは?
この時点ですずめさんが逆転するには、まず単体カードは全滅、全体カードでIkasamaを引いてもダメ。
Normalizeなら9948[48] vs 9921[21]になってすずめさんの勝ち、COMBO Battleなら9221[21] vs 3575[75]でダメ。
RESULT Battleも976104[4] vs 862959[59]でダメ。FREEZE Battleなら55[55] vs 7[7]で勝ち。
というわけでNormalize(5%)とFREEZE Battle(5%)とRevolution(2%)しかすずめさんの勝ち目がない状態になってしまいました。

これらが出ていたら僕は「感動しました」とコメントしていたでしょうが、
実際にすずめさんが引いたのは単体カードだったのでダメでした。
そんなわけで、izkdicが優勝してしまったのです。運良すぎ。

ある種、こうなったら面白いかなとは思っていたとはいえ、まさか本当に優勝してしまうとは思わず。
なんというかイベント後の罪悪感がものすごかったので、以降僕はizkdic式スピツイには出場しないことにします……。
代行要員としておけば臨時で欠員が出た時も安心だし、今回でやりながら企画を回せることが分かったので、
今後はイベントに参加するとしてもそんな関わり方になっていくでしょう。
代行なら代行依頼者のためという名目で全力を尽くせるのでちょうどいいかもしれない

繰り返しますが、パーティゲームとしての面白さを度外視するならば、スピツイは、
 ・使えるものはすべて使う
 ・SOTEN is POWER
 ・不利な状況でチャンスカードを引かない
この3点を意識すれば勝率は結構上がると思いますよ。
「不利な状況」は場合によりますが、出現率の高いMod 100、Ikasamaの両方で負けるような素点ならやめた方がいいでしょう。

一方チャンスカードは引いたほうが盛り上がるので、企画主催側としては引いてほしいというのがジレンマ。
とはいえその場合でも速度変化OFFやEasyゲージは使った方がいいと思います!
特にFailedになると本当に辛い展開になるので……。

話は変わって、ぷろろーぐさんのタイポは今回も安定の面白さでした。
最近はスピツイ中はだいたいボイスチャンネルに入ってわちゃわちゃやっていますが、
その中でぷろろーぐさんが、「待ってください待ってください、やばい全然chanceが打てない」みたいな感じで大体慌てながら、
謎のタイポが次々と投下されていくので本当に面白いです。
また、「うまく消せなかったら投稿して仕切り直しした方が速い」っていうのがめっちゃ面白かったです。
次回以降スピツイ参加を検討されている方は、是非聞き専で問題ないのでボイスチャンネルにもお越しください(謎)


というわけで最後になりましたが、僕のお気に入り作品を挙げておきます。
例によって1人1作品縛りで。

θ. ひよっ子サンタと雪の街 / 長月
27. ぱーりにゃい! / SKB
40. The Distance / 蒼宮あいす
56. ずんだのアイドルになるのだ / goe
57. POLYBIUS GB SPEEDRUN (Glitchless 100% WR in 0:03:57) / chip
60. Orbital Light-Trail / Cie
62. Starry Story! / Peach Blossom
63. elegante / apoi
67. / スローライフ合作
A. Moonlit_Dancer / decresc.
I. 8番出口 / MFV2

今回一番好きだったのは、goeさんの「ずんだのアイドルになるのだ」(7ikey)でした。
こういう賑やかな曲に乗せた軽快な物量譜面ってこんなに楽しいんだなあと。
曲の細かいネタもしっかり譜面に反映されていて、ネタ的にも面白くてすごかったです。
本作を筆頭に、今回は7ikeyに特にいいと感じさせられることが多かったですね。


では、今回はこの辺で。また次回もよろしくお願いします(^o^)

hhhiomasua^(挨拶)

ホームページ テンプレート フリー

Design by