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2023/10/15(日)

多鍵祭'23、お疲れ様でした(2か月遅れ)。
例によって(?)今回もスタッフとしてイベントに関わっていて、
Adjustment値の調査や通常投下順策定などのところで暗躍していました。

前回は合作に全振りした結果、通常参加枠に合作を8つ提出するという事態になったので、
今回はその辺はほどほどにして個人作もほどほどに……と考えていたのですが、
Discordサーバでの通話がきっかけで合作数がいつの間にかだいぶ増えてしまい、
ならもういいやと開き直って合作祭りをした結果、
コラボ・リレー合作だけで10作品というとんでもないことになった上、
挙句個人作を作る余裕が全くなくなってしまい個人作ゼロという何ともなことに。
(17key Packageのは個人で作りましたが、あれは「個人作」とはいいがたいと思います)

通常参加が無理ならせめて事前飛び入りだけでも。。。と思ったものの、
あまりに合作を抱え込みすぎてそれの作品調整(制作者表示を入れたり、コメント書いたりなど)をしているだけで、
事前飛び入りできる期間も終了してしまいました。
(そもそも合作の調整は根本的に間に合っておらず、投下される数時間前まで調整していたものも)
今回は投下中に場外乱闘が勃発したのですが、そっちでも結局個人で出す余裕はなく、
最後まで個人作ゼロという結果になってしまったのでした。

最終的な提出作品数は、個人0、パッケージ参加1、合作10(+飛び入り1)の計12作品。
個人作がゼロであるにもかかわらず、飛び入りを除いた提出作品数はapoiさんと並んで1位タイという異常事態。
そもそもイベントに何らかの形で作品を提出している人の中で、個人作がゼロなのは僕だけでした。
(通常締切時点ではティックルさんもゼロだったが事前飛び入りを出している)
本当にどうなっているんですか……?

というわけで、ここから恒例のあとがきタイムです。
例によって約1670行、推定読了時間103分相当と超長いので以下に目次を用意しています。

01. Summertime Adventures
02. 庶民のお茶会
03. Heaven Knows
04. VOYAGE〜海と大空と風の羅針盤〜
05. ゜*。Mallon Fille。*°
06. 都市計画
07. Eternal Super Hyper Ultimate Doggo
08. おひさまの匂い
09. 17key Package vol.2について
10. きゅるるる〜んキラキラ
11. 戦闘系06
12. 天空の六分儀
13. Swifter Charge!!!!
14. イベント運営について
15. アリーナバトルについて
16. スピードツイスターについて
17. お気に入り作品とか


No.334「Summertime Adventures」(第1部 / 投下番号1)
SKBさんとの合作その1です。全体としては7回目。
なんで「その1」と付けないといけないのか自分でもよく分かっていないんですが(真顔)、
経緯的には今回のiskbic合作のメイン作となります。

今回は17key Packageの存在、新進気鋭の17keyクリエイターhsvsjさんの登場もあり、
過去のイベントを見ても類を見ないほど17keyがピックアップされた内容になったのですが、
本作の起こりはそれらとは全く関係がなく、
多鍵祭'22 Winterのスピツイの翌日に僕がSKBさんと合作で17keyDB☆3の譜面を作っている夢を見たからでした。
僕は睡眠中の夢はよく見るほう(だと思っている)で、だんおに関係の夢もそんなに珍しくはないのですが、
ここまで具体的に内容を覚えている夢というのは中々ありませんでした。

思えば、多鍵祭'22 WinterではSKBさんと実質3回コラボしているし、
17keyのリレーも経験したしすずめさんによる17key布教も目にしました。
(本イベント後にSKBさんと14keyDB☆8くらいの譜面を合作している夢を見たので、
 リレーで体験しておくというのは意外に重要な要素だったのかもしれません)

DiscordのボイスチャンネルにいればSKBさんとは割と簡単に通話できるので、
apoiさん、すずめさんが同席の中このことをSKBさんに伝えた結果、
当然のように合作をする流れになったのでした。
DB☆3というのが妙に現実味のある難易度だったのが運の尽きかもしれない

選曲についてはとりあえず「リズムよりも旋律要素を重視できる曲の方がよさそう」、
「リズム表現なら17keyよりも23keyの方がやりやすそう」みたいな話があり、
それをもとにDOVA-SYNDROME経由でいろいろ聴いて回った結果、
 ・Masuoさんの「庶民のお茶会」
 ・松浦洋介さんの「Summertime Adventures」
この2曲が浮上しました。

前者は伴奏も合わせた混フレにするかどうかで難易度のコントロールができそう、
(ついでに作曲者コメントに合わせて「17keyだって合作くらいするんですよ」というネタになりそう、)
後者は後半のフレーズが印象的で、これも旋律重視と混フレ・リズム重視で難易度をすみ分けられそう、
(ついでに多鍵祭は夏開催だから季節的にもぴったりでは、)
みたいな感じでSKBさんに提案してみました。

その結果、「庶民のお茶会」は23keyで作りたくない? ということになり、
一旦そちらは次のイベントに回すなどで措いておいて(重要)、
Summertime Adventuresで17key合作をしましょう、という結論を得たのでした。
これが6月頭くらいの出来事です。

blue blue blueの時とは異なり、今回は最初から2譜面構成にするつもりで、
簡単な方は僕ベース(合作素案は僕が作り、個人パートのウェイトも僕の方が多い)、
普通の方はSKBさんベースで進めることになりました。
このうち、普通の方は完成こそ簡単な方より後でしたが(簡単な方を優先したため)、
難易度展開に困ることはなく、いろいろ調整して順当にDB☆5くらいの譜面ができました。

簡単な方はDB☆3という絶対目標があったのですが、
お互いに遠慮しすぎた結果どうあがいてもDB☆2だろみたいな譜面が出来てしまい、
その後細かいところを見直しながら上げられるところを少し上げたり、運指をややテクニカルにしたり、
そんな感じで各所の調整を施した結果現行の譜面になりました(なお、これ以上難しくはできませんでした)。
これならゲージを厳しめにすればギリ☆3かな。。。とはなったのですが、
正直これでも怪しいのであとはapoiさんの温情に期待……するつもりが、
そもそもこの手の運指はDB☆2にはほとんど見られないものだったらしく、順当に☆3に配属されました。

この時僕が難易度評価の参考に確認した譜面が、よりによってPrayer [Normal]でした。
イベント後の17key難易度見直しにて大詐称譜面とされ、☆4に昇格したいわくつきの譜面です。
そのためいろいろと見誤っていた説はありますが、強化前の譜面だったらこのゲージでも普通に☆2だっただろうし、
現行譜面でも☆3下位程度なのは否めません。
☆3上位の譜面って割と難しいんですよね。旅の景色 [Hard]とか。

後半のメインフレーズ前半は音階的に8列でちょうどおさまる形になっており、
音階通りに置きたい〜みたいにSKBさんに駄々をこねた結果そういう配置に。
本譜面の大きな見せ場と言えるでしょう。
簡単な方でフリーズが多くなったため、普通の方ではフリーズは少なめに……と思っていたら合作パートまで0だったため、
最終合作部もフリーズなしでリズムを維持するような形で構成することになりました。

合作経緯としては簡単な方が主軸ですが、2譜面で1つといえる作品に仕上がったと思います。
DB☆3はキーの基本を知るのにちょうどよく、DB☆5はキーの楽しさを知るのにちょうどよい難易度のため、
17key史上初のコラボ合作作品としても、多鍵祭'23というイベントの最初の作品としても、
非常にいい塩梅の内容になったのではないでしょうか。
(そういう意味では17key Package向けのような気がしないでもないですが。。。)

表明コメント「数の暴力」
次作も含め、キー数の暴力的な意味合いでした。

作品コメント「16歳、真夏の大冒険。」
この曲が「青春時代の夏の冒険を思い出す」みたいな曲なんですが、
ちょうど17keyも思春期真っただ中(生誕16年4か月)だったので、
それも含めてこういうコメントになりました。

難易度名「Dream / Summer」
簡単な方は僕の夢に準拠していること、上位譜面は曲に対して素直に作っていること、
この2点を踏まえて前者は経緯、後者は曲名に準じた譜面名となりました。
当初は次作とも重ねて「Dreamtime」「Summertime」だったのですが、
曲名にもあるSummertimeはともかくDreamtimeは微妙だったのでtimeは取っ払われました。


No.340「庶民のお茶会」(第2部 / 投下番号25)
……で、なんでこっちもやっちゃってるんですかね。

Summertime Adventuresは、合作始動時点でコンセプトが明瞭だったうえ、
始動そのものもだいぶ早かったので、6月中旬時点でそこそこの進捗がありました。
(その後、7月初旬に完成しています)
そんな折、ボイスチャンネルでSKBさんらと話している時に、
前後の流れは忘れたのですが唐突に「もう1つの方もやるかーwww」みたいな流れになり、
合作が始動してしまったのです。

この話があったのは6月18日。この時点で僕は既に合作を8件抱えていて(←??)、
始動すればこれが9件目、そんなに抱え込んで果たして大丈夫なのか? という不安が過りました。
とはいえ、「庶民のお茶会」は楽器数が少なく、そんな派手なバトルにはならないだろうし、
23keyとはいえ合作相手はやり慣れたSKBさんとだし、まあ大丈夫か……と思い、合作をやることに。
実際この合作自体は完成まではおおむねスムーズでした。
どちらかというと僕に23keyのプレイングスキルがなさすぎることの方が問題になってましたね(真顔)
17keyをいつもAlternateでやっているので下段と中段の認識が壊滅的なのです。。。

さて、本曲の作曲者Masuoさんを知ったきっかけなのですが、
実はあのDOVAランセレ合作です。その途中に誰かが引いた……とかではなく、
合作公開後、不参加組のchipさんがお遊びで引いたのがMasuoさんの曲だったのです。
その時点で合作は終わっていたのでその曲で譜面が作られることはありませんでしたが、
雰囲気と曲名に心惹かれた僕は、どこかのタイミングで使わせてもらいたいな、と考えていたのでした。
(この合作をやっていないなら、この曲で17key Packageに参加していたかもしれませんが、
 さすがに合作でやるには選択肢が少なすぎるため、直接の提案には至りませんでした)

そして他の曲を聴いていた時に、この曲なら17keyに合うんじゃないかと思い、
提案してからの流れはSummertime Adventuresの振り返りで書いた通りです。
確かに、この曲はパーカッションこそありませんが、
「ずんちゃっちゃ、ずんちゃっちゃ」というワルツのリズムが明確に刻まれていて、
確かに23keyの方が合うなぁと納得させられたのでした。
とはいえ、個人で作るなら23keyという発想は出てこなかったと思います。9Aあたりで作りそうです。

当初は混フレの有無で2譜面作れそうという発想でしたが、
この曲が実質2ループ構成みたいなところもあり、展開に困りそうだったので、
前半混フレなし、後半混フレありにして1譜面で進めることになりました。
最初は順当に主旋律を追ったパターンと、それに他いくつかの音を絡めたパターン(現行案)のどちらがよいか、
判断がつかなかったので両方作ってSKBさんにぶん投げた結果後者で進んでいくことに。
(この2択で世界線を分岐させられるほどのパターンはありませんでした)

2ループ目はおおむね1ループ目の発展形をあてられたと思います。
23keyに不慣れな立場からすると1ループ目ラストのSKBさんの配置はめちゃくちゃ厳しく、
ここで一気に難易度が上がった印象を受けました(SKBさん的にはそんなつもりはなかったらしい)。
というわけで2ループ目は大体これくらいの難易度を維持するくらいを目指しています。
顕著なのは2ループ目の後半で、SKBさんの原案だと僕が落ちるくらいには難しかったのですが、
そこは配置をだいぶマイルドにすることで調整しています(SKBさん的にはやっぱりそんなつもりはなかったらしい)。
全体的に見え方の違いというか、そういうのが浮き彫りになる形になりましたね。
現行譜面で落ちることはさすがにないですが、ゲージが地味に厳しく、
しかも絶妙に難しい中盤〜後半全体を重く見る仕様だったのもあってDB☆5になっちゃいました。

作品コメント「メジャーキーがなければ多鍵をやればいいじゃない。」
当初はMasuoさんのコメントに合わせて「23keyだって合作くらいするんですよ」というものにするつもりでしたが、
17keyならともかく、今時23keyの合作なんて別に珍しくもないのでその方向性は没になりました。
現行案はSKBさんによるものです。でも23keyってメジャーキーだしこれだと多鍵をやる必要性がなさそうですね(錯乱)

難易度名「Teatime」
別にお茶会=teatimeというわけではないのですが(teaだけでいいらしい)、
本作のエディタデータの雛型(BPMやFNを測定したもの)のオンラインパスワードが「teatime」で始まるものだったので、
その流れをずっと引き継いで難易度名にまでなってしまいました。

余談ですが、多鍵祭'23終了時点で、23keyのリレー・コラボ合作は5作品あります。
列挙するとYorixiroラセンナワタシTERRANOVA、天空の六分儀、庶民のお茶会なのですが、
現状そのすべてにSKBさんが関与しているという衝撃の事実が明らかになっています(?)
まあ、いずれ崩れるとは思いますが。


No.335「Heaven Knows」(最終部 / 投下番号79)
MFV2さんとのコラボ合作です。前回は14年ぶりだったのに今回は3か月ぶりで両極端。
MFV2さんとの合作は、
 ・「M-Fic名義で」という条件を付けないと400作目合作で部分的にコラボ合作をやっている
 ・「コラボ合作」という条件を付けないと「戦闘曲02」のBattle譜面(リレー)がある
 ・「だんおにで」という条件を付けないとぽっつべで1回やっている
という複雑な事情があるため、正確に表現するならば、
 「M-Fic名義のコラボ合作はだんおにではN回目」
としなければならないのですが、めんどくさいので以降はこれを普通に「N回目のコラボ合作」ということにします。
そんなわけで今回は3回目のコラボ合作でした。

初回は2009年なので(?)順当に5key、2回目は曲先行だったのでそれに合わせて9Akeyとなりましたが、
僕としてはMFV2さんの7ikey譜面がとても楽しいと思っていたので、
機会があれば7ikeyで……というのは以前から考えていたことでした。
STICKER OF PUYOPUYOkiss the sexy robot略が特に楽しいと思います)
MFV2さんともDiscordのボイスチャンネルで通話することができるので、
その辺の話をしているうちに「次回は7ikeyで」ということが決まりました。

そこで、MFV2さんから何曲か候補を投げていただいたのですが、
その中にNoCopyrightSounds(NCS)で公開されている曲が1つあったのです。
その曲(Freakshow)は自分としてはかなり作譜が苦手なジャンルだったのですが、
NCSを知らなかった僕にとって1000曲以上が公開されているNCSはとてもわくわくするもので、
ちょっとこの中でいろいろ聴いてみてMFV2さんに投げることになりました。
(後に聞いた話によると以前はこういう利用法はできなかったらしい)

で、音ゲーにするなら音ゲーらしく軽すぎない、
でもハードハードしているのは(僕の作風的に)追いつかないのでほどほどで……
みたいなのを考えつついろいろ聴いて回り、かなり早い段階(具体的には2曲目)でHeaven Knowsに出会いました。
2曲目でこんな曲を見つけてしまったので「ここはもはや天国では???」とか調子に乗ったりしたのですが、
これは相当運が良かったらしく、その後3時間弱いろいろ回ったのですが中々いい感じの曲に出会えませんでした。
聴くだけならどの曲も素晴らしいのですが作譜となると……というのが多かったです。
海外のトレンドなのか、「声ネタorボーカル入りインスト曲」みたいな感じの曲が多いと思いました。

Heaven Knowsは素晴らしい曲ですが、盛り上がり部分の音圧がものすごくて、
これはこの部分で3つ押しを解禁しないといけないかなあとかいうのがあり、
それってどうなんだろう、というところから2つ押しまでで形に出来そうな曲を探し回り、
最終的に候補を6曲まで絞り込んだのですが、結局Heaven Knowsには勝てませんでした。
とりあえずそれくらい魅力的な曲だったというのは強調したいところです。

そんなわけで要所で3つ以上同時押しを解禁(ただし矢印側は2つまで)という方針で開始しました。
冒頭は音の解釈の違いとかはありましたが概ね順調に進み、主題へ突入。
3つ押しの使い方は僕は絶望的にヘタクソなので、MFV2さん先行で手本を見せてもらうことに……なったのですが、
組んでもらった結果、お互いに「ここ2つ押しまででふつうにいけそうだよね」とか、
「逆にここに3つ押し入れていくの微妙じゃない?」みたいなことになっていきました。
僕が思っていた以上に細かい音が多くて何とかなった印象です。

で、MFV2さんの素案を「3つ以上同時押しありでアレンジしたもの」と、
「開き直って2つ押しまでで構成し直したもの」の2案を提示したところ、
「やっぱり2つ押しまでの方がまとまりがある」ということで3つ押しは使わずに通すことになりました。
よっぽど極端じゃないなら序盤から3つ押しを使って、重いところは同時押し数を増やす方で対応した方がよかったですね。
ただし2つ押しまでとそれ以上との間に壁を設けないのが現在の主流だと思うので、
僕の考え方はガラパゴス的かもしれません。

その後は、後半合作部の素案を作成する過程で最初の12小節は案があったものの、
ラスト4小節で深刻なネタ切れに陥ってかなり無理やりな構成をMFV2さんにぶん投げてしまうなどの出来事はあれ、
基本的には衝突も少なく、無難にまとまっていった印象です。
合作部は意外と構成が限られていたので、その中でどれがよいのかということをメインに話していた気がします。
総じて、非常に納得感と満足感のある合作になりました。こういうのがやりたかったんだよ的な。

表明コメント「初参加です。」
後のMFV2さんの表明コメントがまあそういうネタなので、これもネタっぽく見えてしまいますが、
M-Ficは過去2作とも通常公開(1作目に至っては完成直後に演出付きで公開した結果、
「なぜイベントに出さなかったのか」と複数名から言われた過去あり)で、
イベントへの参加はマジで初めてなのです。コンビ結成から14年3か月にしての快挙です(爆)。

作品コメント「理想郷を探し求めて」
難易度名「Arcadia」
この辺は「理想郷」というワードを重視して決めました。天国→理想郷という部分と、
NCSが新たなだんおににとっての理想郷になってくれるのか、それは神のみぞ知る、という部分。
地味にダブルミーニングになっています。

余談ですが、MFV2さんとの合作ではMFV2さん基準の難易度を僕基準の難易度に合わせてもらっています。
前作は僕基準でもMFV2さん基準でも20だし、今作は27です。
ただ、上限が青天井なMFV2さんの基準と比べて、僕の基準は上限40で高くなるほど1あたりの幅が広くなるため、
前作はともかく今作はMFV2さん基準27は若干苦しいかも。。。
(近いところだと「にじいろのつるぎ」が28ですが、Heaven Knowsの方が難しい印象を受けます)


No.336「VOYAGE〜海と大空と風の羅針盤〜」(第3部 / 投下番号52)
だんおに界の魔王ことdecresc.さんとの3回目の合作となりました。
完成順ではもっと後ろなのですが、作品番号を合わせたかったのでこの位置になっています。
Reiageの「age」はVOYAGEの「age」なので(詳細は'21 Returnsのあとがきを参照)、
そういう意味では僕らにぴったりの曲だったかもしれません(ONE PIECEのことはほとんど知らないのでアレですが)。

decresc.さんが同曲(ショート編集版)のだんおに作品を公開されたのが4月23日。
poP!steP!!jumP!!!のかほりを感じた僕は同じような流れにしたいと思ったので、
とりあえず11key / ANOTHERでAPを取ったのですが、周囲の反応は微妙でした。
確かに、あれほど話題になったわけでもないし、時期的にもちょうど端境期だったので(スコアタはあったが)、
その部分はまあしょうがないかな、とも思ったのですが、
伴奏厨の自分としてはカットされた部分の作譜も楽しそうだと思ったし、
何かしかの形で制作してみたいな、と感じました。

ただ厄介なことに、この曲に対する自分のイメージが11key系(最終的には11W)だったことに加え、
decresc.さんの中のイメージもそんなに固まっていなかったようで、
Reiageの合作としてみてもどうなんだろう、いっそ僕がサプライズ的に単独でやったほうがいいのかも、など、
そんな思いが支配的になっていきました。

しかし、サプライズ的にやるにしてもやっぱりネタ的には魔王様に御出演いただいたほうがおもしろいし(殴)、
何度も聴いているうちに5keyでの構想も十分練れそうだったので、その辺も踏まえて合作としてGOすることに。
キーをまたいだ複数譜面合作は自身初(というか以前オレンジの約束でそれをやろうとして挫折した)でしたが、
そもそも相方が「7種のキーを同時に扱える」特殊能力持ちなので、「なんとかなるやろ!」みたいな感じで。
加えて、11Wならdecresc.さんは大丈夫だろうという大きな自信もありました。

今回のイベントで、decresc.さん=Lyra Averyの中の人であることが明かされ、
実は11Wをめちゃくちゃいっぱい(具体的にはizkdic、ティックルさんに次ぐ作品数3位)作っていたことが発覚したのですが、
僕は諸般の事情でLyra Averyの中の人のことを知っていました。
ぶっちゃけると多鍵祭'21 Returnsのころから知っていたので、
面白がって(poPで)decresc.さんを11W合作に巻き込むなどの嫌がらせをしてみたりとかしています(殴)。

(合作の話が出た直後、decresc.さんパートを監修する件について)
decresc.「たぶんあっちの方の人格を殺せるかどうかという意味でも確認頂く必要が出てそうな気がするので」
decresc.「そちらの点も合わせてよろしくお願いいただければ幸いです…」
izkdic「がんばってください(暗黒)」
decresc.「おのれ謀ったな(拡大解釈)」
izkdic「実際そこを面白がって11W提案した部分があるので拡大解釈ではなかったりする(何」
decresc.「おのれ謀ったな(正式採用)」
(中略)
decresc.「まあこれでばれたらばれたでネタばらしすればいいとして なんとか頑張ってみるかー…」
izkdic「お願いします、無茶ぶりすみません」
decresc.「いえいえ まあ幸いあの人割と思い切った配置してるから ちょっとひねれば差別化…できたらいいなの精神で…」

みたいなやり取りがあったりとか。

……そんなわけで、5keyと11Wkeyの2本仕立てで作品を作ることになりました。
この間、作品の方向性をいろいろ考えていて、「持ちキー側でない譜面には合作部でのみ登場」とかも検討したのですが、
楽曲のパート分けがどうしようもなくはまらず、没になりました(通常のパート分けはそれはもう綺麗にはまりました)。
結局2種のキーでやっていること以外は正統派な合作作品という立ち位置に。

合作の方向性が決まった約10日後、decresc.さんが、
「個人や合作パートの素案のベースを想定して、試しにたたき台を作りました」として、
5keyも11Wkeyもフル制作されるという事件がありましたが、
最終的には5keyは密度高めで構成してツール10台後半、
11Wは密度控えめ移動もぼちぼちでツール10ちょい、DB☆4くらいにしましょうということに。
「たたき台」の構成が難易度指標として思いのほか役に立ったこともあり、
合作にしては珍しく特に矯正等をしていないのにほぼ想定難易度ドンピシャに落ち着きました。

譜面としては5key先行の方が難易度感がつかみやすいと思ったので、そうしました。
多鍵は往々にして移動要素などにより、「密度に出ない難しさ」という成分を多分に含みますが、
5keyについては(我々が合作と言う括りで普通に作れば)ほぼ密度と難しさが比例するので、
扱いやすかった、というのはありますね。
11Wの方は5key譜面が終盤に差し掛かるあたりから制作開始しています。
自然体で組んでいるのは5keyの方です。11Wは密度的には適度にブレーキを踏みながら作っています。

5keyについては序盤からスネア追いの16分連打が入ったりして、
「イントロが一番難しい、みたいなことにならないか」とdecresc.さんが心配されていましたが、
結局それについては杞憂に終わり、順当にラスサビ以降が難しくなっていると思います。
decresc.さんの初期案の時点ではラスサビ以降はフリーズ複合こそあれ、割と控えめだったのですが、
こういう形で盛り上げるのは得意なのでだいぶ盛っちゃいました。ツール難易度を1引き上げています。
いい感じにお互いの特性をまとめながら盛り上げられたんじゃないかなと思います。
(特に、アウトロ部分は思った以上にきれいに、熱く仕上がったので良かったです)

11Wの方は差別化できそうなところは極力5keyと差別化するようにしながら構築しています。
導入部からして組み方が違いますね。
移動については最後で2FやJ0の同時押しを解禁したかったので、そこまではその配置を含まないようにしつつ、
それでもMovレベルCくらいの移動は使う、くらいの微妙な匙加減を要求されることに。
一番困ったのはラスサビ〜アウトロ(デン! デン! の前まで)です。
結局、5key側はノリで作ったので音を追いかけながら収束させるような形を試みました。

余談ですが、公開時点ではdecresc.さんは11Wは「個人作制作経験なし、合作含めて今回で2回目」という、
中々に初々しい感じだったので(実際は熟練者だったわけだが)、
その辺を見てもらいたかったのでdecresc.さんの個人パートはフリーズの長さ以外の一切の変更を入れていません。
5key側はバランスやその他の事情で配置を若干変えてもらったりしているのですが、
11W側はそういう時も気合で前後を調整することでなんとかしましたので、
是非decresc.さんのウブ(熟練)な配置をご堪能ください(???)

表明コメント「航路。」
'21 Returnsのときの「旅路。」に重ねる形になっています。

作品コメント「23keyの全てを手に入れた男(誇張あり)、魔王エイントリット・デクレッシェンドの譜面を討伐するために船に乗り込め!」
悪ノリもいいところなんですが、HiLiさんの楽曲ページの中にある一文の引用+改変です\(^o^)/
もともとこの合作の動機が魔王ネタをやりたかったところからきているので、
そこを反映しながらいろいろ混ぜ混ぜした結果ものすごくカオスというかツッコミどころ満載な内容に(
「エイントリット」はdecresc.さんのX(Twitter)のユーザー名だったり、Discordのユーザー名だったりする、
「eintritt.」という文字列に由来しています。これ自体は造語らしいんですがドイツ語に同じ綴りの単語があります。
英語でいうEntryの意味なのですが、そちらだったら発音がアイントリットになってしまいますね。

難易度名「VOYAGE / COMPASS」
これにさらにもう1譜面、例えば23keyとかが入っていた場合は迷わず「Ocean / Sky / Wind」にするところなんですが、
今回は2譜面しかないので、無難に片方を曲名から、もう片方を「羅針盤」の英訳からとりました。
本作の譜面はどちらがメインと言うことはなく、正しく「2譜面で1作品」なのですが、
それでも5keyの方が自然体で作った譜面ではあるので、そちらを曲名の方に当てました。

コメント部分がネタまみれになってしまった本作でしたが、
図らずも今回のdecresc.さんの個人作がいわゆるボス枠だったため、
この2つをセットで投下するのは早い段階から決まっていました。
海路の果てに塔があり、そこで魔王(の譜面)が待ち受ける……、そんな演出のつもりでした。
作品内の歌詞表示とかを入れたのは投下順策定とかのもろもろが終わった後だったので、
最後に出てくる「Bon voyage!」はただのフレーバーテキストではなく、
次の作品もがんばってね(にっこり)という意味合いとのダブルミーニングだったりします。

また、僕のコメントの冒頭とかは、完全に世界樹の迷宮のテキストをイメージして書いています。
6月1日に、もともとDSで発表された世界樹の迷宮1〜3のHDリマスター版が発売されたのですが、
1、2は新1、新2としてリメイクされた方をやっていた一方で3は(新3も出ず)ノータッチだったので、
VOYAGEで合作するのもいい機会と考えやってみることにしたのです。その結果大ハマリしました(真顔)
やっぱりマッピングが楽しい。自動マッピングの3DダンジョンRPGとかやるとマッピングが恋しくなりますね(中毒)

世界樹の迷宮3はシリーズ作の中では唯一海沿いの港町が舞台で、
異変によって荒れてしまい交易路も断たれてしまった周辺海域を探索し、
新たな航路を確立したり周辺で要所を発見したり、そこに巣食うボスを退治したりする「航海」というモードがあるのです。
プレイヤーのギルドも1隻の船を用意してもらえるのですが、それの名前付けに困った結果、
船の名前がライアージュになってしまいました(^o^) ※Reiageはライアージュと読みます
都合のいいことに(?)中盤〜後半にいけるようになる場所に「勝利の塔」という塔があり(時間を司ってはいないが)、
そこのボスが「大王ペンギン」であることから、Xでの投下告知時のコメントではそっちのネタに走りました。

その後、3の息抜きで始めた旧2にも大ハマリしてしまい、
イベント準備期間中に2作あわせて90時間くらい遊んでしまったという裏話でした。
そんな時間があったら作譜しろ。


No.337「゜*。Mallon Fille。*°」(第1部 / 投下番号18)
おなじみの(7chatを使っていない)7chat合作です。いい加減しつこいかも。

11keyが世に出たのは夏祭り2008の2日目のことですので、日付としては2008年8月21日にあたります。
それを踏まえると、1週間ほどフライングしているものの多鍵祭'23は11key生誕15周年に非常に近い時期のイベントなのです。
そんなわけで、今回の7chat合作は11keyでやることにしました(この辺の動機は「きゅるるる〜んキラキラ」も同じです)。
今回、合作でapoiさんと同席することが多く(4作品)、実質そのすべてでapoiさんに選曲を頼っていたので、
必然的に、ではないですが今回の合作はapoiさんと2人で企画を考えていました。
当初は11key15周年のことを完全に忘れていて、apoiさんには1回選曲をやり直してもらっているのですが、
11keyでやらない世界線での合作はたぶん次のイベントで披露されると思うので乞うご期待です(?)

11keyでやることが決まってからは選曲もスムーズというか、
apoiさんが最初に出してくださった曲(今回の曲)が僕にぶっ刺さったこともあり、その部分はすぐ確定。
パート分けすると6パートになったのですが、せっかくだし大人数でやりたいよねといういつもの発想から、
花鳥風雪の時と同様に難易度を分けて2譜面進行することに決定。
最初は11人でやるつもりで、僕だけが両方に参加するという形式を予定していたのですが、
そのうち1人と都合が合わず、最終的にapoiさんも両方参加することにして10人で始めることになりました。

ここでapoiさんから提案があったのが、「上位譜面では3つ以上同時押しを解禁したい」というもので、
これまで7chatリレー合作では3つ以上同時押しを使った譜面は存在しなかったのですが、
今回は上位譜面の担当者がそれらを使った配置に抵抗がない人たちばかりだったので(除izkdic)、
なんとかなりそう、ということでそういう方針でいくことになりました。
(これについてはapoiさんが企画側に入ったことで新たな風が吹いたとも考えられますね)
apoiさんによれば最大同時押し数は5つもあれば十分ということだったので、
矢印側は2つ押しまでの最大5つ押しまで許可、という方向で通達を出すことに。
最終的には最大4つ同時押しになりましたね。

そんなわけで、下は左手移動も多重同時押しもなしの中難易度(ツール15〜20くらい)、
上はその辺も全部解禁して自由にやりましょうみたいな形でまとまりました。
上の難易度については、apoiさんとの相談の結果、まあ難しくなっても★7くらいでしょう、
経験的に★7想定と言ってしまうとそれ以上になってしまうので、★4〜5想定と言っておきましょうか、
という風にまとまったので(謎)、それで通達を出しました。

で、上については多重押し成分が薄めでもなんとかなりそうな初手をもらい、
下では諸々の希望を考慮した結果5番手担当となったのですが……。

7chat合作では僕は譜面監修の立場にいるので、
基本的に譜面を次の人に回すときには僕にもメンションを飛ばしてもらっているのですが、
下の1番手担当のあいすさんから、以下のような文言とともにメンションが飛んできました。

「APMが341もあります」

……そんなに密度があがる曲だったっけ。。。
と思いながらその後上の自分のパートを作譜しました(ここができてからあいすさんの譜面を確認しました)。
下手な組み方をすると多重押しを解禁しているのに初手の密度が上の譜面の方が低い、
そんな事態になりかねないな……と考えながら作譜しているうちに思ったより密度は上がり、
移動についてはおおむね当初の予定通り進めて自パートの作譜が終わりました。
前段の懸念は杞憂に終わり、密度的にも(ツール難易度的にも)下よりは高くなり、満足。

僕は気づいていました。
この初手は★4〜5想定の譜面でやってはいけない、と。
ここで引き返すべきだったと。
しかし愚かにも、僕は2番手のMFV2さんに譜面を引き継いでしまいました。
この瞬間、自ら設定した想定難易度は華々しく砕け散ったのです。
結局、最終的に★9〜10程度の難易度になってしまった、ということは諸兄もよくご存じの通りです。

こうして上の譜面の想定難易度は無となりましたが、
なら下はどうなったかというと、あいすさんのパートは同時押しが多く、
冒頭の比較的静かなところもそこそこ密度があったことで上述の平均密度になってしまったようでした。
それでも導入としてはパワフルな構成だったようで、こちらも最終的なツール難易度は26まで上がることに。
当初の難易度イメージはショウタさんの「クッキーカントリー」(☆11)くらいのつもりでしたが、
余裕で発狂難易度表に入れるくらいの難しさになってしまいましたね(★1〜2くらいでしょうか)。
とはいえ、「左手移動なし」のレギュレーションは守られているので、上ほどのぶっ飛びっぷりはないという印象です。

下の譜面は回ってきたのが比較的後で、上の譜面の同じ場所(ぷろろーぐさんパート)も見ていたのですが、
流石にここまで難易度が違うと被る要素もほとんどなく気楽に作れました。
一方ぷろろーぐさんパートに入っていた速度変化はとても面白いと思ったので、
敬意を表して僕のパートでも採用することにしました。戻す方はあいすさんリスペクトで。
ぷろろーぐさんの譜面を見ていなかったらここの変速は入っていなかったはず。

メンバーがメンバーなので、下の譜面は実に7chat合作感のある譜面に仕上がりました。
上の譜面は7chat合作としては異質すぎるというか、
実質7chat合作に乗っかっているDiscord合作みたいなノリなのでしょうがないですね。
ツール難易度41、ノート数2356は7chatリレー合作としてはいずれも過去最高を更新。
とはいえ、楽曲自体の長さは十分ありますし、ツール難易度は37→41、ノート数は2175→2356と、
そんなに「大更新!」という感じでもなかったりします。
まあ、この譜面の難しさってそこじゃないので「それは、そう」という話ではあるんですが(

ゲージについてはapoiさんと慎重に決めました。
自分のテスト環境ではapoiさんに準拠する形でダメージ約20のノルマ制で設定していたのですが、
要求達成率を92%にすると僕にはクリアできませんでした(真顔)
90%まで下げたらどうにかなる、くらい。現行ゲージよりきついのでこのゲージなら余裕で★10だったことでしょう。
SKBさんパートが局所といえど要求地力的には★11くらいあるので、
さすがにダメージ20だとかわいそう、ということで現行のゲージになったという経緯があります。
(apoiさんからは「ダメージ12の92%」を提案してもらい、それに近いのが変動値3:30でキリもいいのでこれが採用されました)
下についても90%くらいはほしいよね、というところから2人で検討して変動値3:24に落ち着きました。ダメージ値は同じくらい。

この曲、(記号類を除くと)「Mallon Fille」という曲名なのですが、「Mallon」は「Marron」の誤表記だと思われます。
Ange;artさんの楽曲にはほかにも「なんちゃらFille」というものがあるのですが、
それらと比較しても「マロン爵」よりは「栗」の方が適切だと思うからです。
SoundCloudで公開されている楽曲のサムネイル的にもそっちの方があっています。

これは完全な余談ですが、FilleとFeuille(ミルフィーユ=Mille Feuille)を勘違いしていて、
栗を使ったミルフィーユ的なお菓子がテーマなのかなとか思ったら全然違ったという。
発音を確認すると、Filleはフィーユで、Feuilleはどっちかというと「フイユ」みたいな印象を受けました。
カタカナ語の罠。

名義「Dix;filles」
今回名義やらコメントやら難易度名やらは全部apoiさんと2人で決めたのですが、
全体的に苦労したというか、決まるまでひと悶着ありました。
この名義はフランス語で「10人の女の子」という意味で、それを作曲者のAnge;artさんっぽく表記したものです。
ディ・フィーユみたいに発音するとよさそうです。
(実際に作っているのは全体的に女の子ではないですがその辺は曲名由来なので勘弁してください)

表明コメント「お誕生日おめでとう! ケーキ買ってきたの。一緒にお祝いしよっ!」
名義がそういうのになったので、表明コメントもそんな感じになりました。
先述の通り、今回の合作は「11key生誕15周年」という点をフィーチャーしているので、
それを踏まえつつapoiさんと2人でいろいろ考えた結果「無難なライン」としてこのコメントが採用されました。
ぶっちゃけ今こうしてあとがきを書いている時に改めて文章にすると死ぬほど恥ずかしいんですが、
実際に考えていた時は2人して性癖暴露大会みたいなことをしてたんだから困ったものです。

作品コメント「11keyのお誕生会。栗のケーキに、15本のろうそくを立てて。」
こっちは地の文です(謎)
もとは表明コメントの方が作品コメントに回される予定で、表明コメントどうしようみたいな感じになっていたんですが、
作品コメントが現表明コメントみたいな形式になる場合、作品ページに書くフレーバーテキストは別に考える必要があったので、
それで考えたのがこれです。こっちはこっちでシュールな光景ですが気にしてはいけない。
このフレーバーテキストを考えた後に、作品コメントはこっちにして会話文は表明コメントの方に回せばいいんじゃないかと思ったので、
最終的にはそういう方向性でまとまりました。

難易度名「Sucré / Doux-amer」
apoiさん案。フランス語で「甘い(Sugary)」と「ほろ苦い(Bittersweet)」です。
スュクレ、ドゥザメルと読めばいいと思います。
名義含めフランス語に寄っているのは曲名がそもそもフランス語だからですね。


No.338「都市計画」(最終部 / 投下番号84)
apoiさんとの4回目のコラボ合作でした。

この合作の発端は、4月に行われた「第1回 多鍵DB変則スコアアタック」です。
だんおにではイベントに付随する形でスピードツイスターが開催されていますが、
それ以外の、しかも純粋に「スコアアタック」と言える内容の企画は超久々でした。
僕が知る限り、2015年11月の「多鍵力検定」(多鍵祭'15)以来ですね。

初回は多鍵DB掲載キーの中でも譜面数が多い、8 / 11W / 12 / 17 / 23の各キー種について、
☆2〜8までの広い範囲から12譜面ずつ、計60譜面が課題譜面として選出されており、
EXスコアベースの得点率に掲載難易度に準拠するボーナス点を加えたものを「(その譜面の)得点」とし、
高い方から5譜面分の得点の合計をプレイヤースコアとして競うというものでした。
自分の出来る範囲で難しい譜面に突撃し、そこでスコアを狙うと高い点数になるというシステムです。

Twitterなどでリザルトをリサーチしながら策定されたボーナス点の設計が絶妙で、
少なくともDiscordでは期間中大きな盛り上がりを見せました。
近年まれにみる、「大成功」といってよいイベントだったのではないでしょうか。

もちろん僕もそのスコアタに参加していたのですが、
僕程度の実力で上位勢に敵うわけもないので、自分のペースでプレイしてスコアを投稿し、
とりあえず570点(☆5のAPで114点)くらい取れればいいなくらいの感じで始めました。
どちらかと言えば、課題譜面60譜面のすべてのリザルトを投稿する方に重点を置く予定でした。

スコアタが始まってから少し経ち、どうも僕とapoiさんがいい勝負をしているっぽいのが分かってきました。
対応可能な適正レベルという意味では11Wを除いて僕はほぼapoiさんの下位互換みたいな実力ですが、
その分精度力にはそれなりに優れていたので、実力の差を精度で埋めるという典型的な状態になっていました。
実力のapoiさんと、それを精度(と11W力)でかわすizkdic。
2人の戦いは、徐々に熾烈なものになっていきました。

基本的に僕が上で、それをapoiさんが追いかける展開だったのですが、
引き離しても引き離してもapoiさんが食らいついてくるのです。
特に、イベント中にapoiさんが精度を取るコツをつかんでからはapoiさんの猛追がすさまじく、
どちらが勝ってもおかしくないというデッドヒートの様相を呈してきました。
そのころになると、「apoiさん(izkdic)にだけは負けたくない」とお互いにライバル意識をメラメラと燃やすようになり、
イベント中盤の見どころの1つになるくらいには激しいバトルを繰り広げました。

激闘の末、589点にどうにか到達したizkdicに対してついにapoiさんが587.89点で折れることになり、
僕の勝利が確定しました(その後、少し詰めて590点の大台に乗せたところで僕もフィニッシュしました)。
目標:570点なんかなかった。
apoiさんとの最終的な得点差は2.18、ICE CANDY SWORDの得点差が2.08だったので、
僅かに上回っていた11W力が勝負の決め手になったようです。本当に接戦でした。

この2週間、自由時間はほぼだんおに漬けで、ものすごく充実していました。
これほどまでにスコア狙いに躍起になったのはいつぶりでしょうか。
とはいえ、ここまで頑張れたのはひとえに実力の近い相手(遊び相手と表現されていた)であるapoiさんのおかげです。
そしてお互いに健闘を称え、合作することを誓い合ったのでした(???)。

というわけで、ストーリー性を持たせた書き方をしたのですが(何)、
実際のところは、スコアタ中にもう合作しようぜという話は出ていて、apoiさんから何曲か候補をいただいていました。
(スコアタ終了が4月23日なのにDoggoの話が4月18日に出ていることからも明らかですね)
いろんなジャンルの曲を出してもらったものの、その中でも「都市計画」がすごくいい曲で、
加えて表現面での幅も十分持たせられそうだったので、今回はこれで決まりとなりました。
アルバム「未来へようこそ」もいい曲揃いで14曲500円とかなりリーズナブルなので、
「都市計画」を聞いて青屋さんの曲いいな〜と思った方はこちらも是非。

前回は「11keyを作る」という目標のもとでいろいろと選曲で悩んだものですが、
今回はこの曲に対するキーのイメージがお互いに「11key」で一致しただけでなく、
自然に作った時の難易度も概ね一致するというかみ合いっぷりだったので、文句なしで11keyということになったのでした。

とはいえ、お互いが自由にやりすぎると細かいところでほころびが生じるもの。
少なくとも、apoiさんが目立つ音を満遍なく取って配置を構成するという作り方をされる一方で、
僕はフレーズ単位で極力取りに行く音を固定・棲み分けしたいと考えているため、
その周りで問題が発生しそうだという点については2人して織り込み済みでした。
結局Aメロ・Bメロについては1番は伴奏主体で、ボーカル拾いは2番まで取っておく、という方針を事前に策定しておき、
そのうえでお互いに想定難易度(★2〜3くらい、左手移動はアンゴラくらい)に近い譜面構成を探しました。
1サビはapoiさんが組んだら自然にハイブリッド譜面になるはずなので、
伴奏→ボーカルへと滑らかに移行できると踏んでいましたが、実際そんな感じになりましたね。

最近の合作を通じて分かったこととして、伴奏追いだと被ることがあるけど、
ベース追いの配置をするとほぼ被らないというのがあったので、
1番の個人パートはベース主体に追いかけています(それだけだと味気ないのでいろいろいれていますが)。
ベースは特段強い主張がない限りあまり譜面に反映されない要素だと思っているのですが、
僕自身ベース配置はすごく好きなので、今後もそういう配置を手癖で入れてしまいそうです。

合作部については前回同様に、拾う音や密度構成については僕主導で、移動についてはapoiさん主導で進めている部分が多いです。
イントロ後半とか、僕が最初に出した素案は移動的には結構味気ないものだったのですが、
それを(いくつか条件を提示した上で)apoiさんにアレンジしてもらったところ、
拾う音がほぼ変わっていないのに一気にapoiさんっぽい配置になったのが面白かったです。
彼はまさしく「移動で語る」の体現者でした。

前作はapoiさんの適正難易度(自然に作ったらそうなる、という譜面の難易度)より遥かに易しい譜面だったので、
細かい移動の意識とかは割と「なあなあ」で終わってしまった部分も多かったのですが、
今回は適正難易度ちょうどであることもあって、apoiさんの移動の考え方に触れられるところもありました。
まあ、基本的には「いろいろ試してテストプレイして最も良いものを探す」というものだったのですが、
配置構成の指針として興味深かったのが「ある移動をするために右手 or 左手はこの時刻までにこの位置になければならない」というもので、
そこから移動強度(速度と距離)の強弱を踏まえながら細かく移動を構築しているさまが見て取れました。
自分の作り方とは全然違うので、今後に活かせるかというと難しいですが……。

apoiさんの譜面は左手移動や右手移動がダイナミックに決まる一方で、
譜面の認識が難しいと感じる部分も多く(今回の合作中にもそれは感じた)、
そういうところにも多少はアプローチできたかな、というのが今回の合作の所感でした。

今回は多鍵図書館名義合作としては初めて、apoiさん側で公開してもらっています。
バランスの良い譜面になったこともあり、ランキング対応したほうが面白そうというのがあったためです。
せっかくなので、僕のスコア機構も取り入れてもらうことにしました。
(僕のスコア機構は基本的にどこでも稼働させられますが、apoiさんのランキングは無理です。
 まあ僕がレンタルサーバをスタンダードプラン以上で契約していたら可能ではあったのですが。。。)

本作も作品調整は結構ギリギリで、スコア機構については17key Packageの方でも一悶着あり、
そういうのを経験した後だったので、少なくとも本作についてはシステム的な調整は問題ありませんでした。
どちらかというとstockForceDel関係の不具合で「なんで〜〜〜」ってなっている方が大きかったです\(^o^)/
※この不具合はver 33.2.0で修正されました
今はcustomjsを任意の個数導入できるので、僕のスコア機構に関係しているスクリプトだけ取り出して、
それをapoiさんに渡して適用してもらっています。この辺は拡張性の高さがうれしいですね。

僕のスコア機構は1ノートごとに「(パラメータと現在コンボ数から算出した点数)×(誤差フレーム数に準拠する倍率)」を加算するというもので、
他にない特徴としては判定よりも細かい部分で点数が変わるというものがあります。
イイどころか、Fast / Slowレベルでもスコアが変動しうるのが大きな特徴です。諸悪の根源とも言います。
すべてのノートをジャストフレームで取った時に理論値(本作の場合8588190点)になりますが、
人がプレイする限りそんなことはあり得ないため、事実上スコア上限が存在しないことになります。
もともと僕は精度プレイヤーで、難しくない譜面ならそんなに苦労せずに(今でいう)APを出せていたため、
それでスコア上限に達してしまうというのが物足りなくて、このスコア機構を導入したという経緯があります。

このスコア機構はティックルさんやCah-mさんのランキングにも載ったことはあるのですが、
当時とは「精度」に対する一部プレイヤーのモチベーションが全く違うので、案の定上位は魔界となりました。
現在1位のTarwilさん、2位のSKBさんの2名はそもそもAPを取られていて、
それ自体相当すごいことなのですが、
ならAPをとったらお二人のように854万点台に乗るかというのはまた別問題です(ほぼ無理だと思います)。
こういうのが見たかったと言えばそれまでですが、まさしく圧巻です。

表明コメント「対戦ありがとうございました!(in 第1回 多鍵DB変則スコアタ)」
合作経緯的に対ありは必須なのでこうなりました(?)

作品コメント「この街の一番高いところから飛ばす電波に乗って」
歌詞引用です。2サビのラスト。

難易度名「Developing」
建設途中の街並みをイメージしました。
イメージを出したのは僕で、言葉を選んだのはapoiさんです。


No.339「Eternal Super Hyper Ultimate Doggo」(第4部 / 投下番号62)
SKBさん、apoiさんと3人で作った作品兼、今回の問題児枠です。
その節は本当にすみませんでした。

この曲については、多鍵図書館合作の曲を決めている時に突如として出てきたものです。
「都市計画」は既に候補に出ていて、「izkさんからも何かあったらどうぞー」みたいな感じで、
候補をいろいろ検討中だった時期の話ですね。

この話があった4月18日というのは、かの変則スコアタの真っ只中で、
上のあとがきにある通り僕はスコアタにめちゃくちゃのめり込んでいて、apoiさんもまたしかり。
SKBさんはSKBさんで600点という大台を狙って相当なやり込みと分析を重ねていたため、
この3人は全員スコアタ中毒にあったと言っていいでしょう。
そんなわけで、期間中はDiscordのボイスチャンネルにかなり頻繁に入っていました。

ボイスチャンネルに僕とapoiさんの2人しかいない状況下でapoiさんが、
「形に出来たら絶対に面白くなると思うけど6分くらいあって手が出せない曲がある」
という話を切り出してきました。まあこのタイミングで切り出すというのは「そういうこと」でして、
その曲を僕も聴いてみたのですが、確かに曲はとても楽しくてかっちり作れば楽しくなりそうだと思った一方で、
6分という長さ以上に冒頭1分半ほどとラスト1分ほどに動きが少なく(テクノ系ならよくあるパターンですが)、
個人で作ろうとするとそこがきついし、ゲーム性という面でも難しそうだと感じました。

個人で構成するのが難しいなら合作で、作風を重ね合わせれば形になるんじゃないか。
理屈が挫折曲合作とそう変わらないですが、そんなこんなで合作にしたらどう、と提案。
別に僕ら2人でやってもいいし、もう少し人を集めてもいいし、その辺apoiさん主導でやればいいと思いますよ、と伝えました。
その結果、都市計画とは別に2人でやることになりました。
この辺ではコラボにするかリレーにするかとかは決めていなくて、番外みたいな感じでやってもいいよね、とか、
キーは11Wで、密度は高くなるかもしれないけどまあDB☆6くらいじゃない? とか、
その辺のことを半ばノリで話し合いながら決めました。

「Eternal Super Hyper Ultimate Doggo」は、もともとはNakaiankowさんのBMS曲で、
SoundCloudで配信されているのもBMS版の音源です。
一方、今回使わせてもらったのはそっちではなく、アルバムに収録されているロング版(BPMや構成的にはこっちがオリジナルかも)。
この曲含めて8曲で200円という価格設定もさることながら、それをCreative Commonsライセンスで配信するという太っ腹っぷりです。
(まあ、視聴だけでいいならBandCampの個別ページからフルで聴けちゃうんですけどね)
この曲を聴いて、Nakaiankowさんの曲いいな〜と思った方はアルバムMazarineも是非どうぞ。

なお同氏はだんおにでは初出のアーティスト……ではなく、
apoiさんが「Bang your funny」という曲で作品制作しているのでした(Nakaith名義ですが同一人物)。

そんなわけでアルバム購入まで済ませて、じゃあ始めますか! となったまさにその瞬間、
ボイスチャンネルにSKBさんが入室されたのです。
それはもう完璧なタイミングで、多鍵図書館の合作中もしばしば語り草にあがるくらいでした。
(ボイスチャンネルでの通話内容は入室しないと聴こえないので、偶然以外の何物でもないんですが)

その後はまあとんとん拍子に「こういう合作を考えてるんですけどSKBさんも一緒にどうですか」と提案、
楽曲を購入していただく必要があるのでそれも含めて伝えましたが、当然のように2つ返事で承諾。
SSL(この3人+すずめさんによる合作名義)との差別化もかねて3人コラボありの形式が決まり、
改めて合作始動となったのです。

さて、本作の象徴的な要素は清々しくブッチされた想定難易度にあるのですが、
Mallon Fille(上)や天空の六分儀(7ikey、11key)と大きく異なる点として、
初手(僕)はちゃんとDB☆6想定で入り出しを作っているというところです。
上位譜面(以降Uiltimate)の初手は最終的に後ろに見合う程度には強化したのですが、
原案は下位譜面(以降Hyper)の初手にそのまま残っているのでそれを見れば明らかです。
あの入り出しをしてどうしてDB☆8(新基準)になるのか、よくわかりません(真顔)

よくわかりませんといいつつ、個人的な分析を記載します。
1つ目は作品コメントでapoiさんが触れられている点ですが、
個人差や制作者補正により、後続作譜者が手前の難易度を高く見てしまい、
それに見合う配置を作成→後続作譜者が手前の略、を繰り返して難易度が増幅されるということですね。

今回だと、1:27あたりにあるSKBさんパートの[2S]や[L0]ですが、SKBさんによれば、
「この配置はニャル子さんにもあるからそんなに難しくはない」とのことでした(ニャル子さんはそもそも☆7だというのはツッコミ無用)。
しかし、僕は[2S]や[L0]はかなり苦手で難易度が相当高く感じますし、apoiさんはこの手の二次元的な配置全般を苦手とされているようで、
その結果後続のapoiさんパートはこの部分の難易度をapoiさんの感性で解釈され、難化しています。
iskbic→カボスパイとつながる部分も同じような現象が発生して、
カボスパイパートの素案が想像を絶する難易度になっていました。SKBさんがめっちゃナーフしましたがそれでも難しいですね。

2つ目は、想定難易度がメンバーのうちの誰かの「作りたい難易度」よりも低かったというところです。
今回であればSKBさんがそれにあたります。SKBさんによれば、この曲を最初に聞いた時点で、
DB☆6でおさまるビジョンが見えなかった、とのことでした。
(今から思えば、僕とapoiさんの2人で作っていても☆6で収まっていたかは極めて疑問が残る)
こうなった場合、仮に多くの部分で想定難易度を遵守したとしても、局所で「この配置入れたい」となった場合、
そこがきっかけで難易度が崩壊していく、というのは十分考えられる事態です。
Candy Bass('22 Winterに出したぷろろーぐさんとの合作)でも同じことが起きていますね。

3つ目は、一旦上がった難易度を下げる手段に乏しいという点です。
自分がまあまあ曲的に盛り上がるところの作譜を担当していて、手前を見ると想定難易度をオーバーしそうになっていた。
この状況で、「このままだと想定難易度をオーバーしちゃうから曲は盛り上がるけど自分のパートは抑えよう」となるでしょうか?
……ならないですよね。
普通は手前を受けて、「ここまでの流れに見合うように盛り上がりに合わせて難しくしよう」と思うはずです。
難易度を下げるには現実的には問題となっている部分を作り直すしかありません。
一方難易度を上げるのは簡単です。君は密度を上げてもいいし、難しい配置を入れてもいい。

そんなわけで、「難易度を上げうる要素」はいっぱいあるけど、「難易度を下げうる要素」は僅か。
各制作者が超過しないように細心の注意を払うくらいしか対処法がありません。
アンゴラたちの踊りのように、難易度超過したらその都度相手の配置をRejectするという強引な方法もありますが、
 これはあくまでapoiさんが想定難易度の超過を自覚した上で割と自発的に直してくれたからできたことで、
 長年7chat合作のディレクターをやった身としては相手の配置をRejectして作り直させるのは非常に心が痛むのでおすすめできません)

今回の合作で問題になったのは、それがきっかけでSKBさん以外まともに配置を吟味できないくらい難化したという点ですね。
SKBさんがめちゃくちゃ配置や難易度を吟味してくれたのでどうにか事なきを得ましたが危ないところでした。
後半はすごいですがSKBさんが打てるor想定運指が見えるレベルまで抑え込まれています。
(しかしそもそもSKBさんはDB☆9適正の実力者なので、実際の難易度はお察しの通りです)
そもそもコラボ合作でそうなってしまうのはまずいので、今回は反省点が多かったです。

僕側の反省点は想定している難易度曲線をお二人に伝えていなかったことですかね。
ここが一番難しくなる、ここは手前より易しくなる、という認識の部分です。
曲の盛り上がりの解釈が人によって異なることも十分あり得ますので、そこを共有しておくべきでした。
あと、あまりに難易度が上がりすぎた結果感情的になりすぎてしまった場面がありました。
それについては本当にすみませんでした。
(これは結果論ですが1:29までできた時点で一度ストップをかけておけばよかったなあと思いました。
 僕が譜面を見るのが遅れてしまい、確認できていないまま1:51まで進んでしまい取り返しがつかなくなったので)

……そんなわけで反省の多かったUltimate譜面ですが、これだけで提出するというのはどうしても避けたかったので、
リレー形式で☆6くらいの下位難易度を作りませんかと僕が提案して結果できたのがHyper譜面です。
上の反省を踏まえて作っているので各自自重しているのはまあいいのですが、
今度は「ネタ切れ」という別の問題が付きまとってくることになりました。
曲の繰り返しもさることながら、フレーズ内の各伴奏要素もほぼ1小節単位の繰り返しだったのが厳しかった印象です。

ここで似たような配置を繰り返してだれるくらいなら、難易度を上げてパターンを増やしたほうがいい。
そういう風にSKBさんは考えられていたし、僕もそう思いました。
後半で難易度が上がっているのにはそういう裏事情があります。
とはいえこちらはかろうじて「相応」くらいに収まっていることに期待したいです。

余談ですがUltimate譜面の3人合作パートの作譜時、
ある部分の声ネタを拾いたいと僕がごねて、結局こちらでは難易度構成との兼ね合いで見送らざるをえなかったのですが、
Hyper譜面でその部分を担当したSKBさんにごねた内容を拾ってもらえてうれしかったです(殴)
自分が担当しているなら間違いなく入れていたんですがこのシャウトが出るところ2つとも担当外になっちゃったんですよね。。。

Ultimate譜面は難易度と2人・3人合作パートを含むボリューム。
Hyper譜面は普通のリレーですがネタ切れとの戦い。
この合作は総じて「大変だった」という感想につきますね。
次はもう少し合作らしく振舞える難易度でやりたいです。

延々と反省点を述べてきましたが、譜面自体はどちらも面白く仕上がっていると思います。
Ultimate譜面は要所がすごいので鑑賞目的でも使えるかもしれません(何)
「面白い譜面になりそう」というapoiさんの予想はまさしくその通りになったのでした。
難易度以外は完璧。

名義「11-sided dices」
11面ダイスの意です。ちなみに実在するようです。
もともとUltimate譜面のノート数が3156(3050+106)だったので、3156→さいころ→Diceという連想ゲームがあり、
加えてDiceはizkdicを部分的に含んでいるし、SKBさんは「ダイスを使うゲームをよくプレイされている印象があった」(apoiさん談)ことから、
apoiさん要素として11keyから11を取ってきて、11面ダイス→11-sided dicesという名義になりました。
Ultimate譜面はその後のapoiさんの譜面修正でノート数が3200(3100+100)になりましたが、
名義は変えず、そのままにすることに決まりました。

表明コメント「11面ダイスを3つ振り、出目の合計が3以下であれば想定難易度通りに作譜が進む。」
内容としてはこの合作の進行を揶揄するものなのですが、
元々僕が(名義が決まった後に)「3d11」というコメント案を挙げていて(11面ダイスを3回振るの意)、
これだと人数がばれるんじゃない? というところからapoiさんが挙げてきた案が「難易度厳守:3d11 >= 30」。
で、この少し前に(会社のゲーム同好会で)「クトゥルフの呼び声」のTRPGをやってて、
それの行為判定が「○○以下なら成功」というものだったので(パーセンテージロール)、
≧30よりは≦3の方がいいんじゃない、ついでに実際の確率を考慮すると「1d11≦3」(※27%)くらいじゃないかな、
というところまで僕とapoiさんで決めました。
これをSKBさんに伝えたら、「1d11≦3」より「3d11≦3」(※1331分の1)くらいの方が面白いっしょ、という提案があったので、
それをルールブックの記述っぽく書き下してこうなりました。
「全くの不可能」ではないのが絶妙だと思います(何)

作品コメント「スーパーウルトラハイパーミラクルチワワ」
……結局曲名のノリってこんな感じだと思うんですが、
曲名を和訳してしかも声に出して読みたい感を維持して……というところで僕とapoiさんが四苦八苦していたところ、
SKBさんから突如飛んできた案がこれでした。元ネタは「スーパーウルトラハイパーミラクルロマンチック」
メンバーに大うけした結果無事に採用されましたとさ。
(なお、BMSでは「エターナルスーパーハイパーアルティメットワンコ」となっている)

難易度名「Hyper / Ultimate」
曲名からとりました。それぞれ言葉に恥じない難しさだとは思います……。


No.341「おひさまの匂い」(第2部 / 投下番号30)
apoiさん主催の「17key Package vol.2」に提出した作品です。
飛び入りを含めて、これが今回のイベントで唯一の「僕が1人で作った作品」になってしまいました。

まあこういう企画があったら参加したいよねというのは当然として(?)。
今回は夢の影響でiskbicが17keyになりましたが、僕はそもそも17keyがそんなに得意ではないし、
他のキーで作る選択肢等もいろいろ出てくるのでこの手の企画がないと中々「17keyを作るぜ!」とはならないんですよね。
企画参加者の他の面々を見ると、17keyを主力にしている方もいらっしゃいますが、
やはり幅広いキーで作る制作者にとっては「17keyを作るきっかけ」として非常に重要な企画だったんじゃないかなと思います。

で、iskbic合作で17keyで旋律表現がやりやすいということに気づいたので、
(ピアノでなくてもいいから)ソロ系の曲で入れないかな、と言うのがありました。
そういう曲で丁寧な旋律表現をした作品というのは僕の得意分野ですし。
曲を選べば難しい譜面も作れるでしょうが、他の合作に高難易度のものが多くて(特にDoggo)、
安らぎがほしかったので癒し系の曲で癒し系な譜面を作ることにしました。

作曲者ののるさんはピアノ曲をメインに作曲をされている方で、
この曲みたいなゆったりとした癒し系の曲が多いです(そうでない曲ももちろんあります)。
以前から何かの形で使わせてもらえないかな、と思っていたので、今回はとてもいい機会でした。

さて、こういう企画で17key好きの人たちが集まった場合、高難易度譜面は充実すると思いましたが、
逆に易しい方は手薄になって初心者お断りみたいになりそうという懸念がありました。
実際はちゃんと下位難易度もきっちり作られる方が多く、思っていたほど手薄にはならなかったのですが、
(むしろ「易しい」と「難しい」に二極化して中難易度が少なくなっていましたね)
それでも「初心者向け」といえるくらい易しい譜面はありませんでした。

他の方がどう思われているかは分かりませんが、
少なくとも僕はこの手の企画には最低1つ「初心者でも触れるくらい簡単な譜面」があるべきだと思っています。
そんなわけで本作の下の譜面はそういう作り方をしました。
それでもただの全音符譜面にはしたくなかったのでフリーズを感性で入れたり後半ほんのり密度を上げたりしています。
当然のようにパッケージ基準で難易度★1つが冠されました。そりゃそうだ。

せっかく★1つ〜5つの5段階評価をしているのだから、1譜面くらい★1つのものがあった方がいいじゃない。
まあ、そんな感じです。今後の同種のイベントにもこういうのを出しそうです。
(とはいえ、仮にこの譜面が無かった場合、これの上とGothic_Cuteの下が★1つになってた可能性はあるので、
 逆に難易度評価を実質4段階に狭めてしまった元凶かもしれません)

上がメイン譜面で、こっちはもう曲に対してとても忠実に作りました。
穏やかなピアノの旋律を味わっていただければ僕としてもうれしいですね。

立ち位置としては導入用の小作という感じなのですが、
この作品だけスコア機構を僕ベースのものにしてもらっていたり、
この作品だけREADY?の色を変えてもらっていたり、
この作品だけ選曲単品モード時のタイトル画面を弄ってもらっていたりと、
apoiさんにはものすごい例外処理をお願いすることになってしまいました。
嫌な顔1つせずすべてに対して真摯にご対応いただき、本当にありがとうございましたm(_ _)m

……さて、僕のスコア機構については「都市計画」のあとがきでも言及しましたが、
たとえFast / Slow(FS)が0個になってもスコアは終わりではありません。まだ上があるのです。
僕のスコア機構でFS0を取得してもなお上のスコアを狙い続ける粘着行為は「闇のゲーム」と呼ばれています。
よくわかんないところで1Fずれを起こしていつの間にか減点されたりするのでマジで闇です。

本作は極めて難易度が低く、そのうえでapoiさんのランキング掲載対象だったため、
やはりと言うべきか闇のスコアタが勃発してしまいました(爆)
最初SKBさんに焚きつけられて数十分粘着し、会心のスコアをランキングに登録したのですが(下の譜面)、
壮絶なやり込みの末、SKBさんに抜かれてしまいました。
ランキングに「1013234」という点数が登録されていますが、この譜面の理論値は「1015150」です。
これはスコア率99.81%を意味します。コンボ数が点数に影響するので1ノートあたりの重みは違いますが、
スコア率99.81%というのは81%のノートを±0Fで取った、というのと同義です(FS0の場合)。
わけがわかりません。マジモンの激ヤバスコアです。
点数にすると僕のスコアとの差は323点ですが、この300点はすさまじく巨大な差であることを強調しておきます。
(なお、上の譜面の理論値は「2225250」です)

難易度名「おつきさま / おひさま」
優しさみたいなのを強調したかったのでこういう難易度名になりました。月はこの曲には関係ないですが(
実は伴奏と一緒に左右分離で拾った、本当にピアノ譜みたいな上位譜面も作ろうかなと思っていて、
そっちは伴奏側の動きが基本的に繰り返しだったため断念したのですが、
もしその譜面が完成していたら難易度名は「おほしさま」にしていたと思います。


パッケージについて少し言及します。
最終的には参加人数6名、8作品、17譜面が集まりましたね。
参加者については順当というか、まあこういうメンバーになるよねとは思いました。
いわゆる「意外性皆無」というやつです。僕が一番意外性高いかも。
難易度についてはかなり幅広く揃っています。下はDB☆1から上はDB☆9まで。

パッケージ内の難易度表記は★1つ〜5つの5段階表記ですが、これは概ね
★1:とても易しい(DB☆1)
★2:易しい(DB☆2〜3くらい)
★3:ふつう(DB☆4〜5くらい)
★4:難しい(DB☆6〜8くらい、apoiさんがクリアできなかった譜面は★4以上)
★5:超難しい(DB☆9、本企画内で特に難しい譜面がこの難易度)
となっているようです。

初回の17key Packageでは、DB☆5のcold planetやSHIOKARAが★5つになっているため、
実質旧★4〜5は現★3で、今回★4以上がついている譜面は前作(for C除く)より難しいということになります。
今回は★4が6譜面、★5が2譜面あるので、実質半分くらいが前作の最上位譜面より難しいということに。
さすがにこの11年間でだいぶインフレが進みましたね。そして1人だけ11年分のインフレを先読みしているという現実。

企画内の並び順については、非常に納得感のあるものでした。
仮に僕が主催で並び順を考える立場だったとしても、
最初の3つはおひさま→Gothic→キャンディで、ラストはNEXT STAGE!!にしていると思います。
というか最初の3つの並びがこれ以上ないくらい完璧すぎるんですよね。
17keyにそんなに慣れていない初級者にとっては下側の難易度がDB☆1(、2)、2、3とステップアップになっていますし、
上級者だとGothicでウォーミングアップしてからキャンディ以降の難しい譜面へ取り組めるようになっています。

選曲ソースにおける楽曲プレビューも(一部以外)ちゃんと主題や特徴的なところを流すようになっていて、
17keyにこれほどまで音ゲーらしさを感じる日が来るとは思いませんでした。
提出した作品は小作ポジでしたが、この企画に参加できて心から良かったと思っています。

音ノコギリさんを呼べなかったのはちょっと残念だったかもしれません。
音ノコギリさんは今回17keyメインの個人作を2作提出されていますし、
17keyに定評のある方でもありますし、
たとえボス曲であってもきちんと易しい譜面を同梱してくれるという期待がとても大きいです。
音ノコギリさんを巻き込めていたらパッケージ内の難易度バランスももっと整ったと思われるので、
個別にアプローチをかけるくらいはしてもよかったかも。

名義「17key Package vol.2」
表明コメント「十七鍵祭 Returns ―開幕―」
この辺は11年前の17key PackageがDOKHに提出されたときの名義やコメントに準拠しています。
当時は「多鍵祭」ではなく「七鍵祭」だったので、頭に「十」をつけただけの「十七鍵祭」というのはかなりインパクトがありました。
今となっては17keyもネタキーではなくなったし、インパクトはさほどでもないですね。

作品コメント『「あの」17key Packageが帰ってきた!』
前回はDOKH、すなわち17keyというだけで「これはひどい」といわれる時代であり、
そういうイベントだったため作品コメントがルイズコピペでしたが、
さすがにルイズコピペ Returnsにはなりませんでした。
仮にルイズコピペで出していたら悪い意味で浮きまくっていましたね。


No.342「きゅるるる〜んキラキラ」(第1部 / 投下番号11)
ティックルさんとの13回目のコラボ合作です。
楽曲的にはあいすさんと被りました。8か月ぶり3回目。
ぶっちゃけ作り始めの時点であいすさんの作品は提出されていたのですが、
僕はそれを知らない状態で候補曲を出したし、結局「楽しさ」の魔力に抗えず。。。
とはいえ今回は「未出アーティストで曲被り」という事例があったのでこちらは地味でしたね。

Mallon Filleと同様、本作も11key生誕15周年という観点で企画された合作です。
ティックルさんは11keyを考えた方だし、僕はそんなティックルさんの作品と夏祭り2008にて対戦した因縁があり、
11keyを最初から知る人同士ではないとできない祝電作品もあると思ったので。
まあ5年前にも同じような理由で同じことをやっていますし、お互いに活動を続けていればきっと5年後にもやるんでしょう。

11keyは「Skyscape」という曲から始まったので、今回は「空」というキーワードで選曲をしようと思い立ちました。
それでSoundCloudやらDOVA-SYNDROMEやらいろいろと探し回りました。
これとは別に1曲好きすぎる曲があってダメもとで許可申請を送ったりしたのですが、
そっちは結局流れてしまったので改めて探してみることに。

……で、最終的に選ばれたのがハモおたさんのこの曲なのですが。
「空」というキーワードでDOVAを検索していたら、この曲のコメントにある「架空の」というところが引っかかってしまったのです。
なら無視すればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、なぜか曲名にひかれてしまい、
コメントを見ると「BGM素材でここまで激しい曲は珍しいと思います」みたいなことが書かれていて、
曲にも興味を持って聴いてみた結果それはもう好みど真ん中の曲で。
しかも11keyという枠組みだといい感じに楽しくできそうだったため、うっかり候補曲に追加されてしまいました。

ティックルさんには候補を3曲出していて、あとの2曲はちゃんと「空」要素のある曲だったのですが、
唯一空要素のないこの曲が選ばれてしまいましたとさ。めでたし、めでたし。
楽しくなりそうだったからね、しょうがないね。

さて、この曲は「架"空"のアニソンのカラオケ音源」というテーマで作られたものです。
一方で、構成的には本当にアニソンを模したものではなく、BGMっぽくきっちりループする仕様になっています。
とはいえ、1ループだけを取り出したら本当にカラオケ音源っぽくなっているので、
せっかくなので2ループ目頭をアウトロと見做して1ループ+少しの尺で使わせていただくことに。
アウトロとイントロが同じor近い形式になっている曲は結構あると思うので、
それっぽさを出せたんじゃないかなと思います。

曲のノリに合わせて譜面を作ると普通に難しくなってしまうのはほぼ自明で、
そういう構成なら左手移動も活用したいと思った一方、
ティックルさんとなら右手移動が楽しい系の譜面も作りたかったので最初から2譜面構成にする予定でした。
難しい方は(そもそもティックルさんが超高難易度の11keyを作られないので)普通にやればいいとして、
ティックルさんのほどほど難易度の右手移動譜面と言えば僕の中ではtwinkle star [Hard]一択で、
ちょうどBPMも同じだったので易しい方はこれくらいの難易度感で、ということに。

上は普通に作ると言いつつこっちの方が作るのに難儀しそうだったので、
とりあえず先に合作部素案を作ってティックルさんの出方を窺い、
中盤までできたあたりで下の合作部素案と自分パートを作る、という流れで進めました。
サビ以降の素案はティックルさんに一任していたので、一時的にバトンを全部ティックルさんにぶん投げている状態に。
個人パートは下はもうこれ以外ないみたいな感じだったのですぐでしたが、
上は結構苦戦しました。裏の伴奏がずっと8分だと思っていたら意外と抜けがあったり、
採譜していくうちにピチカートストリングスの音が気になってきたり。

ティックルさんからは先に下の素案が来たのですが、
これがもう「待ってました」という感じの期待通りな内容だっただけにテンション最高潮。
こっちのアレンジは本当に楽しかったです。やっぱりこういうやつの方が性に合っているんでしょうね。
上があるということもあって音追いとかを深く気にする必要もなかったので、
ティックルさんの移動を僕なりに解釈していろいろ自分要素をトッピングしていきました。
全体的に8分移動が多かったのですが、180BPMの8分移動は結構鋭いのでそこはほどほどにしつつ、
軽快に打てる配置を模索したつもりです。

ここまでできて、さて上はどうしよう、となるわけですが、
サビに16分のアルペジオとかがあるから密度的に困ったらそれを入れるとよさそう、という提案をした上で、
ティックルさんの構成を待ちました。その結果返ってきた譜面は現行譜面よりもう少し難しい形になっていて、
クロス移動等を含むものになっていました(回数はそんなに多くなかったですが)。
僕はこの譜面を左手移動までで作るつもりでいたので(※伝え忘れました)、いろいろと悩みつつ、
左手移動の範疇で取れるように配置を整えていきました。
結果、サビについては結構がらっと構成が変わってしまいました\(^o^)/
逆にアウトロはラスト2小節以外は原案を尊重しています。同時押し祭りなのも含めて。

難易度バランスについてはどちらの譜面もきれいにまとまったと思います。
短いのもあるし、難しい方は僕らだとこれ以上難しくするのは難しかったという側面もありますが。
下はAP済、上はどうにか理接できる程度です。
個人パートまでなら一度だけPF抜けしていますが、合作部が難しい。

表明コメント「運営です。」
……まあそのまんまなのですが、実は2人とも運営のイベントに本提出するのは初めてだったりします。
七鍵祭'10は僕が運営にいないし、そこから6年間は合作なし。
その後はティックルさんが単独開催されるようになり、その先のイベントにはいくつか合作を出しましたが、
僕が運営に入るようになった多鍵祭'21 Returns以降は全部飛び入り(場外乱闘内合作)のみ。
絶妙にかみ合っていなかったんですね。

作品コメント「11key生誕15周年おめでとう! ……あれ?」
「あれ?」の部分は選曲が想定外の事態になってしまったことを指しています。
Skyなんかなかった。

難易度名「きゅるるる / キラキラ」
曲名からとっています。


No.343「戦闘系06」(第3部 / 投下番号42)
蒼宮あいすさんとのコラボ合作です。今回で7回目。
前回同様(?)、提出した合作群の中では最後に始動した作品でもあります。
前回と違うのは、前回は真っ先に完成したのに対して今回はかなりギリギリだったことですね。。。

本合作が始動したのは7月1日です。この時点で僕は合作を9件動かしていました(17key Packageは除く)。
つまりあと1つで合作10作品。ここまで来たからには2桁の大台に乗せたい、そう思ったのですが、
リソース的には既に限界に近く、安易に始動させても相手に迷惑をかけるだけです。
この状況で合作を始動させても大丈夫なのは、もうあいすさんしかいない。
そんなわけで合作を打診することになったのでした。
つまりこの合作は数合わせだったのです。あいすさんには土下座不可避ですね。本当に申し訳ない限りです。
ちなみにあいすさんからは1分後に「しましょうか!!」と返事がきました(爆)。

曲については「この曲であいすさんとやるぞ!」という候補曲を手元に置いておいたので、
それを通してもらった形になります。この曲+あいすさん+7i、というのをやってみたかったんですよね。
前回は曲の長さが1分半しかありませんでしたが、今回は2分半ほどあり、
相変わらずループ曲ですがあいすさんとならなんとかなるだろうと考えました。
(1ループに編集すると1分ちょっとになってしまうので、それは微妙だったんですよね)

結果的には地味に(制作が)難しかったようで、それが本作の完成が遅くなる要因の1つになりました。
前回みたいに「その場のノリ100%で作譜できる」という曲ではなかったのが影響しているかもしれません。

「ツール20前後」という目標を掲げてスタートしたものの、
とりあえず冒頭をあいすさんに作ってもらったらものすごい密度になっていて、
(1ループで切るならまだしも)2ループ分作るなら初手これだと確実に窒息すると思ったので、
パート分けを調整してこの案を2ループ目冒頭に回し、初手は僕がもらうことに。
合作部(2回目のメロA以降)のあいすさんの素案は現行案よりだいぶ密度が低かったことを踏まえても、
ここで調整をかけたのは正解だったと思います。

2ループ目冒頭については、メロAでの制作者切り替えがきれいにはまるので(曲的に)、
合作部だけど制作者表示上はあいすさんパート、というようにしようかとも思ったのですが、
パーカッション追いのところがあいすさんの譜面としては「ありえない」構成になってしまったので、
その辺もろもろは諦めて実態に正直にいくことにしました。

どうもあいすさんがフリーダムに作ると5keyや7ikeyの「↑」が極端に少なくなってしまう傾向があるようです。
前回もそうだったし、今回も例にもれず素案の段階では「↑」がめちゃくちゃ少なかったので、
こちらで意識的に増やしました。↓でも↑でも問題ないところは優先的に↑にしたり、
今回は密度もだいぶ増やしましたが追加ノートについても問題なければ優先的に↑に置くようにしています。
(とはいえ「どこにおいても問題ないところ」なんてそう多くはないので限界はある)
ゴリラ以前はそういう傾向もないんですが、あいすさんの作風が変わったんでしょうかね。
そんなわけで合作パートは「↑」に注目するとその辺のドラマが垣間見えるかもしれません。

さて、この曲ですが極端に周辺情報がありません。曲名すら記号的で、曲自体も「戦闘曲」で完結してしまいます。
そうなると困るのが各種コメント類やら難易度名やら、その辺を決めるときです。
そんなわけで、戦闘曲つながりで他ゲームのネタを引っ張ってこれないかな、と考えました。
ぱっと思いついたのは表明コメント(ポケモン)です。しかし他につながることもなく。

ゲーム音楽好きの方なら未プレイでも名前を見たことがあるかもしれないのですが、
1995年にSFCで発売された「ミスティックアーク」というRPGがあります。僕は未プレイです(殴)。
本作で語り草になっている要素の1つに「独特な曲名のBGM」があり(BGM自体の評価も高い)、
コメント類を考えている時にふとそのことが頭を過ったので、
今回はそちらから全面的にネタを拝借することになりました(^o^)
※もちろん本曲とミスティックアークに関連性は一切ありません

提出コメントの「おれたちが相手だ!」は、
通常戦闘曲の1つ「さぁ、ちからみなぎる、おれが相手だ!」から。

作品ページ内にある前口上の「ちょっと手強いぞ。」は、
中ボス戦曲の1つ「洞窟の深淵で僕たちを待ちうけるやつらは、ちょっと手強いぞ」から。

難易度名の「Minions」(Minionは手先、眷属の意)は、
通常戦闘曲の1つ「闇の手先が、ここにもいたか」から。

そのうち、作品の構図が「VS Theoresuously」みたいなことになってしまい、
そういう意味では楽曲がどちらかといえば(通常戦闘よりは)イベント戦闘向けだったことも併せて、
イベントバトルなのに譜面が大して難しくない(それこそ「ちょっと手強い」程度な)のがいかにも僕ららしいとか、
ただの手先相手にこの曲は壮大すぎるだろとか、
別の方向へネタを広げることができたのでよかったです。

余談ですが、本イベントで開催されたアリーナバトルにて、
goeさんと僕が対戦した時に課題曲の1つにこの曲が選ばれたのですが、
goeさんが(一発プレイにも関わらず)2シャキンPFというすさまじいスコアをたたき出してきたため、
あえなく敗北しました。悪は滅びるが定め?(何)
制作時の自己ベストが2シャキンPFだったので、それを一発で出されるとさすがに勝てるわけがないですね。
最終的にはgoeさん2勝、僕1勝でgoeさんの勝ち。あとの2譜面については概ね予想通りの結果になったこともあり、
「戦闘系06ですさまじい精度を出したgoeさんが偉い」みたいなことになっていました。


No.344「天空の六分儀」(第2部 / 投下番号23)
SSL名義合作第2弾でした。
SKBさん、すずめさん、apoiさん、僕の4人はDiscordのボイスチャンネルへの入室頻度が高く、
経験的に突発的に生まれる合作って他愛ない通話から突然生まれたりするもので。
そう考えると第2弾もやむなし。現状は未定ですがきっと今後も出てくるでしょう(無責任)

前回は合作が発足してから希望キーを聞いたら、全員見事にバラバラだったのを面白がって、
それで4種のキー、4譜面のリレー合作をすることになったのですが、
今回は「SSL」というブランド(?)を意識して4譜面構成にする前提でいろいろ考えています。
特にキー種については、「提案キー」という形で世間には発表されているものの、
今回は「キー的な被りや類似要素」が出ないように調整しています(前回はたまたまそうなっただけ)。
具体的には、SKBさんの提案キーは最初15Bだったのですが、15Bは23の内部に完全に含まれているキーなので、
その後8→14というように提案を変更して現在の作品に至っている感じです。
(結果論ですがこの曲と14keyの相性がすごく良かったのでここは変わってよかったなと思っています)

他にも、
・キー提案者が想定難易度と方針と担当パートの希望を出す
・キー提案者以外のパート担当は他譜面と被らないようにする
・ゲージ設定はキー提案者のものを採用する
このあたりは伝統にしていきたいところです。
2回連続ボカロ曲、もっといえばキリズマの(キーボード)8が発端となった選曲になりましたが、これは偶然です。

僕は7ikeyを提案しました。SSLの中で「7ikeyは、いいぞ。」と言う担当になっちゃっていますが、
本当にこの曲で作りたいキーが前回と同じになってしまったのです。
(とはいえ、推しキーの1つなのは間違いありません。最近の高難易度化にはついていけていませんが)
また今回も良心担当になるのかなと思っていたのですが、
他キーの想定難易度が11keyが★4、14keyがDB☆5〜7、23keyがDB☆5〜6程度と全体的にマイルドだったので、
まあいいか、と「ツール20程度」という想定難易度を出したのでした。
最近は基本的なキーでもツール難易度より難易度表基準の難易度の方が伝わりやすい部分があるので、
併せて難易度表☆10程度という目安も提示しています。
最初は普通に作ったらこれくらいになるだろうと思ったのですが、今から思えば見積もりが甘かった感も。。。

パート分けの結果僕は14keyの初手担当になり、
DB☆5〜7という提示があったのでまあ☆6くらいを目安にすればいいかな、くらいの感じで初手を組み立てました。
経験的に初手を☆5くらいで組めば最終的には☆6くらいになるだろうという目測で。
ドラムの決めと14keyの角の相性がよくて、作っていてとても楽しかったです。
この時期はモチベーションも高かったので、速やかに作譜をして次に引き継ぎました。

そんな折、最初の事件が発生します。
★4という想定で開始された11key譜面の難易度がSKBさんにより華々しく破壊されてしまったのです。
SKBさんからは「想定は外れてるけど是非こういう配置をやりたい」という提案があり、
(SSLでは基本的にキー提案者がいろんな権限をもっているので、)
すずめさんにこの配置の是非が問われることになったのですが……。

すずめ「私は難しくてもいいけど全部SKBさんのせいにします」
SKB「ではこれでいかせてください」

こうして11keyの難易度が破壊されました。
この時、すずめさんが「じゃあ7ikeyも初手から難しくして難易度破壊するか……」とおっしゃったのですが、
7iの権限は僕にあったので「さすがにそれされたらリジェクトしますよ」と牽制。
11keyはその後順当に難化+アンカーがすずめさんだったので、結局★9くらいありそうな感じに。
すずめ「素直に拾ったらこうなるんだから★4とか言ったやつが悪い説はありますよ」

そうこうしているうちに第2の事件が発生します。
宣言通り、すずめさんの手で7ikeyの想定難易度が破壊されてしまったのです。
ツール20想定であるにも関わらず、最初の1分でツール17。
この後サビやらギターソロやらいろいろ控えていることを考えても余裕でツール40コースです。
「初手の時点で20超えていないからヨシ!」「これならまだ20台に収まると思いました」ということでしたが、
僕は「20台」ではなく「20程度」と言いましたし、難易度表基準の難易度も併記していたので以下略。

「想定難易度」って別に適当に設定しているわけでもなく、
「こういう譜面にしたい」というある種の希望のもとで設定されているものだと思うんですよね。
この時期、Doggoの作譜も進んでいて想定難易度が破壊されるのが確定していたこともあり、
内心では「想定難易度は蔑ろにせず守る努力はしましょうよ。。。」と悪態をついていました(Mallon Filleから目をそらしながら)。
初手から破壊するのはそもそも「守る気がない」ということですからね(Mallon Filleから目をそらしながら)。
……本当にMallon Filleでやらかしてしまったのが悔やまれます。
やらかしてなかったら大手を振って言及できるのに。

「リジェクトしますよ」と牽制を入れていたものの、まさか本当に華々しくブッチしてくるとは思っておらず。
Doggoのところでも書きましたがリレー相手の配置をリジェクトするというのはものすごく良心が痛むのです。
これが曲の後半で、手前から見ても明らかに浮いているようであれば
「もうちょっと難易度を下げてor上げてもらえますか?」ということもできなくはないのですが、
初手の場合はリジェクトの判断材料が想定難易度しかないわけで。
11keyのように後ろがそれに合わせる、ということもできるわけです。

結局僕はすずめさんの配置を受け入れ、難化を全部すずめさんのせいにして、
想定難易度を「ツール20→ツール40」「難易度表☆10程度→☆12程度」に修正し、
難しくする方向で舵切りしたのでした。
とはいえ、確かにせっかく7iでやるならこれくらい熱い方がよさそうだし、
事実なんやらで楽しい感じに仕上がったのでこれに関してはブッチされてよかったのかも、と思いました。

今回、SSLのルールに準拠してパート分けを行ったところ、
まさかの23keyアンカー担当になってしまい、戦々恐々としていました。
ぶっちゃけ本作の完成が遅くなったのは僕が23keyを放置し続けていたのが原因です(すみませんでした)。
apoiさんの難易度設定、初手の回し方、すずめさんの後続の配置と、「難しくしない」という方針で進んでいたのに加え、
SKBさんパートもギターソロは難しいですが、その後クッションが挟まれていて、
僕の実力でもなんとか(無理のない範囲で)ラストを作譜できる下地が作られていました。本当にありがたいことです。

ここまでお膳立てしてもらった割に作譜はやっぱり苦戦しているのですが、
23keyならではの構成を作れたかなと思います。
「数と記号のハーモニーで」のところは、モ(M)ニ(N)ーで(D)を含むシンメトリ配置にしています(??)
のばし棒をIに当てるとAlt要素が出てまるで打てなかったのでそこは自重。
ラストは例によってベース+αの構成になっています。ベース目立ってないけど。
ピアノは最初から簡略するつもりだったので、ノート数を見ながら簡略の仕方を考えました。

総じて、この曲はだんおにの合作向けだったと思います。めっちゃいい曲ですしね。
キリズマだと歌がないところが結構長いのでそこで困りそう、という感じ。

ゲージについては、7iは譜面が難しくなったのでノルマもまあまあ重めにしつつ、
ラストである程度回復できる譜面構成なので回復量をやや少なめにしたゲージを考えました。
11と14はまあいつも通りなので特に言及することはないのですが、
23については最初apoiさんからは「90%」を提案されていたのですが、
今回23が癒し枠になってしまったのでお願いして88%にしてもらいました。
88%でもDB☆5の相当上位のようなので、90%だったらDB☆6だったかも。

表明コメント「(警告マーク) 保護されていないダンおに」
保護されていない想定難易度。
前作の表明コメントとの対比でもあります。

作品コメント『「星、宇宙、天体の神秘。全てを解き明かさんとした、古代の天文学者のお話。」』
楽曲動画にあるコメントを引用させていただきました。

難易度名「Pulsar / Quasar / Theorem / Proof」
前作が歌詞から4単語取ってきたものだったので、今回もそうしようとしたのですが、
Pulsar、Quasar、Blazar、……あと1つ足りない! みたいな状況に陥り、
4人でいろいろ案出しをした結果、「宇宙」サイドから2つ、「学者」サイドから2つとってくることになりました。
前者はPulsarとQuasar。後者はいろいろ候補がありましたが、最終的に歌詞に出てくるTheorem(定理)とProof(証明)が選ばれました。
で、やっぱり宇宙というのはスケールも大きく難易度をブッチしても已む無し(???)ということで、
想定難易度をブッチした方に宇宙サイド、ブッチしなかった方に学者サイドの単語をあてはめて、
このような難易度名になりました。


No.345「Swifter Charge!!!!」(飛び入り / 投下番号E)
今回も場外乱闘がやってきました。といいつつ夏の多鍵祭では初めてです。
冬の多鍵祭はプレイヤーイベントを年明けに行う都合で飛び入り可能期間が長いのですが、
夏はお盆休みを利用して一気にプレイヤーイベントまで済ませてしまう傾向が強く、
乱闘できるほどの時間がないことの方が多かったんですよね。
今回は日〜火の投下日程に対してプレイヤーイベントが土〜日だったのでそこそこ期間があり(それでも短いが)、
こうして場外乱闘のくだりになったのでした。
まあ今回に関しては「なんで1日目終了後にこんな話が出てるんだ」ということに尽きるのですが。

発端としてはやっぱりぷろろーぐさんの「飛び入り作りたい」発言なのですが、
飛び入りを作りたいと言ったぷろろーぐさんに対し、
・曲が決まっていた→いんせくと!(多鍵祭'21 Returns)
・曲が決まっていない→DOVAランセレ合作(多鍵祭'22 Winter)
と、曲が決まっていようがいまいが場外乱闘になった実績があるので、
chipさんの「ちなみに曲は決まってますか?」という質問が完璧な誘導尋問になっていて本当に面白かったです。

現状この規模の合作のとりまとめができるのがMFV2さんしかいないのですが、
MFV2さんは多鍵祭周りの時期は相当忙しかったようで。
この話が出始めた時にボイスチャンネルで「いいの? やるならやるよ? どうなっても知らんけど。」みたいな話をされていました。
話題が二転三転しているうちはMFV2さんはほとんど会話に参加されていなかったのですが、
ぷろろーぐさんが楽曲を投げようとしたその時、ぽっとテキストチャンネルに

「さよなら私のお盆休み」

というのが書き込まれてめちゃくちゃ笑ってしまいました。七五調で語感もいいし天才すぎ。
本人にとってはそれどころではなかったかもしれませんが(謝罪)。

しかしこの曲、採譜が相当難しく、また時間的にも冬ほど猶予はなかったため、
今回は「個人譜面は1人1譜面」という制限でスタートしました。
それ以外は「いんせくと!」の時と同じような感じで、作譜予定のキーと難易度をスプレッドシートに記入して、
作譜が終わったらエディタのオンパスとその他必要事項を記入して……という流れです。
この曲に加えて1譜面制限があるので難しい譜面が増えそうだと思ったらまさしくそうなりましたね。

さて、僕はというと合作が始動したその流れでSKBさんに合作を提案しました(殴)
SKBさんからも(スケジュールを軽く確認した上で)快諾をいただき、合作始動。
本当にこの2人は合作中毒者か何かですか?
とはいえ、投下期間はそっちに集中したい(ついでに僕としてもしてほしい)という話から、
16〜18の3日間でなんとかしましょう、という話になりました。

キーについては、SKBさんによって「まだやっていないキーの中から」9Aがチョイスされ、
9Aという選択は僕のイメージにも合っていたので、キーは問題なく確定。
難易度については☆12+(易)くらいじゃない? ということから、とりあえずツール30〜40くらいに設定されました。
パート分けを済ませて個人パートはギミックを入れられそうな方をいただき、
初手合作部は僕の難易度イメージをSKBさんに伝える目的もあって僕始動で進めることに。
(16は世間的には平日ですが僕は休みだったので、時間的に余裕があったというのもあります)

ツール30〜40にするならこんな感じかな、という構成で譜面を作ってSKBさんに渡したあと、
余裕があれば難易度的に被らないし他の人もあんまり作りそうにない、
ツール10ちょいくらいで運指難の11Lでも作ってみようかな、とか思っていて、
SKBさんからの返答待ちの間に冒頭だけ作ったりしていました。

しかし、SKBさんから「自分の9Bと難易度が被りそうだから、これくらいにするのはどうですか?」と譜面提案があり、
それを確認したところ概ね僕が11Lで作ろうとしている密度展開に近かったことから、
じゃあ僕は個人譜面なしでいいや、唆してるのに個人譜面なしというのもネタになるやろ! みたいな感じで、
遠慮なく合作に集中することにしたのです。

ちなみに、この冒頭パートのSKBさんの素案を僕側で吟味して、双方の合意が取れた譜面があったのですが、
後ろが思った以上に難しくなってしまったことから冒頭パートにもテコ入れが入って、
最終的に「僕が提案した譜面」「SKBさんが提案した譜面」「←を僕がアレンジした譜面」のいずれでもない、
完全に新規で相談しながら作ったものが最終的な譜面になっています。
難易度バランス、そしてその中で表現したいことについては、かなり慎重に相談して進めました。
話し合える時間は実質平日2日分しかなかったものの、本提出した2作よりも議論量自体はかなり多かったです。

ラスト合作部については通話しながらすり合わせていったのですが、
中々自分の中の「理想」を言葉にして伝えるのが難しく、ものすごく苦労しました。
SKBさんはその辺も卒なくこなしていたので、「SKBさん説明するの超うまいなあ」と思いながら合作していましたとさ。
僕は散々作り方が理論的と言われているし、自分自身そういう作り方をしていると思っているものの、
あれこれ考えるのは好きだし得意だけど口に出して説明するのはヘタクソなんですよね。。。

主に焦点になっていたのが「旋律要素をどれくらいの粒度で譜面に反映するか」で、
旋律側に寄せるところとそうでないところをバランスを見ながら区分けしていきました。
旋律に寄せすぎると逆に簡略やリズム譜にしているところへの流れが不自然になったりして、
「自然に作るより低い難易度でバランスを取る」ことの難しさを痛感。
ぶっちゃけかなりの力作なんですが影は薄いですね。致し方なし。

なお、この譜面ですが僕はAP取得済です。
SKBさんのAPは僕が変速で潰しておいたので(何)、現状iskbic合作で唯一、
「SKBさんが未APの譜面を僕がAPしている」という譜面になりました。
SKBさんに報告したら「やば」というコメントをいただきました。
しかし、その翌日に気合でSKBさんがAPを取得してしまったため、
前述の状況は1日で終了してしまいました(FSレベルでは僕の方が上らしいが)。


個人コメント「合作に力を入れすぎて個人作が間に合いませんでした」
事前飛び入りの提出が間に合ったらこのコメントで参加表明しようと思っていました。
(ただし今回は事前飛び入りのみ参加者は参加表明不要だったのですが。。。)
そっちには結局間に合わなかったのですが、役職付きの人が合作でしか参加していないというのは扱いが難しく、
「なんか一言だけコメントお願いできますか」と言われたので、満を持してこのコメントを流用しました。
ネタ的に面白くなったと思います。

作品コメント「さよならぼくらのお盆休み」
例のMFV2さんの一言が名言すぎたため流用されてしまいました。
個人的には、「私の」だったら「さよなら私のお盆休み」ですが、
「ぼくらの」だったら「さよならぼくらの盆休み」の方がなんか語感がよくて好きですね(どうでもいい)。

難易度名「Pair」
SKBさん案。2人で作ったのと9AkeyがもともとDouble Playだったことから。
今回1譜面縛りだったので、古の持ち寄り合作みたく「難易度名=制作者の名前」にするのもアリかなとか思ったんですが、
全体的にそうはならなかったですね。


作品についてはここまで。
ここからはイベントについて振り返ります。

今回は基盤となるデザインが実に7年ぶりに一新されました。
参加側からの使いやすさという観点ではおそらくそんなに変わっていないと思うのですが、
その裏で作品ページ作成に係る部分の多くで自動化が図られていて、
しかも他のイベント(たとえば多鍵祭'22 Winterのようなイベント)にも流用できるよう考慮された、
イベント運営者の負担を総合的に下げる逸品となっております。

サイトの中身としては、重要な部分やルール説明等において英語表記が併記されるようになりました。
これまでも海外のプレイヤーはいらっしゃったのですが、今年に入ってからはその傾向が顕著で、
だんおにのDiscordサーバのボイスチャンネルに入室される方がいらっしゃったり、
制作者としてデビューされる方まで出現するほどになりました。すさまじい変化です。
それを考えると最低限の英語表記は必要なんだろうなあとかしみじみ。

期間中の僕の役割は基本的には適正Adjustment値の調査と投下順策定、
あと作品投下期間中にX(以降Twitterと表記)での告知をやったりとかです。
投下にネタを仕込んでいたりするので投下中のTwitter告知は僕がやったほうがいいんですよね。
今回は初日にティックルさんが不在だったので、その部分では投下処理も僕が行いました。
公開先がティックルさんのサイトなので一見無理そうですが、
外部からファイルを操作できるPHPスクリプトを組んでいただけたのでそれも可能だったという寸法です。
(もとはスマホから更新できるようにするためのものだったらしい)

投下順については、ネタを仕込みはしたものの全体的には悩ましいところが多かったです。
特に、作品ごとのプレイ時間(時間×譜面数)が長いものと短いものに大きく分かれていて真ん中が少なく、
投下の重さを調整するのが難しかった印象です。
最終部も、作品数でいえば例年と同じくらいですがプレイ時間は短く、
結果的に終了時間が30分早くなりました(開始時間は同じ)。
最終部の投下については、意味合いはTwitter告知時の文章を見てもらえると流れはつかめるかも。
後半はストーリー重視です。Cieさんの16ikeyがびっくり要因になっていて面白かったんじゃないかなと思います。

今回は17key Packageと、新規参入者hsvsjさんによる影響で類を見ないほど17key譜面が多かったため、
イベントとしては17keyをフィーチャーしているところが多いです。
イベントのトップバッターは17keyですし、最終部にも17keyの投下枠を入れたりとか。

17key Packageについても、地味に作品規模がほぼ投下1枠分と同じ(プレイ時間約33分)だったので、
満を持して投下1枠まるまるそれに当てているという有様です。
とはいえ、17keyをそんなに遊ばない人もいるので、途中にこの投下枠を置いてしまうと、
そういう人が一時的に暇になってしまうことから、休憩前である各部の最終投下は確定。
第1部はWater Balloonsがいたし、第3部は塔があったし、第4部はボスラッシュにするつもりだったので、
第2部ラスト以外入れどころがなかったのでした。

投下枠で苦労したところをいろいろ上げていきますか(誰得)
まず、今回は'22 Winter同様あいすさんが曲被りを起こしてしまったので、第1部3回目に当てるつもりでした。
さらに、今回は曲被りがもう1組あったのでそれも含めて曲被り特集にすることを決定。
ところが、しょーでんさんのWater Balloonsは14番に置かざるを得ないし、
eXisTraceのきゅるるる〜んキラキラは11keyなので11番に置きたいというのがあって、
そうなると曲被り特集の投下番号を10〜13にする必要があって、重さは40分。
初回投下(4作品、30分)は確定しているから、第1部2回目の投下枠は50分に対して5作品にする必要があって、……
みたいなのがありました。まあこういうことを考えているから投下順決定に難儀してるんですが、
その中で投下枠内の時間調整が思った以上に難しかった印象です。

他にも、SKBさんのPiPiPiMorningの処遇をどうするかも悩みどころでした。
2〜3日目のトップに向いているといえるのですが、この時点でイベントトップが僕とSKBさんとの合作に、
大トリがSKBさんのもう片方の作品になることが決まっていたため、
流石にこの状態でPiPiPiMorningを各日トップにはおけないだろう、じゃあどうしよう(汗)
みたいな感じです。第3部ラストの出航→塔への挑戦の投下枠に組み入れるのを思いついたのは割と偶然で、
長月さんの東京ヴォイニッチホテルも各日ラスト属性を持っていない作品だったため、
併せていい感じに投下枠の中に組み込めてほくほくでした。

同じような理由で、庶民のお茶会も本来は23番に置きたかったのですが、
これをやってしまうと1日目も2日目も初回投下でiskbic合作が出てくることになってしまい微妙、
というわけで断念しています(23番へはもう1つの23key合作をあてはめました)。

前回はネタに走った結果ショウタさんの残作品を一気に全放出してしまう失態をやらかしたので、
そういうのが起きないようには注意したつもりです。
その辺を気にしつつ、作者ごとのバランスもキーのバランスも考えて、ネタを交えつつ組み立てていきました。
今回は苦労はしたものの、最終的にはとても満足のいく投下順になったと思います。

そんなわけで、恣意的な並びをした作品などは以下の通りです。

5. Alice in 冷凍庫 / いしころ
条件:5key作品であること。

7. Reinforced Soul / goe
条件:7key作品であること。

9. Plus Ultra Cloud 9 / 長月
曲名より。

第1部・第3投下(10〜13)
曲被り特集。

11. きゅるるる〜んキラキラ / eXisTrace
曲被り特集、かつ11keyなので。

14. Water Balloons / しょーでん
Water Balloonsなので。

17. Disco / hsvsj
条件:17key作品であること。

23. 天空の六分儀 / SSL
23keyを含む合作作品。ちなみに「東京百色眼鏡」と合わせてキリズマでのトラウマ特集になったのは偶然。

41. RENDA JOCEKY / しょーでん
テーマ:エイプリルフールより41番。

第3部第3投下(50〜53)
ホテルに宿泊→起床→出航→塔へ。

57. TON578 / 長月
曲名より。57か58のどちらかに置きたかったが57に置けた。

第4部第3投下(68〜73)
ボスラッシュ。'22 Winter同様最初の2作は5key→7key。

73. 想い川 / すずめ
番号に意味はないが、この作品はネタ的にもボスラッシュのラスト以外ありえないっしょ。

77. Lull / 蒼宮あいす
条件:7key作品であること。
最終部でなければ迷わずに「Dragonflight*7777 / カボスパイ」を置いているのだが。。。

★Neverending / chipが最終部初回投下なのについて
optic chæinと同じ投下位置。
本曲にもoptic chæinのアレンジ部分が含まれているし、コメントでも言及があるので。

★BLACK NOTE / Lyra Averyが最終部前半ラスト(休憩前)なのについて
ネタばらしがあるため、ネタばらし後の雑談可能タイムがあった方がよいと思ったので。
まあ、こんなところで意味ありげに1作品だけぽつんと出てきているあたり、
「何かある」と思われた方も多そうではあるが……。


アリーナバトルについて。
長らく、多鍵祭では投下終了後にプレイヤーイベントとしてスピードツイスターを行ってきましたが、
今回はSKBさん主導でアリーナバトルが開催されました。
スピツイ以外のプレイヤーイベントは多鍵力検定(多鍵祭'15)以来で8年ぶり。
4月にあった多鍵DB変則スコアタも併せて、時代の移り変わりを感じますね。
僕が運営でなかった時期のスピツイと同様に、多鍵祭に付随する形での企画となりました。
一応、僕もサポートスタッフとしてちょっとだけ関わりました。

ルールとしては、1対1のスコアアタックで、
まず彼我の実力やプレイヤー適正を考慮して選出された5譜面のうち、
お互いに「これはプレイしたくない(これで戦ったら負ける)」と思う譜面を1つずつ出します。
残った3譜面を順番に一発プレイして、それぞれEXスコア形式で算出された得点の高かった方が勝ち。
2勝以上したプレイヤーの勝利、というものです。

もともとDiscordのボイスチャンネルで、「だんおにでアリーナやってみたい」とか、
「だんおにアリーナするなら自分の持ち譜面は何か(※)」みたいな話が出ていて、
某日、実際にその場にいるメンバーで即興でやってみたところ想像以上に面白かったので、
いける! やります! みたいな感じになっていました。
※SOUND VOLTEXのアリーナバトルではプレイヤーがそれぞれ課題曲を挙げる

今回はイベントの枠組みで実施するため、対象譜面は原則イベント内からの選出とし、
プレイヤーが課題曲を選ぶのではなく、運営(SKBさん)が選出する代わりに1譜面BANできるというシステムでした。
SKBさんはこのイベントのためにスコア管理用シートや集計用のBotを開発されていたり、
イベント提出譜面についても傾向や内容を逐一メモされていたりなど、かなり積極的に活動されていました。
一方、SKBさんも参加したいということから、SKBさんが関わる対戦の譜面選出を依頼したいという話があり、
apoiさんと僕がサポート要員として参加していました。
(しかし譜面選出と司会進行を同時にやるのは無茶があったということで、途中から僕が進行役をしています)

一応、想定シナリオではSKBさんは「初戦で負ける」ということになっており、
「勝率30%くらいの譜面選出をお願いします」みたいな話があったので、
1試合目についてはapoiさんと相談して緻密に決めたのですが、
なんやらでSKBさんが勝ち進んでしまった(どころか優勝してしまった)ため、
2試合目以降の譜面選出がガバガバになってしまいました。
いくら手元に資料を置いているとはいえ、あの速度で的確な選出ができるのはマジですごい。

夕方に進行の流れや時間感覚をチェックするためにapoiさんとデモ戦を行い、
本番では1試合目にティックルさんと対戦し、2試合目でgoeさんと対戦しました。
(戦闘系06の項目で述べましたがこの譜面のスコア差でgoeさんに負けてしまったので、
 最終成績としては準決勝敗退、すなわちベスト4ということになりました)

デモ戦(vs apoiさん)で選出された譜面は以下の5つです。
 ・東京ヴォイニッチホテル[Challenge](5) ←izkdicBAN
 ・ベガロスト[Hard](11L)
 ・Highway Star[Hard](7) ←apoiさんBAN
 ・Stargazer[Hard](11i)
 ・星屑サラウンド-1chorus-[Super Hard](17)
これについては僕がBANする対象を思いっきり間違えています(譜面難易度を見誤った)。
11iでapoiさんに勝てるわけがないのでStargazerをBANするべきです。
BANをミスりましたが、17keyで意外に戦えたのでどうにかなりました。
(これがきっかけでBANの重要性を思い知ったので、僕にとっては大事な1戦でした)

1試合目(vs ティックルさん)で選出された譜面は以下の5つです。
 ・地嵐のユーロビート[Hyper](7)
 ・Everywhere[Hard(Lv.23)](11L)
 ・天空の六分儀[Theorem](14)
 ・想い川[Special](36p) ←ティックルさんBAN
 ・Swifter Charge!!!![Extra](Trans) ←izkdicBAN
僕のBANは即決でした。デモ戦の失敗を踏まえても即決できるレベル。
地嵐のユーロビートとEverywhereは問題なく戦えるので、想い川で惨敗してもそれは已む無し……
と思っていたらティックルさん側からBANされたので事なきをえました。

2試合目(vs goeさん)で選出された譜面は以下の5つです。
 ・稲田姫 ふぃーばぁ![Hyper](7) ←izkdicBAN
 ・戦闘系06[Minions](7i)
 ・きゅるるる〜んキラキラ[キラキラ](11)
 ・不夜城劇 -Freaky Pageant-[Memorial](11W)
 ・キャンディガール[Normal](17) ←goeさんBAN
こちらも即決。中級譜面ならワンチャンあるかもしれないけど★3相当の譜面でgoeさんに敵うわけがない。
実は不夜城劇もかなりやばい(僕の実力では単純に物量に追いつけない)のですが、
これのどっちかで負けるのは致し方ないですね。戦闘系で負けたのが悪い。
それにしてもこの枠は「実力差を制作者補正でどれだけ切り抜けられるか?」というコンセプトがわかりやすく、
選出がとても面白いと思います。

それにしても、'20の時のスピツイといい今回といい、
SKBさんが主催するイベントにSKBさん本人が参加すると優勝してしまうジンクスでもあるんですかね?
そもそもSKBさんがだんおにプレイヤーとして強い(幅広い多鍵をプレイできるし精度面でも強い)というのはありますが。

企画としてはかなり盛り上がったし、僕自身楽しかったので、
次のイベントでも実施されるかもしれません。


スピードツイスターについて。
今回、大幅なルール変更を行いました。
特に大きかったのは全体効果リセットカードの仕様変更でしょう。

これもDiscordサーバのボイスチャンネルで以前から話題に挙がっていたのですが、
効果リセットカードが引かれると逆転の目が極端に少なくなってしまうんですよね。
それは先手で引ければ盤石ということでもあるんですが、イベント的には逆転が発生したほうが面白いわけで。
SKBさんから、「たとえばNormalizeとかを%にするんじゃなくて、%に応じた点数に変えるのはどうでしょう」みたいな提案があって、
とてもよさそうだったので「%」をなくす方向性でルール変更を実施しました。COMBO Battleも同様。
MISS Battleはどうしようもなかったので、今回を以ってお役御免ということに……。

そういうルール変更を行うので、これを機会にといろいろルールを見直し、ブラッシュアップを図りました。
全体的に「例外処理をなくす」というスタンスにシフトしています。
あと、Mod 100がその場発動なのは今から思えば違和感しかなかったのでもとにもどしました。

例外処理をなくす、という点について。
たとえば、(Mod 100がその場発動じゃなかった時期の)旧ルールでは、
先攻がMod 100を引いた後に後攻がLower1111を引いた場合、
「例外的に素点を参照して」Lower1111が適用されるかどうか判断していました。
現行ルールでは、Mod 100が最終発動になり、Mod 100以降もスコアが残るので、
「現在スコアを参照して」Lower1111が適用されるかどうか判断する、「いつもと同じ処理」ができるようになりました。

他、Failedの扱いも変更しています。
今までは「これは有効」「あれは無効」みたいな感じで分かりにくかったので、「Failedは素点0」と定義することにしました。
この辺も分かりやすくなったはずです。

これらルール変更もあり、どうなるか多少不安もありましたが、
全体的にうまく(イベントが盛り上がる方向に)回ってくれたと思います。
PCの調子が若干悪くてマウスカーソルが消滅するという現象にみまわれ、
しばらく進行をストップさせたりSKBさんに臨時の司会をお願いしたりといったトラブルはありましたが、
全体的にはとても楽しくできました。今後もこの方向性のルールでいこうと思います。

今回は何名かが「一度打ってしまったタイポを修正しない」というスタンスでいたため、
ログが非常にカオスなことになってしまいました(何)
とはいえ、それ以上にぷろろーぐさんのタイポが強力だった印象です。
そのインパクトたるや、これが強力すぎて他の人がタイポしても誰も突っ込まないという異常事態。
さらに「ぷろろーぐさんが謎のタイポをした後にチャンスカードを引くと逆転or勝利してしまう」という謎の流れがあり、
今回もぷろろーぐさんには(面白さ、盛り上がり的な意味で)大いにお世話になることに。

以下、ログより抜粋+一部補足。

<予選第2試合、vs ふみのりさん>
izkdic「ぷろろーぐさんはチャンスカードを1枚引くことができます。引きますか?」
ぷろろーぐ「himsiyauz」 ※引きます、の意
(Short16を引いて逆転)
ぷろろーぐ「これShortjかん!!!!!!!!!」
chip「これが対p@おパワーってコト?」
apoi「私も今度からhimsiyauz採用しまsう」
ふみのり「himsiyauz唱えなかったばかりに」

<予選第3試合中>
ぷろろーぐ「mdo90riufre」 ※戻りました、の意
以下続々と「もどりました」
ぷろろーぐ「みんなもどってる、すご」
ぷろろーぐ「mdo90riufreしてるの私だけ」
すずめ「90ってなに」
すずめ「Oで3枚抜きか」
izkdic「それではこれより、chipさんとぷろろーぐさんの対戦結果を報告していただきます。 3 2 1 0」
ぷろろーぐ「mdo90riufre」

<予選第3試合、vs chipさん>
izkdic「chipさんはチャンスカードを1枚引くことができます。引きますか?」
chip「himsiyauzをhimsiyauzして」
(chipさんがScore+1500を引いて大差をつける)
apoi「やっぱhimsiyauzなんだよなぁ」
izkdic「ぷろろーぐさんはチャンスカードを1枚引くことができます。引きますか?」
ぷろろーぐ「himsiyauz以外しなきゃな」
ぷろろーぐ「ひみせふあうhj」 ※引きます、の意
ぷろろーぐ「cjhamces」 ※chance、の意
(Mod 100を引いて逆転)
SKB「もうhimsiyauzは古いってことか」
chip「時代に取り残されてしまい、すみおうhんらsん」

<予選第4試合、vs 長月さん>
(ボイスチャンネルにて、直前にタイポ=詠唱をすると勝てるというのが都市伝説なのではという話が出る)
izkdic「ぷろろーぐさんはチャンスカードを1枚引くことができます。引きますか?」
ぷろろーぐ「とし伝説だと思うんで今回は何もしません」
ぷろろーぐ「ひくけぢお」
ぷろろーぐ「chanc」
ぷろろーぐ「xchance」
(Ikasamaを引いて逆転)
izkdic「なんでこれで勝てるんだよwww」
ふみのり「これが天然ものか」
chip「何もしませんから3回何かしてるんだよな」

<第5試合、vs ショウタさん>
(この前に何戦か「タイポを詠唱→負ける」という流れがあり、タイポせずに普通にやったほうが強いのではという話が出る)
izkdic「ぷろろーぐさんはチャンスカードを1枚引くことができます。引きますか?」 ※ぷろろーぐさんは初めての先攻
ぷろろーぐ「ひきます」
長月「おおおおお」
ぷろろーぐ「cuhern」 ※chance、の意
ぷろろーぐ「chyabce」 ※chance、の意
長月「身体が勝手に詠唱してしまう」
(Mod 100を引く)
ぷろろーぐ「chanceに癖がついた」
izkdic「ショウタさんはチャンスカードを1枚引くことができます。引きますか?」
(ショウタさんがMiss Bonusを引く、そのままでは逆転成功だったがMod 100により失敗、ぷろろーぐさんの勝ち)

……と、こんな感じでした。
結局、ぷろろーぐさんは予選全勝で決勝トーナメントに進出するものの、
準々決勝にて無詠唱(タイポなし)でチャンスカードを引いた結果敗北、準々決勝敗退となったのでした。

ログ公開の告知をTwitterで実施した時に、
「mdo90riufreしたらhimsiyauzと言ってcjhamces!今回はなんとあのaodxnirwiaさんも参加しているぞ!」
という文章を載せましたが、タイポ部分はすべて今回初出のものです。
・mdo90riufre=戻りました
・himsiyauz=引きます
・cjhamces=chance
・aodxnirwia=aconite
なので、元に戻すとちゃんと意味が通じるものになっています(どうでもいい)


最後になりましたが、今回のイベントでのお気に入り作品を挙げておきます。
例によって1人1作品縛りで。

46. SHERRY FLIP / apoi
75. フードワゴン / 音ノコギリ
78. AetheR Forest / ふみのり
80. Yukata Taste / Twisted axes
82. センシティブ・ゴースト / いしころ
87. 星空の観覧車 / 長月
88. 歌声リフレイン / SKB

やたら最終部に寄ってますがまあそれはしょうがないですかね……
一番好きだった作品は「歌声リフレイン / SKB」でした。
曲が好きなのももちろんありますが、各種表現が的確ですごかったです。
(惜しむらくはゲージがきついので最後の作品をクリアできなかった人が出たかもしれないことですが、
 それは楽しさの本質とは違うところですね)

それでは、今回も長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
また多鍵祭'23 Winterのあとがきでお会いしましょう(遠い目)

 

2023/05/19(金)

本日をもって、だんおに制作者としてデビューしてから丸15年となりました。
あれからもう15年なのか。そら歳とるわ。

いつもは「こいつイベントも何もない変な時期にデビューしたよなあ」と思いながら、
特に何かのアクションをすることはないんですが、
今年は裏で進めていた合作が1件あって、それの公開を15周年の日に合わせてもらえることになったので、
このタイミングで作品公開、ということになりました。


No.333「キミにあげる!」
というわけでMFV2さんとの合作です。
MFV2さんとも付き合いが非常に長く、(izkdicという名前ではなかったが)スコアタに参加したことも含めると、
制作者デビューする前からお世話になっていたのですが、なぜか合作の機会はあまりなかったんですよね。
14年前に1度ノリでコラボ合作した後は、ぽっつべで1回、Plate Beatsで1回(ただしこっちはリレーだし没譜面救済)、
あとはMFV2さんの400作目合作で8小節だけコラボしたくらいで、
本格的に2人だけでだんおにの譜面を作るのは14年ぶりという有様でした。
(しかもMFV2さんとは7chat合作的なリレー合作という面でもあまり縁がなかった)

14年前は「Windows Live Messenger」とかいう古のツールを使って、
テキストベースで合作談義をしていたものですが、
今はDiscordで、テキストのみならず通話や画面共有も活用しながら合作できる環境が整っています。
本当に便利な世の中になったものです(しみじみ)。

さて、今回使わせてもらったwatsonさんの曲は、ねことかげさんが制作されたローグライクRPG、
「魔物娘と不思議な冒険」(通称まもけん)シリーズのタイトル曲として使われている曲でもあります。
もともとこの曲はゲーム内で聴いて、誰が作ったのかなーとかいろいろと気になっていました。
曲として好きなのはもちろんのこと、いろんな楽器がいろんな形がでてきて、
だんおにで譜面を作れば楽しい感じになりそう、というのがあったんですよね。
幸いにも、同作の攻略WikiではBGM情報(出典とか実際の曲名とか)が有志によってまとめられていて、
それでこの曲にはすぐにたどり着くことができました。

そんな折、まもけん2がSwitchでも発売されることが発表され、
実際に2023年2月2日にリリースされたのですが、
やっぱり2でもタイトル画面の曲は変わらず、謎の安心感があるのでした。

さて、僕がまもけん1を(本格的に)遊んだのはSwitch版が配信されてからなのですが、
MFV2さんはアーリーアクセス版(というか、開発途中の体験版)の時点からプレイされていて、
バグ報告等も積極的にされていたのは知っていました(というかそれで僕も同作を知った)。
そんなわけで、MFV2さんも巻き込んで合作できたらネタ的にも面白そうだし、
そもそもM-Ficとしてだんおにで合作するのも久々だったので、持ち掛けることにしたのでした。

案の定、MFV2さんは趣旨を楽曲の最初の1秒で理解してくださり、
合作やりましょう、よければ15周年の日に合わせてもいいですよ、となって、
正式に動きだすことになりました(いろいろあってここまでに2か月半ほどかかっています)。

譜面については、いろんな楽器が出てくる楽しさを出すには混フレが映えるキーの方がよさそう、
9Aか11かなあ、とりあえず9Aでやってみて余裕があったら11でもやりましょう、みたいな感じになりました。
この時点ではどっちがベストな選択肢かは分からなかったのですが、
11だと移動要素やAlt要素が出てきて混フレの表現面では枷になる可能性があったので、
最初に着手するのは9Aの方が適任だった印象です。
実際は9Aが思った以上に綺麗にはまったことに加え、この曲の作譜難易度が想定より高かったこともあって、
11の案は没になり、9Aのみでいくことに。

9Aはそこそこ作ってると思っていたんですが、9Aのコラボは初めてだったようです。
リレーはクソゲーメドレーAquariumがあるのですが。
7chat合作でも9Aが出てくるのはだいぶ後だったので、9Aはマイナーキーなのかもしれません。
(ぶっちゃけ12keyの方がよっぽど譜面数多いのでは、という感あり)

さて、せっかく混フレを重視したキーを採用したので、
どういう形で混フレにしていくか、どこで何を拾うか、というのが重要になります。
ラスサビのアコーディオンみたいな自明なのはまあいいとして、問題になったのはメロ部ですね。
ピアノ、パンフルート(っぽいシンセかもしれない)、トランペット、ピッコロ、マリンバ、ベース(シンセリード)、パーカッションなど、
いろんな楽器が出てきたり出てこなかったりするので、
2回のうちどちら側でどの楽器を拾っていくのか、というのを事前に決めておきました。
結果的に、1回目が表寄り、2回目が裏寄りになったので2回目を僕がもらうことに。
そのうえで、お互いの意見をまとめながらいろいろと調整しました。

一方、サビの方はその辺の制約が少なかったので、割と自由にやっています。
混フレ以外のところは結合意識にしたほうがいいだろうという方向性になったので、
1サビの配置は結構散らしています。ハモリを拾うところだけ左右分離に。
この辺は綺麗にまとまったんじゃないかなと思います。

合作パートについてはいろいろ相談した結果あんな感じになったのですが、
この部分の作譜については非常にスムーズでした。
イントロが一番まとまりにくかったのですが、それでも40分くらいの通話で形になっています。
ラスト4小節、音を拾うか拾わないかだけで同じくらいの時間もめた某合作とは雲泥の差です。
アウトロ部に至っては、とりあえずMFV2さんに先行をお願いしたのですが、
手前の配置を綺麗に集積した完璧すぎる配置が飛んできて参りました。
魔界だよの時の4人合作部をまとめ上げた時も思いましたが、MFV2さんの「とりまとめ力」はレベルが高すぎます。
結局合作部よりも、個人部の方向性どうしようとか、
リアルタイム入力っぽい音や装飾音符をどう反映しようみたいな、譜面の回し方で相談していることの方が多かったです。

なお、一部から怨嗟の声が飛んできそうな2回目メロラストのトリル複合ですが、
ピッコロを拾うという前提であれば(ここで何を拾うかは事前に決めています)、あのトリルは外すわけにいかず、
ここで強くなるパーカッション(スネアロール)も印象的となると僕にはこうにしかなりませんでした……。
個人的にはトリルよりも右手の配置に集中して、最後にDKに収束することを強く意識すれば、
割とうまくいきやすい感はありますが、それでも勝率(全イイ・キターで抜けられる確率)は2割弱くらいです。
自己ベストは1シャキPF。なのですがこのシャキンは難所と全く関係ないところで出したもので、
上述の難所の突破率もあり大変悔やまれるリザルトとなっております(白目)

まもけんを意識した選曲なのもあり、フォントはこういうチョイスしたいよね、という話はしていたのですが、
実装にあたる部分はすべてMFV2さんにやっていただきました(すみません)。
当初はフォント要素だけで、その部分の実装+制作者表示は譜面完成の翌日に完了していたため、
コメントに「MFV2さんが1日でやってくれました」的なことを入れていたのですが、
後に効果音等も入ってかなり豪華になったので、そのコメントはオミットされることに。
楽曲情報はあってもシステム効果音情報はなかったはずなので、いったいどこから探してきたのやら\(^o^)/

難易度名「Mysterious」
まもけんの英名が「Monster Girls and The Mysterious Adventure」なので、
MysteriousかAdventureのどっちかかなー、というところだったのですが、
Adventureは割と最近の別の冒険で使ってしまったため、今回はMysteriousの方になりました。

公開時コメント「だんおに職人たちを仲間にして、新たなジャーニーに出かけよう!」
まもけん2のSwitch版(Nintendo eShop)に書かれている、
『魔物たちを「仲魔」にして、新たな冒険に出かけよう!』という紹介文をもじったものなのですが、
正直すまんかった。

 

2023/03/26(日)

Dan☆Oni成人式、お疲れ様でした(やっぱり2か月遅れ)。
だんおに生誕20周年イベントの構想はずいぶん前から持っていたんですが、
いろいろあって開催告知が開催の2週間前という超強行スケジュールになってしまいました(謝罪)。
にもかかわらず、数多くの気合の入った作品提出をいただき、とてもうれしかったです。
本当にありがとうございました!

僕はオープニングセレモニーに1つ、23 2/3 Party! に1つ作品を出していたので、
それらをこちらでも通常公開しました。
以下、あとがき。


No.331「トロイメライ」(オープニングセレモニー / 作品番号OC-2)
「だんおに20周年にふさわしい」と思う作品を出す、オープニングセレモニー部門の参加作品。
ボカロ曲は合作で作譜することはあったものの、
個人で作ったのは多鍵祭'16に出した「blast smile」以来の6年半ぶりらしいです。
(一応スピカもこの手の曲ではありますが、僕の中ではこっちはカービィアレンジ曲の認識です)
そんなに作ってなかったのか……。

さて、今回の曲であるふうらいぼさんの「トロイメライ」ですが、
ずっと前から何度も聴いていたとてもお気に入りの曲の1つでした。
シャッフルのリズムが楽しくて、キャッチーなメロも相俟ってついつい口ずさみたくなるというか、
聴いていてとても元気がでる曲だと僕は思っています。
自分自身、マイナーボカロ曲を好んで聴いていた時期があり、
それもだんおに制作のモチベーションの1つになっていたため、
だんおに20周年というこの節目、この曲以外はあり得ないと思い、今回選曲した次第です。

脳内で譜面を空想することも幾度となくあったのですが、
このころから1番は5key、間奏はノートを置かずにキー変化して、2番は7key、
終盤は11key→ラスサビでアコーディオン(?)が入ったら11Lkey→9Akey(15A上段)という構想を持っていました。
まだDefeat,I DollトワイライトJourneyもなかった時代で、UNBALANCEがキー変化作品の代表格だったころです。
アコーディオンは11Lの上段でとりたいし、ラストは9A的な配置をしたかったのでこうなりましたが、
UNBALANCEの与えるイメージも自分の中で大きかったのかも。
最終的に、ラスサビの最初でもキー変化のアクションを入れたかったので、一旦5keyを経由させることに。

使用キーは15Aと同じですが、自分の中で作りたいものは「15A」ではなく「5→7→5→11→11L→9A」であり、
各セクションごとにやりたいことも概ね決まっていました。
その他は全体的にキーごとの特色を出していくようにしたつもりです。
ちなみに、必要なレーンを用意してそれを進行に応じて表示・非表示を切り替える形で実装しているので、
この譜面も内部上は36keyだったりします。
(地味にこのキー定義の部分が大変です。エディタ用のキー定義も別に用意する必要があります)

キー変化を実装するにあたって、goeさんのJourneyで使われているスクリプトをめちゃくちゃ参考にしました。
もとい、非常に整った形で書かれていたので9割方そのまま持ってきています(すみません)。
違いはフェードイン・アウトのアニメーション時間を固定ではなく引数にして変えられるようにしたところと、
ステップ位置移動のanimation-timing-functionをlinear(デフォルト)からease-outに変えたところくらいです。

また、キーコン画面でのカーソル位置制御のため、danoni_main.jsを2か所ほどいじらないといけなかったのですが、
この部分についてMFV2さんが「mainをいじらずにcustomjsだけでできる方法」を考えてくださり、
その結果mainを本作用に変更する必要がなくなりました。
本当にありがとうございますm(_ _)m

制作する上で特に厄介だったのがReverseへの対処でした。
Journeyは11keyや23keyから始まるので、これらのキーでReverseにする人は極めて少ないですが、
トロイメライは5keyから始まるため、Reverseは真っ先に使用される部分となります。
(最近は5や7をReverseなしでプレイしている人の方が少ない印象を受けます)
しかし、この時点でのソースでは、Scrollを縛ってもReverseだけは使える仕様になっていて、
かといって初見でReverseを使用されると見せ場の11key部分の印象が最悪になってしまうので、
どうしたもんかとかなり悩みました。

結局、「初見(=作品内容を知らない間)はReverseなしで遊んでね」というメッセージを出すことに。
最近のだんおには海外の方にも普通に遊ばれているので、まさかの英訳つきです。
普段のコメントは別に読まれなくても大して問題はないのでいいのですが、
「絶対に伝えたいこと」はちゃんと英語で書いておく必要があるなあと痛感したのでした。

実際はここまでやっている時点でふつうの5keyではないのは明らかであり、
7keyへキー変化した時点で(Reverse非推奨としていることから)11keyへのキー変化も読めてしまいますが、
それはもうしょうがないというかなんというか。

個人的に驚いたのは、最後の9A部分で15B的な移動をされていた方が多かったことです。
11と11Lの両方を手前に出しているので、順当にいけば15Bより15A的な解釈になるかなあと思ったのですが、
9Aは左右対称型、古い言い方をすれば「Type2」的なイメージが強いということなのでしょうかね。
極力分かりづらく理不尽な部分は避けたつもりでしたが、この部分は盲点でした。

……さて、作品の中身についての部分はこんなところなのですが、
今回は制作中に、本当にいろんなことがありました。
具体的には2回、制作をやめてイベントへの提出をあきらめようとしています。

制作期間中、ちょうど会社のサーバ機が大きなトラブルに見舞われていて、
それへの対処で土曜日(1月21日)の休日出勤が確定したところが1回目です。
日曜はおそらくそこそこの提出があるだろうと考えたので、
こうなった時点で、「あ、間に合わない、もう無理だ」と思いました。

この段階ではそんなに未練はなかったので、割とすぱっと諦めがつき(憤慨はしたが)、
先日のセール中に購入した「太鼓の達人 ドンダフルフェスティバル」を遊んでいました(何)
本作では演奏ゲームなどを遊ぶと経験値がたまっていきレベルアップ、
一定のレベルに到達したらストーリーの次のエピソードが読める、という形式をとっていて、
エピソードによっては途中で演奏ゲームが挟まることがあります(隠し曲もこれで解禁します)。
ここで遊んだ時のスコアは保存されないので、全良やフルコンボなどを狙う必要はなく、
おそらくただノルマクリアすればストーリーが進むと思います。

この、ストーリー中に発生する演奏ゲームで、「限界クリエイター応援歌」という曲を遊んだのです。
ジャンルはナムコオリジナルで、おには★×8ですがストーリー中でプレイしたのは「ふつう」でした。
ふつうなので、黄色連打もスルーしてまったり曲を聴きながら遊べました。

そして、プレイ中にふと「本当にこのまま諦めてもいいんだろうか?」と思いました。
せっかく表現したいことがあって作品を途中まで作ってるのに、このままやめてもいいのか?
やり遂げるべきではないのか?
僕は(締め切りに間に合わないと思ってあきらめたとはいえ)別に限界クリエイターでもなんでもなかったのですが、
この曲はその時の僕の心にめちゃくちゃ刺さりました。

1度しかないだんおに20周年という節目。やっぱり作品制作をやり遂げたい。
こうして、僕は制作の舞台に戻ってきたのです。
その後はモチベーションも高く、ずっと聴いていた曲というのもあってか作譜もスムーズに進みました。
特殊なキーなのもあってソースの不具合を踏んでしまいティックルさんに助けを求めたりしてしまいましたが(殴)、
ラスサビに差しかかるあたりまで来ました。

しかし、そんな矢先に迎えた金曜日(1月20日)。
先日のトラブルでファイルシステムが破損していたので、一度サーバ内ディスクをフォーマットすることになりました。
サーバはドメインコントローラとしての役割も担っていたため、慎重に手筈を検討し、設定をバックアップ。
事前にしっかり作業を洗い出しておいたおかげで、メンテナンス作業は順調に進みました。
ディスクをフォーマットしたら、設定ファイルを復元し、あらかじめ別所に取っておいたファイル群をサーバにもどして完了です。

「設定ファイルの復元に失敗しました」

セッテイファイルノ フクゲンニ シッパイシマシタ。
セッテイファイルノ フクゲンニ シッパイシマシタッテ ナンデスカ?
アアアアアアアアアアアアアア

というわけでなぜか設定ファイルの復元に失敗したため、設定をすべて手動で戻さざるを得ない事態に。
手始めに金曜は4時間ほど残業し、土曜日はデータ復元が終わっていなかったので出勤せず関係各所といろいろ連絡を取って調整、
日曜に改めて出勤してがっつりと復元作業を行いました。

金曜日は帰宅→夕食→風呂が終わった時点で0時を余裕で回っていたのでそのまま布団にダイブとなりましたが、
土曜日は(連絡で時間を取られたけど)全く時間がなかったわけではありません。
ただ、相次ぐトラブルに精神が参っていて、「もうだめだ……」となっていました。
月曜から業務できるよう、日曜は完全に復旧するまで作業する必要があるし、もうおしまいだ、と。

このあたりになると、それなりの作品数がオープニングセレモニーに提出されていました。
その作品を見ると本当にいろんなものがあり、いろんな人がいろんな形でだんおに20周年を祝福しています。
過去や歴史を振り返る作品から、未来へと思いを馳せる作品まで、本当にいろとりどりで。
これらの作品に、イベント主催である僕自身がとても勇気づけられました。
そして、やっぱり僕はこの場に作品を出したい。
いや、出さなきゃだめだ! 今やらなくていつやるんだ! ここで諦めたら未来に絶対後悔する!
そう強く思いました。

ここからの僕のモチベーションはまさしく異常でした(高さもそうだし、浮き沈みの激しさも異常でした)。
日曜は結局システムの復旧ができて、家に帰ってきたのは午後8時すぎでしたが、
謎の気力を胸に、僕は一心不乱に作品制作をつづけました。

そして、自分の中の万感の思いを込めた本作、「トロイメライ」が完成したのです。

正直、本作が完成したのは奇跡的だと思います。
終盤はほぼ気力だけで動いていたというか、こういうのを「底力」というのかなあとか。
そして、本作をこのイベントに提出できて本当に良かったです。
だんおに20周年を記念するにふさわしい。心からそう思える作品になったと思っています。

……なお、ここまでのドラマ(?)をぶち壊す内容になってしまいますが、
ちゃんとイベント告知直後から作り始めていれば、こんな限界スレスレの事態にはならなかったことを付け加えておきます。
燃え尽き症候群のことを完全にナメていました……orz

作品コメント「ダンおにの見た夢」
正直、本作のコメントは「夢」というキーワードが出てくればなんでもよかったのですが、
ちょうど蒼宮あいすさんが「Dream Overture」という作品で参加されていたため、
それにつなげる形でこういうコメントにしました。

難易度名「Reverie」
(楽しいことの)空想や夢想という意味を持つ語です。
普通の夢ではなく、少し「リズムゲーム」的なニュアンスを含めたかったため、
こういうチョイスに。


No.332「Square house」(23 2/3 Party! / 作品番号23-1)
こちらは'23年2月3日に23key作品を公開する企画、「23 2/3 Party!」の参加作品です。
多鍵祭で燃えた後にトロイメライで燃え尽きた後だったため、
この作品も制作開始までが非常に厳しかったです(^o^)
作品そのものの振り返りの前に、この「なんちゃらパーティ」の歴史を振り返ってみたいと思います。

そもそもの発端となっているのは、11月11日に11key作品を公開する突発型企画の「11/11企画」でした。
初回は2008年で、なんと11keyが生まれた3か月後にはこの企画があったことになりますね。
その後、2011年には「11」が3つ揃うため、イベント「11/11 PARTY!」として独立。
翌年の2012年6月に12keyが発表され、12月12日に「12/12 PARTY!」として一人寂しく12keyの日を祝いました。
序曲2を出したときです。この時はソースを改造して自力で12keyを実装しないといけなかったので一人なのはしょうがないですね。
(12keyは多鍵祭'15で日の目を見た後、その年の12月12日に「12/12企画」が開催されています)

この流れはここで終わったと思ったのですが、2013年1月3日にぷろろーぐさんが、
「13 1/3 Party!」(※ここからPartyが小文字になったようです)として13key作品を公開。
以降も14i15B16i17と別のキーで謎のパーティが開催されていきます。
2014年時点で14keyはまだありません。15Aは犠牲になったのだ……。
そして、2017年1月7日の「17 1/7 Party!」をもって、この流れに終止符が打たれるはずでした。
23keyが登場するまでは。

というわけで2020年8月に登場して以来、だんおにでは23keyが市民権を得るという異常事態になっており、
パーティの日付が2023年2月3日、すなわちだんおに生誕20周年の10日後となっていたため、
せっかくなのでDan☆Oni成人式に巻き取る形でイベントとして実施することになったのです。
14keyのダブルプレイで27keyが生まれた暁には「27 2/7 Party!」とかやってるかもしれませんね。

多鍵データベースの存在で、今のだんおにでは数多存在する多鍵作品を、「キー別かつ難易度順に」俯瞰できるようになっています。
12keyは多すぎるので別枠としても、11Wkeyや23keyは下から順に練習できるだけの十分な譜面数があるので、
熱意さえあればおそらく誰でも上達できる環境が整っていると言えるでしょう。
もちろん熱意、すなわち「やる気が出るか」という問題はあるのですが、
音ゲーの素養があるなら下から根気強くやっていけば相応のところまでプレイできるようになるはずです。
(あるいは、作ってみるのも手)

「うちゅうだいばくはつ」の発表時点ではNormalすら難しく、「何この無理ゲー」と思ったものです。
もともと17keyをスクロールAlternateでプレイしていたため、23keyの下段と中段をまともに見切ることが出来ず、
段ごとに端のキーの対応指が違う(下段のみ小指まで使用)というのも僕の混乱に拍車をかけました。
それでもその後作譜したり、配信やイベントで23keyに触れたり、
「ラセンナワタシ」をクリアしたい(もっといえば遊べるようになりたい)と思ったことから23keyを重点的に練習したり、
そうこうしているうちに少しずつうまくなっていく手ごたえを感じ取れるようになりました。
(この時点ではあくまで「少しずつ」でしたが)

DiscordのボイスチャンネルでSKBさんやぷろろーぐさんのアドバイス(この作品ならクリアできません?的なもの)を受けつつ、
いろんな譜面にチャレンジし、ついにDB☆5に手が届くようになったのですが、
その中で痛感したのは「自分は左右の混フレが苦手である」ということです。
7keyでも「左右別型が難しい」みたいなことは言われていて、僕は7keyはすんなり遊べるようになったので分からなかったのですが、
当時言われてた「難しさ」ってこういうことだったんだなあと14年越しに実感することに(殴)

というわけで、今回の「23 2/3 Party!」には、自身の苦手克服と称して、左右混フレ型の譜面を出そう、と思いました。
できれば、混フレする譜面が上位譜面で、混フレしない譜面も自然に作れるのが理想でした。
また、今回は前回のDOVAランセレ合作内合作で採用されなかった方の作曲者さんの曲で挑戦する気だったので、
それらを総合していろんな曲を聴いて回った結果、最終的に藍舟さんの「Square house」が選ばれることに。
藍舟さんはeXisTrace(終末世界)でティックルさんが引いた「草原の泉」の作曲者の方です。
氏の曲は民族調のものが多いので、「Square house」は割と特殊な立ち位置なのですが、
自分の曲の好みにはあらがえませんでした。

中盤は目立つパートが2つ並行して存在しているので、清々しく混フレできました。
それはよいのですが、全体的に音の聴き取りが難しかった印象です。
リズムが複雑なのはArrowVertexで(よほど極端でなければ)どうにでもなりますが、
音があるかないかとか、音階がどうかとか、それらの部分は自分の聴き取り力次第なので中々厄介です。
自分にとっての練習の位置づけだったため、苦手配置をこれでもかと織り込みました。
その結果、「僕はこういう譜面が苦手です」という謎アピールができる譜面に(^o^)

結局これで苦手を克服できたかというと、克服できませんでした。とはいえ、多少は苦手意識が減った気がします。
しかし、逆に「中段と下段の打ち分け」という別の苦手要素が顕在化することに。
ここは横一列17key力にも通じる部分なので、根気強くやっていくしかないですかね。。。

混フレしない方の譜面は大きく上下に分けて、
(一部以外は)素直な構成にするようにしています。素直じゃないところは大体思い付きです(殴)
個人的にはこちらの方が完成度は高いと思います。曲を聴きながら無理なく遊べる感じ。

Easyについては、曲がりなりにも通常イベントの中に23keyの異能集団が混ざることになるので、
あって損はないだろうということで作りました。
100ノーツにも満たない譜面を23keyで作る場合、ちゃんとレーンごとのバランスを考えないと、
最悪ノートが1つもおかれていないレーンが出来たりするので、その部分は注意して作ったつもりです。
それでも右手下段端(>)は1個しかノートがおかれてないんですけど……。

多鍵祭→成人式→23 2/3 Party! の一連の流れでそこそこ真剣に23keyと向き合ったこともあってか、
イベント終了時には☆5のほとんどがクリアでき、☆6の一部にも手が届く、くらいまで上達しました。
多鍵祭が終わった直後は「☆5がクリアできない程度の実力です」とか言っていたので、
多鍵DBのレベル1つ分は上達したことになります。
これくらい上達が肌で実感できるくらいになるととても楽しくなってきますね。

作品コメント「白くて四角い家に住みたい。」
作曲者コメントの引用です。
実は曲名のhouseは音楽ジャンルではなくマジの家でした。
このコメントがあったので、タイトル画面の文字色も白にしています。
(なお、このフォントが「マキナス 4 Square」なのも曲名由来です)

難易度名「Horizontal / Vertical」
内容的にはNormal、Hardでも全然アリだったのですが、
せっかく「家」が題材の曲なので、間取りというか「空間」を意識した難易度名にしてみました。
Horizontalは上下分離型譜面なので、横方向の線で空間が区切られているイメージ。
Verticalは左右分離型譜面なので、縦方向の線で空間が区切られているイメージです。


イベントについて。
1月24日の開催に対し、イベント開催告知を正式にやったのは1月8日(多鍵祭'22Wのスピツイ終了後)、
イベントページの正式公開は1月10日というとてつもない強行スケジュールを強いてしまったのですが、
それとは裏腹にイベントの具体的な内容自体はかなり早い段階で決まっていました。

すくなくとも9月17日に行ったプレイ配信内で、
・2023年1月24日に生誕20周年を記念してイベントをやる
・イベントは12key10周年などと同じく事前提出+その後の自由飛び入り型、期間は約2週間
・事前提出は「この作品こそ20周年という節目にふさわしい」と思う1作品のみ提出可能
・23 2/3 Party! を本イベント内で実施
このあたりの内容を話しています。
具体的なイベント名についてはこの時点では決まっていなかったようです。

ではなぜ1月に入るまで正式告知がなかったのかと言うと、ひとえに僕の怠慢が原因です。
本当は10月中くらいを目途に告知したかったのですが、
10月はEQUALINEのタイムアタックやスコアアタックをやっていたようです。
11月に入ってからは多鍵祭'22Wの作品準備で、いろんな方と合作をしつつ、
ポケダン救助隊DXを結構がっつり遊んでいて、何やらで時間がなかった模様(ダメ)。

その後、多鍵祭'22Wの作品提出締切以後は多少時間もあったはずなのですが、
イベント中に告知するのはなんか違うかなあと思い、スピツイ終了まで先送りにすることに。
(どちらかといえば年末年始は多鍵祭の作品を遊んだり、飛び入りしたりというのを楽しんでほしかった感があります)
スピツイ中ならある程度人はいるだろうし、この状態で告知するならここがいいだろう、とは思いました。
とはいえ、今回についてはスピツイ参加者はほぼDiscordのボイスチャンネルにも入っていたので、あまり意味なかったかも。

多鍵祭'22Wが完全に終了してから成人式の開催まで、2週間と少ししかない点については、
そっちの主催apoiさんからも懸念(開催しても大丈夫か、というもの)をいただきましたが、
成人式はそもそも50作、100作規模のイベントにすることは想定していなかったので、
いろんな作品が集まる「お祭り」としてのイベントはむしろ多鍵祭の方が相応しいと思っていました。
事前部門は1つしか出せないものの、通常部門も大量投下するような感じではなく、
多くても各部門1つずつとか、それくらいにしたかったというのがあります。
なお、燃え尽き症候群のことはまったく考慮にいれていなかったようです。

イベント名については、7ikeyや12keyの10周年の時と同じようにするとダサいよなあというのがあり、
なんかいい感じの名前にしたいな、と思っていました。
結局、冬空プラネタリウムの時のgoeさんのコメント「それでは、また成人式のときにでも呼んでいただければ幸いです。」から着想を得て、
Dan☆Oni成人式というイベント名にすることにして、各部門についても成人式をイメージした名称を付けることに。
23 2/3 Party! は完全に式場近くでやってる異世界のお祭りですね(何)

オープニングセレモニー部門は、1人1作制限の「お祝い」側面の強い部門です。
「あなたがだんおに20周年を飾るにふさわしいと思う作品」というのは(証明できないので)条件としては機能していませんが、
そういうコンセプトで作ってほしいな、と思っていたというのがあります。
一応24日にセルフ公開することも可能ですが、通常はこれがだんおに20周年のタイミングで登場する作品群になるので、
本イベントの花形といってもよかったでしょう。
この強行スケジュール+条件の中、この部門に11作品も集まったのは正直すごいと思いました。
(本当にありがとうございます)

内容としてはおおむね、「過去に思いを馳せる」「未来をイメージする」「誕生日(成人)おめでとう」のどれかor複合だった印象です。
「過去に思いを馳せる」についても、意識の仕方が人によって違っていてとても興味深かったです。
歴史だったり、過去の作風だったり、過去の企画だったり、Flashそのものだったり。
「未来をイメージする」については、「多鍵」「自由さ」「高難易度」が強調されていた印象でした。

この部門の投下順は、
「オープニング(1〜2)」→「誕生日or成人おめでとう(3〜5)」→「過去や未来をイメージ(6〜10)」→「総決算(11)」
となるように構成しています。
今から思えばトップは5key作品の方が良かったかもしれない。。。

Dan☆Oni成人式部門は制限なしの通常枠です。
……が、23 2/3 Party! が控えているので、この部門に作品を出すのは難しかったという方もいらっしゃるかもしれません。
全部門に参加された方(すずめさん、goeさん、ぷろろーぐさんの3名)は本当にお疲れ様でした。すごいです。
オープニングセレモニー終了後の最初の作品がティックルさんの「青春ナイフ」になったことで、
「荒れる成人式」とgoeさんがコメントされていたのが面白かったです(謎)

23 2/3 Party! については、事前提出だけで5作品集まっていました。
先の多鍵祭でヤバい23key合作を出されていた縁もあったので(?)、
SKBさん、decresc.さんから事前提出があればそれらの作品を2番と3番に置く気満々だったのですが、
幸いにもお二人から事前提出をいただけたのでそういう並びになりました。
1番については、いくら他者を寄せ付けない異能軍団だとしても、
最初くらいは(たとえ体裁だけでも)易しい作品を置いておいた方が、と思ったので、
一番易しい譜面が同梱されている作品を置くつもりでしたが、結局それは僕の作品となってしまいました。
図らずもいろんな方向で「練習に向いた譜面」が多く作られていたのが印象的でしたね。
考えることは一緒?

本イベント絡みで、Transキー(キー変化を含む譜面)にまつわる情勢が大きく変化しました。
具体的には、「視覚的にステップが移動する程度のキー変化」なら標準機能だけで書けるようになりました。
また、登場するキーごとに個別にキーコンフィグが可能だったり、Reverseの有無を設定できるなど、
利便性の部分も大幅に強化されています。
ぶっちゃけトロイメライくらいなら標準機能だけで書けそうな気がしなくもないですが、
本作については手を加えるつもりはありません。完成までの試行錯誤も含めて「作品」なので。
未来にキー変化譜面が増えまくった暁には、時代を感じる作品になるのかもしれません。


お気に入り作品は以下の通りです(1人1作品縛り)。
・No.OC-5「A Flower In The Snow」(長月)
・No.OC-10「僕が見た世界」(ぷろろーぐ)
・No.OC-11「Firm determination」(decresc.)
・No.SJ-3「おきらくシュガー」(goe)
・No.SJ-5「Defeat,I Doll」(ティックル、移植)

……え、ここまで言っておきながら23key側のピックアップはナシだって?
すまない。

一番好きだった譜面は、「僕が見た世界」(ぷろろーぐ)の7key / Hardでした。
'10年代に生きる者


イベントがあると界隈全体が盛り上がります。
多鍵祭みたいな大きなイベントは運営側の負担も非常に多いですが、
もっと小規模な、たとえば特定のキーのみをフィーチャーしたイベントなどは、
2〜3か月くらいの間隔で定期的に実施するのもいいのかもしれません(ダンぷちみたいに)。
願わくばもっといろんな方がイベントをできる環境になればいいのですが、難しいですよね……。

というわけで、振り返りを終わります。
2作品だと短く(当人比)済んで楽ですね。
では、この度はイベントにご参加いただき本当にありがとうございました!

 

2023/02/23(木)

多鍵祭'22 Winter、お疲れ様でした(2か月遅れ)。
今回もスタッフとしてイベントに関わっていました。
役割は主に投下順の策定と適正Adjustment値+難易度の調査。
一番大変な作品対応はapoiさんが全てこなしたので僕側の負担は少なかったです。

制作者としては、とにかく合作に力を入れるスタンスで臨みました。
最終的な作品提出数は、通常提出分だけで個人1+合作8、
飛び入りも含めると個人3+合作12の計15作品という異例の作品数になってしまいました。
しかも「合作に力を入れる」というスタンスがSKBさんとかぶってしまい、
SKBさんも通常提出分だけで合作を8作品(うち4つは僕も関与)もっていらしたので、
近年まれにみる合作乱舞イベントになっていましたね。
どうしてこうなったのか。

というわけで毎回恒例のあとがきタイムです。
今回もめちゃくちゃ長い(※約1600行、49000字)ので以下に目次を用意しました。
気になるところにジャンプする場合にお使いください。

01. CHINA GIRL
02. Unleash
03. カラスの背中に乗っかって
04. Phantasy Story
05. iskbic名義合作、統括
 05-1. blue blue blue
 05-2. グレイッシュブルー
06. Blue Garnet
07. Candy Bass
08. 今日もスタイリッシュに活動を始める
09. Trip Towards Night Horizon
10. poP!steP!!jumP!!!
11. DOVAランセレ合作、統括
 11-1. 夢色の時
 11-2. 終末世界
 11-3. 愛哀傘
 11-4. Rickshaw
12. イベント運営について
13. イベント作品について


No.317「CHINA GIRL」(第2部 / 投下番号27)
蒼宮あいすさんとのコラボ合作です。今回で6回目。
前回が9年ぶりだったのがうそのように、今回はイベント続投になりました。
今回僕が出した合作群の中では群を抜いてフリーダムだった作品です。
そのフリーダムさたるや、合作の中で一番最後に始動したのに一番最初に完成する始末。
曲が決まり、譜面を作り始めてから完成まで3時間半。
曲の短さを考えても異常です(しかもこれですら作業していない空白時間がある)。

あいすさんとのコラボはこれまで7iや7ばっかりで、
よくよく考えれば5keyでは1回もやってないからやってみたいよね、というところからスタートしました。
そうこう言いつつ、あいすさんは割とどのキーでも普通に作れる方なので、
とりあえず僕が5keyで作りたいと思う曲を選べば問題ないかな、という感じでした。
(でも僕が5keyしかないと思っていたUnleashをあいすさんは7keyで作ってるんだよな……)

あいすさんとのコラボを「あいすさんとのコラボ」たらしめるには、
ある種「如何にあいすさんの作風がはまりそうな曲を選び、フリーダム合作ができるか」といっても過言ではありません。
何を言っているのか分からないと思いますが、本当にそうなのです。
イメージは、「あいすさんの作風に自分の作風をブレンドする」みたいなものです。
個人パートはそれとの対比でかっちり作ることが多いです。
今回は僕の個人パートも感性全開の思考停止モードでいったので、フリーダムさが一層際立つ形に。

さて、今回使用させていただいた、えだまめ88さんの「CHINA GIRL」という曲。
非常にノリが良く、割と好きに同時押しや16分を入れても楽しくなる曲だと僕は思いました。
この時点であいすさんの作風に向いていると考えています。
1分半の中で同じ旋律を10回繰り返すという中々厳しそうな要素こそありますが、
あいすさんはよしなにやってくれると思ったし、10回のうち5回は合作部になるからなんとかなるだろ、的な。
実際あいすさんからは個人パートも合作パート素案も爆速で飛んできたし、
あいすさんの個人パートはあいすさんらしさ全開で思わずにっこりしてしまうほどのものだったので、
多分間違っていなかったのでしょう。
※なお、えだまめ88さんはいろんな曲を書かれていますし、中には歌ものや、歌い手の方との共作があったりします。
 この曲は若干特殊な立ち位置だと思います。

曲を提案したのが11月1日の21時18分。
その後いろいろ決めて作譜を開始したのが同日21時40分。
そして譜面が現在の形になったのが同日24時55分。
どういうことなの……?

ちなみに、ノート数についてはあいすさんから600に揃った状態で素案が飛んできたため、
それを維持しようかと思ったのですが、
調整を進めるうちに1つ減って599になってしまったので、最終的には599に合わせる形になりました。
あいすさんとの合作でフリーズが0になったのは実は初めて……というか、
7chat合作式レイアウトを使った作品でフリーズが0になるのがそもそも初なのでした。

表明コメント「自由」
DeepL翻訳で、英語のFreedomを中国語の簡体字に直したら「自由」だったため、
それがそのまま採用されました。というわけでジユウではありません(謎)
zìyóuと発音するようです。

作品コメント「你好!」
まあ中国語といえばこれだよね的な(?)
ちなみに時間帯を問わず使える表現らしいです。こんにちはとは限らなかった。


No.318「Unleash」(第1部 / 投下番号9)
実はずっと前からやってみたかった長月さんとの合作です。
なお選曲的な意味ではあいすさんと被りました。Colorful Course以来となる10年ぶり2回目。
なぜ被った、としか言いようがないですね。やはりあいすさんは曲被りの名手であったか。

なんやらで長月さんとは作風が近いというか、譜面の作り方が近いと常々感じていました。
音(含音階)に沿うこと、展開性を重視すること等々。
難易度はこと最近は難譜面や発狂譜面ばかりですが、結局それも選曲によるものが大きいだけで、
本質はそんなに変わらないんじゃないのかな、という思いがありましたね。
実際は僕よりは長月さんの方が難しくなりやすいと分析できる明確な相違点があったのですが、
配置の好みとかはやっぱり近かったんだな、と実感することになりました。

SHUNTAさんの曲は、なぜかSugary Popだけ最初に知っていて(偶然の産物です)、
それからしばらくして全曲聴く機会があったのですが、
この曲に心をブチ抜かれてしまいました。SHUNTAさんの曲はいいぞ。
雰囲気やテンポ感がとても5keyに合うと思ったので、
5keyで譜面を作りたい、もっと言えば「長月さんと一緒に」5keyで譜面を作りたい。
そう強く願わされることになったのでした。
とはいえ、この時は多鍵祭'22の作品制作期間で、当時はこれ以上合作を進めるキャパがなかったので、
満を持してWinterで本合作が実現したのです。とてもうれしかったです。

序盤は難易度の調整もあるので、お互いに作ってから配置を検討したのですが、
この時点では単一要素型メインの僕と複合要素型メインの長月さんとの間で結構な難易度差がありました。
その後は軽快な曲なので極力軽快な打鍵からスタートしたい的な話を交えつつ、
冒頭を「展開は僕ベース、拾い方を長月さんに寄せる」方向性で調整することに。

その部分が決まってからは、(意外に思われるかもしれませんが)難易度面でのすり合わせは全く必要なく、
絶妙な難易度曲線を描きながらスムーズに合作が進行していきました。
配置の好みが近いせいか、お互いに好きな配置を提案したらそれが相方にも刺さってすんなり通る、みたいな状況が多発し、
かなり円滑に配置の深掘りができたと思います。
素案の状態から、「この点を考慮してこういう配置にしてみました」
→「それだったらさらにこの音を見てこんな感じにするのはどうですか?」→「いいですね!」みたいなのがよくありました。

一方、音の認識ずれが割と恐ろしかったです(アウトロはそれで若干沼りかけました)。
音の聴こえ方って結構第一印象に影響されるもので、
僕が和音の中の下の音に注目している時に長月さんは上の音に注目していたなど。
幸い、今回は大事には至りませんでした。

個人的にイチオシの部分は、転調後サビの最後にある[↓↑]の3連打です。
もともと僕が考えた配置に存在していて、前後はいろいろ変わったのですが、
この3連打については長月さんからの強い共感をいただけたのでそのまま残ることになりました。
自分でいうのもアレですが、音のイメージにぴったりな配置だと思っています。

今回の合作にあたって、共作パートについては、
長月さんが1ページ1ページ、しかも配置のバージョンごとにエディタのスクリーンショットを撮り、
それに対する長月さんの所感、僕がコメントした内容、さらにそれに対する長月さんの見解などをスプレッドシートにまとめ、
そのシートを共有していただいていたのですが、
長く合作していてここまでしてもらった経験がなかった+僕自身はいつも通りの臨み方だったため逆に僕が恐縮することに(
長月さんのだんおにへの熱意、合作への熱意を強く感じる一幕となりました。
配置検討の時に便利だったというのもありますが、単純にそこまでしてもらえたことがとてもうれしかったです。

譜面完成後、長月さんから「曲があればもう1つ……」的なお話をいただきましたが、
さすがに曲がなかったため今回はこれでお開きになりました\(^o^)/
でも長月さんとなら何作品でも作れる気がします。……曲があれば。

名義「♋」
表明コメント「巨蟹宮」
長月さんのHNが9月生まれであるところからきていることは以前から知っていたため、
それに僕が6月生まれであることを組み合わせて何かできないかな、という感じで、
お互いにいろんな名義を出したりしたのですが今一つしっくりこず、
「そういえば星座記号に6と9を横にしたようなやつがあったよな……?」と思って軽率にこの記号を出したところ、
なぜかそれが通って自身初の記号名義になりました。どうしてこうなった。
♋は黄道十二宮の1つ「巨蟹宮(きょかいきゅう)」を表します。一般的にはかに座のことです。
しかし、長月さんはそもそも9月生まれだし、僕は6月11日生まれなのでかに座ではありません(ふたご座です)。
これ、かに座の人に失礼では?(殴)

難易度名「Clear」
作品コメント「澄み渡る大空へ!」
このあたりは曲のイメージを言葉にした感じです。

余談ですが、もう1人の積極的合作マンだったSKBさんからは、合作相手含めて完全に読まれていました。
普段から積極的に合作をやっている人が僕くらいしかいないし、
SKBさんなら自身の関与する合作を選択肢から外せるなどの事情があるとはいえ、
「9」だけで分かるとはやりますね(なお「6」は情報としてはどうでもよかった模様)。


No.319「カラスの背中に乗っかって」(第3部 / 投下番号47)
最近はだいたいイベントのたびに7chat合作を企画していますが、
それとは別にその場のノリで突発的に始動した、ある意味Discord合作でした。
Discord合作についてはイベント期間中に発生することは多々ありましたが、
日々の雑談から発生したのはたぶん初めてです。

ボイスチャンネルでapoiさん、SKBさん、すずめさんとだんおにに関する雑談をしていて、
それが自然とキリズマの話になり、キリズマ難易度表の話になり、
ふと、難易度表の下の方は充実しているけど(キーボード)8の譜面って少ないですよね、という話題になりました。
この話があったときはまだ(キーボード)8の譜面はぷろろーぐさんの「めんたいコズミック」しかなく、
だいたい7か9になっちゃいますよね的な話をしていた時に、
唐突に「この曲でキリズマを作ったら(キーボード)8くらいになりそう」とapoiさんが投げてきたのがこの曲だったのです。
投げてきた割にキリズマで作る予定はないみたいな話だったので、
「じゃあせっかくだしここにいる4人でだんおにで合作やりません?」と僕がけしかけました。

だんおに勢にはフットワークが非常に軽い方が多いので、
じゃあやりますか〜みたいな感じであっさり合作が始動したのですが、
ならどのキーにするのか、というところで詰まりました。
とりあえず「自分なら何キーで作るか?」というのを全員挙げることにしたのですが、見事にバラバラだったのです。
(ここで挙げたキーは合作内のコメントで「キー提案者」と書いたものと同じものです)
どうしよう、と考える僕のもとに、悪魔(?)のささやきが聞こえてきました。

「全部やったらいいじゃん」

確かに、メンバー全員多鍵に精通しているから不可能ではないと思うけど、相当大変では?
まあ、なんとかなりそうだしいうだけならタダだから、言ってみるか。

はい、その結果がこれです。
まさか本当にやることになるとは思いませんでしたよ、ええ……。
7i、11はいい。11Wもまだ分かるけど、17keyのリレー合作ってなんですか???
しかも実際に形になってしまったのだからいろいろと驚く限りです。しかも全部譜面傾向違うし。
やればできるんだなあ、的な。

その後、譜面難易度とかその他もろもろもキー提案者のイメージに概ね合わせることになったのですが、
その結果7ikey以外のすべてが「多鍵DBでいうところの☆7に相当するような難易度」になってしまいました。
僕は自然に作るとツール20台前半くらいになるかなあと思っていたので、そのように想定難易度を出したのですが、
他が全部決まった時点で想定難易度が「ツール20台前半くらい」から「難しくしない程度」に変わってしまいましたね。
(実際は他の譜面と比較すると、「自然に作るとツール20台前半くらいになる」という仮説がそもそも怪しかった可能性がある)
4譜面もあるのにそのすべてが並のプレイヤーお断りみたいな難易度になるのは避けたかったです。

とはいえ、僕は難しい譜面よりちょうどよい難しさの中級譜面の方が好きだし、
むしろ「難しくしない程度」の方が自分の作りたかったものを作れたかなあという印象。
7ikeyでは3番手でソロを含むパートですが、概ね自然体で組んでいます。
(手前が難しかったら全単押し→ユニゾンで全同時押しみたいな形になったかもしれないけど)
11keyも前半担当だったので、割と気楽でした。他の人はここは取らないだろうな、という拾い方をしています。

問題は17keyと11Wkeyです。
17keyについてはそもそも実力が追い付いていません。僕の実力はDB☆6の最下位クラスがかろうじてクリアできるくらいです。
当然☆7なんてできるはずもないし、かといって自分が打てない配置ばかりにするのはいやだったので、
初手全力で難しくしてあとは任せた戦法を採ることにしました。全力で難しくしたつもりですがこのザマです。
まさか11keyの同パートよりも低密度だとは思いませんでした(真顔)
制作経験という観点では、そもそもすずめさんは11Wの制作経験がなかったのですが、
制作経験がないことより実力がないことの方が(難譜面制作の上では)枷になりやすいと思います。
制作経験がなくても、実力があれば「配置の吟味」ができますからね。

11Wkeyはそもそも4番手だったのが問題でした。
SKBさんパートまではまあまあマイルドだったので、これならいけるかなと見込んでいたのですが、
apoiさんが暴走(ただし3段階ナーフ済)したのでいろいろと終了しました。
そもそもこの曲の最終パートがはずれ説はあります。
音を聴きながらプレイ速度を下げたり戻したりしつつ、難しい構成をいろいろ模索した結果あのような譜面に。

この曲は最後にテンポ変化(減速)があるのですが、
合作始動の翌日にすずめさんから「昨日のやつrit.合わせてキリズマだけ作っておきました」というメッセージとともに、
エディタの雛型とキリズマ譜面が飛んできて笑いました。
キリズマだけ作っておきました is 何。

ちなみに、11Wについての余談ですが、僕とSKBさんは「ミツバチとクローバー」で合作した時に、
キーの並びをSDF[sp]JKL2TY0→2SDFT[sp]YJKL0にオーバーライドしていました。
(個人的にはこっちの並びの方が好きなので、今後もこの配置を利用すると思います)
そのことをすっかり失念していて、すずめさんからいただいた1番手の譜面(前者の並びで組まれている)を見て、
あまりの難しさに度肝を抜かれてしまい、「初手がこれなら余裕で☆8では……?」と思っていました。
2番手のSKBさんも同じ状況だったので、「これ、そのまま進めても大丈夫ですか?」という話になったのですが、
腑に落ちないすずめさんが現行パートを配信(他の人がいない時)でプレイされているのを見て、
2人して「あれ、僕の知ってる譜面じゃないぞ……」となっていました。そりゃそうだ。
実際は全く問題ない難易度だったのでそのまま通りましたとさ。その節はご迷惑をおかけしました(白目)

名義「SSL」
風呂に入っている時に降ってきた渾身のネタ名義です。
SKBさんに他の3人を混ぜ込みました。superkuppabrosならぬsupersuzumelibs。
Libraryが湧いて出ていますが、この部分はapoiさんと僕の合作名義である「多鍵図書館」に由来します。
お三方からは好評だったのでよかったです。

表明コメント「(鍵マーク) このダンおには保護されています」
さすがに表明コメントがsupersuzumelibsだといろいろ台無しなので、そのネタ晴らしは作品内にゆずることにして、
一般的なSSL(Secure Sockets Layer)の意味になぞらえてこのコメントになりました。apoiさん案。
まあ、今SSLといった場合は大抵はTLS(Transport Layer Security)を指すのですが……。

難易度名「Wind / Dream / Sky / Flower」
いずれも歌詞の中に出てくる言葉から取っています。すずめさん+apoiさん案。
七年、十一年、拾壱年、十七年というネタ難易度名も提案していましたがそっちは没に。

提出コメント「カラスの背中に乗っかって、もうどこへでも連れてって」
歌詞引用……ではなく微妙に七五調に変更したものです。


No.320「Phantasy Story」(第3部 / 投下番号50)
そしてこっちが7chat合作です。ついに7chat合作も50作目となりました。

7chat、7chat合作についてはページ内で歴史を少し書いているのですが、
7chat発の合作企画はDOWF「遥かへ」が最初ではなく、
7key Festival '08の第6部で投下された特別合作(持ち寄り)が1作目となっています。
その後もぽつぽつ7chat発の持ち寄り合作は行われていて、
リレー合作として初めて行われたのが「遥かへ」……ではなく、「ichimatsu moyou」です(2009年6月)。

ただ、ichimatsu moyouが出たころにはまだ「7chat合作」という概念がありませんでした。
(当時チャットに在籍していたメンバーでの合作という意味では初期の7chat合作と同じことをやってるんですけど)
7chat発のリレー合作というのが初めて強く押し出された作品が「遥かへ」であり、
ここから「7chat合作」というブランドが形作られるようになっていったのです。
その後、ティックルさんにより「7chat+」というサイト(というかCross Walker内の1コーナー)が作られ、
発足時点で3名以上が参加していた7chat発の合作がまとめられていくことになるのでした。

7chat合作には「本編」「外伝」という謎の分類があり、
本編合作には以下のような構成要件があります。
 ・ティックルさん、あいすさん、izkdicの3名が参加していること
 ・プレイ画面の右下にあいすさんによるイラストが表示されていること
この2点を満たさない場合は外伝合作になります。
また、満たしていても事情により外伝合作になったり、7chat合作として扱われないケースもあります。

たとえば、「クレマ」は3名全員が参加していますが、これがそもそも「vivid」の没曲であったことから、
本編ではなく外伝扱いになっています。
また、「Rainbow Note」は実質本編合作と同じ立ち位置でイベント公開されたものですが、
あいすさんが参加していないというだけの理由で外伝扱いになっています。
他には、あいすさんのリメイク合作系は上の要件を満たしていますが本編扱いにはなっていませんし、
「雨色物語-ameiro story-」は7chat中心に声掛けを行ったものの、
僕のサイトの10周年記念合作であり7chatに紐づくものではないため、7chat合作としては扱われていません。

そんなこんなでいろいろあるのですが、
本作「Phantasy Story」をもって本編合作としては16回目、全体では50作目の7chat合作になったのでした。
初作から14年半。7chat合作というブランドが出来てから丸13年。
本当に長くやってきたなあという感じがします。

というわけで今回はどちらかというと記念回の意味合いが強い合作になっています。
7chat合作が四葉かげろうさんの曲からスタートしたので、
今回も四葉かげろうさんの、加えて明るく歌謡曲的な展開をするインスト曲から選曲させていただきました。
実際はこの中でも3曲くらい候補があったのですが、
改めて振り返ればこの曲は歌詞的にもこれ以上ないくらいぴったりだったんじゃないかと思いますね。
テーマとしては完全に原点回帰です。
「遥かへ」が5keyと7keyだったので、本作もそのようにしています。
(メンバーわけが上手くいかなければ11keyが湧く可能性もあったのですが杞憂に終わりました)

パート分けについても、1か所だけ「遥かへ」をセルフオマージュしています。
2間奏の途中、転調で作譜担当者が切り替わるところです(4番手→5番手)。
「遥かへ」にも同様に転調で作譜担当者が切り替わるところがあるんですよね(2番手→3番手)。
ゲームの続編とかでもないのでこれがセルフオマージュだというのは気づけるわけがないんですが、
そういう意図がありました。
あと、歌詞表示のフォントは「あしたが晴れるなら」と同じものにしています。これもセルフオマージュ。
この2作は7chat合作の黎明期を象徴しているような気がしますね。

あとはいつも通りです。
タイトル画面については、今回はdecresc.さんに加えてショウタさんもいらっしゃるので、
タイトル力のある(???)方が2名という悩ましい状況になったのですが、
サムネイルやdecresc.さんのサイトで公開されたときの楽曲バナーなどとの統一感を考えると、
全体的にdecresc.さんに作ってもらった方がいいかな、ということになり、
結果あんな感じになりました。

本のイラストに対して行われているアニメーションは、上部の「DANCING☆ONIGIRI」に対して行われているものと同じです。
要は中心基準に左右にexpandしているだけなのですが、
これで「閉じた本が開いたように見える」のがすげえなあとか感じていました。
閉じた本の画像なんて1枚もありませんからね。
CSSアニメーションもっと効果的に使えるようになりたいなあ。

ちなみに、今回Discordをフル活用していっぱいメンバーを集めたため、
参加人数11名という地味に7chat合作では第2位タイの規模になりました。
(1位は「vivid」の12名です)
最近ではおなじみのメンバーばかりですが、初期と比べると様変わりしたなあ、と。
ティックルさんもあいすさんも現役で活躍されているのがすごいですね。
今回は縁がなかっただけでCieさんとかも現役で活躍されていますが。

名義「Or1g1n」
Origin(原点)ということです。参加人数が11であることを含めています。
11人に確定した時点でこの名義にすることを決めていました。

表明コメント「原点回帰」
作品コメント「原点に立ち返り、新たな物語を紡ぐ。」
作品コンセプトです。作品コメントの方はそれと楽曲を照らし合わせながら、
毎度のようにキャッチフレーズっぽいものを考えました。

難易度名「Phanta5y / S七ory」
Phanta5y→Phantasy、S七ory→Storyという意味です。
後者については、自分の中で七鍵祭'10のサブタイトル「For More Excitement」が、
イベントロゴの中で「For More Excitemen七」と書かれていたのがすごく印象的だったので、
それを踏襲してみました。七鍵祭'10は「七鍵祭」という名称になった初めての回です。
eXisTraceも名義サムネでは「eXis七race」と書かれていたりするので、
当時のティックルさんのブームだったのかもしれません(?)


<iskbic名義合作について>
SKBさんとの合作2作ですが、この2作間で連動しているところがおおいため、
まずはその部分について言及しますね。

僕はこれまでいろんな方とコラボしたりリレーしたりしてきたのですが、
実は「同じイベントに同じ合作名義で複数作品提出する」ということはやったことがなく、
今回自分の制作スタンスを合作に極振りしていることもあって、
「やってみてえなあ」と思っていました。

……で、今となってはこんな無茶苦茶なことをお願いできるのはSKBさんしかいないわけで。
早々にSKBさんに突撃したところ、例によってすんなり通って企画始動、となりました。
このあたりはさすがはSKBさんと言わざるをえませんね。

「今回iskbicで2作品出したいと思ってるんですけど、どうでしょう」
こちらが今回の迷言となります。

で、せっかく2つ出すのなら、それだからこそできることをやりたいよね、ということになり、
その後意見交換を重ねた結果、
・片方はインスト曲、片方は歌ものにする
・片方は9A、片方は9Bのように、両者を関連性の近いキーにする(結局11と11Lになりました)
・片方は難しく、片方は易しくする
・選曲的にはなにか共通するキーワードがあった方が面白いかも
みたいな感じで方向性が煮詰まっていきました。

インスト曲の方は歌ものよりも選曲的な融通が利きやすいと思ったので、
とりあえず歌ものサイドの曲提案をいくつかしていたのですが、
そこで唐突に
「今回は自分からも曲投げてみます」
というメッセージとともにSKBさんから飛んできたのがグレイッシュブルーでした。

「……これ、どうやって譜面作るんですか……?」

曲がすごいので、かっちり作れれば中々すごい作品になりそうという予感はあったのですが、
正直どう構成すればいいのかさっぱり、という感じでした。
SKBさんからは「横一列なら9B(多重押しあり)、移動ありなら15Aとかどうか」と提案をいただき、
とりあえず移動の方が表現しやすそう、ということでそういう方向性に。
その後いろいろあって、とりあえず15Aか11かの2択に絞り込まれました。

この時点でもう片方の曲はブルーつながりで「blue blue blue」になることが決まっていて、
僕からは「7iか11Lかなあ」という感じでキーを提案していました。
SKBさんからは「11Lもありだけどあえての15Bとかどうですか?」みたいな話があり、
総合してグレイッシュが11ならこっちは11L、グレイッシュが15Aならこっちは15Bにして対応づけられることになりました。
ここまで話が進んで、とりあえずその日は解散に。

その後この曲を何度もリピートしながら考えたのですが、
左右で移動を使える15Aよりは、右側の移動一本で攻めてその分移動面で派手にしたほうがいいかなあと思ったので、
11keyの方がよさそうということをSKBさんに伝え、それが通って両者のキー数が確定したのでした。

一方、グレイッシュブルーについてはどういう展開になるかまるで予想がつかず、意見をすりあわせた結果、
「クロスや片手7くらいまでは含めて左手移動は普通に使い、最終的に★9くらいに着地」という目標になりました。
(実際はどうみても★9では済んでいませんが、ゲージの影響も大きいのでそこまで逸脱はしていない)
で、グレイッシュが難しい(★9くらい)譜面になるならblue blue blueは易しい(☆9くらい)譜面になるのかな、と考えました。
ここの認識がずれていて、SKBさんは「易しい」を「★3くらい」と考えられていたため、
それがblue blue blueが2譜面構成になるきっかけになったのでした。

★3って易しいのかなあ。

表明コメント「blue」
というわけでこのコメントは両曲に共通するキーワードなのでした。


No.321「blue blue blue」(第1部 / 投下番号5)
というわけで今回の易しい(★×27)側担当の作品です\(^o^)/
心なしか、まつもとたくやさんの曲には「青」要素がある曲が多い気がします。
同氏はだんおにでは未出でしたが、goeさんが事前飛び入りで提出された「triple」もこの方の曲なので、
こちらは未出アーティストかぶりになりました。とはいえDOVAなのでこれくらいは普通にありそうです。
曲までかぶっていたら面白かったですが

とりあえず初手を担当することになり、自分の中の難易度イメージに沿って組みました(現Normalの冒頭)。
個人的には後続パートが難しくなるにせよ易しめになるにせよ、
一気に盛り上がるところなので手前の譜面内容としてはこんなもんかなあと思っていたのですが、
SKBさんからすると「かなり易しい譜面が飛んできた」という印象だったようで、
「合わせるか……」と、簡略気味の配置で構成され僕に戻ってきました(現Normalの第1主題)。

僕としては、移動成分はほどほどに主旋律を追いかけた配置が来ると思っていたので、
SKBさんのこの構成には少々びっくりしました。
とはいえ、密度が低すぎてもラストの合作部で困りそうだし、移動難易度が緩めならなんとかなるかなと思い、
最初の構想にあった配置で後続を作ってSKBさんに手渡します(現Hardのメロ前半)。

SKBさんからは順当に目立つPizz. Strを拾った配置が返ってきて(現Hardのメロ後半)、
「izkさんの考えている難易度観がちょっと見えてないから、とりあえず合作部の冒頭組んでもらえます?」
とSKBさんからコメントがあったので、とりあえず8小節考えるかー、というところで困ったことになりました。
せっかくの主題なのに、一度も主旋律を拾わないまま終わってしまいそうな形になってしまったのです。
(手前が物量寄りなので移動寄りにしようと思ったが、そうすると密度が上がりすぎて主旋律を拾えない)

そこで、第1主題担当のSKBさんに、簡略をなくす形で組んだらどうなるか聞いてみて、
実際に組んでもらったのですが(謝罪)、やはりどうにも合わない、ということになってしまいました。
ここから各部を是正して目標とする難易度に近づけていくよりは、
いっそのこと難しい組み方と易しい組み方を分けて2譜面進行にするのがよさそうという結論になり、
組んでもらった第1主題はHard側にあてがわれることに。
抜けてしまった難しい方の冒頭と、易しい方のメロを補填しつつ、
この先を難しい方はSKBさん主導で、易しい方は僕主導で進めることになりました。

2譜面構成になったことで易しい方は晴れて主旋律拾いの呪縛(?)から解き放たれたので、
ここまでの密度展開を考慮し易しい方でしか入れにくい構成を念頭に置きつつ、
そこそこの移動難易度を保ちつつ後続を作っていきました。
一方、難しい方は手前がそれなりに難しくなったので、第2主題も遠慮なく攻めることができるようになり、
バランスよく難しい感じの構成に。とはいえSKBさんの初期案は後半がフリーズ拘束になっていて、
中々ヤバかったのでその辺はもう一方の譜面とも連携しながらまとめていった感じです。
最終的に、図らずも易しい方は☆9前後に、難しい方は★3前後に着地しました。

本作の制作で一番鬼門だったのは難しい方のアウトロ部分、
特にパッド以外の伴奏が減って静かになるところまでの4小節でした。
SKBさんの初案はハイハットの32分も反映した7key難みたいな感じになっていたのですが、
そこから対案として僕が3パターン(右側だけ注目、全拾いだが32分はフリーズ簡略、全拾い)出して、
さらにSKBさんからアクションがあった配置からさらに何パターンか出して、
いっぱいある配置案の中でいろいろ検討した結果最初の「全拾い+フリーズ簡略」が一番バランスがいいという結論に。
32分をチキチキやるのも楽しかったですが、さすがに密度があがりすぎていましたね……。

SKBさんと合作する時、エディタのオンラインパスワード(オンパス)は大体、
「(曲名に由来する文字列)_(作譜済ページ数+合作パートならabcなどの識別子)」
のようにしているのですが、今回は2譜面になった結果、
「blue3a_28b」「blue3b_28d2」みたいな紛らわしいオンパスが大量に生産されることに\(^o^)/
曲名後のアルファベットは最低限大文字にするべきだった、とはSKBさんの談。

難易度名「Normal / Hard」
せっかく2譜面構成になったわけだし、
グレイッシュブルー(Extra)とも連動させる形でスタンダードな名称に。

作品コメント「青い世界は全てを幸せにしてくれる。ブルーブルー。」
DOVAの曲ページにあるコメントをそのまま引用しています。
曲名は3つなのにコメントでは「ブルーブルー。」と2つなのがいい味を出していると思います(謎)


No.324「グレイッシュブルー」(最終部 / 投下番号79)
というわけで問題児の方です。2譜面構成になって紆余曲折のあった前者よりも遥かに大変でした。
一度出た合作名義が最終部で再登場したのは中々意外性があったのではないでしょうか。
(これだけでも今回、SKBさんと2作出した甲斐があったというものです)
本作の最終部選出が決まった直後には、
コンセプトに沿った難11keyを大量に出していたapoiさんの作品とのセット投下になることが決まり、
最終的に最終部の投下順を2人で検討した結果まさかの準トリの位置になってしまいました。
なんてこった。

難易度もすごいのですが、個人的にはやっぱり採譜が大変だった、という印象が大きいです。
合作内で採譜担当をしていたのである意味当然の結果かもしれませんが。
以前Tarwilさんから「ArrowVortex」という、StepMania用の作譜支援ソフトのことを教えてもらっていて、
今回それのメトロノーム機能(Beat Tick)をBPMを6倍取りしたり8倍取りしながら使って音符間隔を検証しました。
これが無かったら途中で挫折していたと思うので、本作はTarwilさんの助言(?)なしには完成させられなかったと言えます。
この場を借りてTarwilさんに御礼申し上げます(何)

具体的にはBeat Tickは4分のタイミングでカッカッと音を鳴らすので、
BPMを6倍取り(768)したら24分の間隔で、8倍取り(1024)したら32分の間隔で音が鳴ることになります。
この状態で再生速度を10%とか20%に設定して再生すれば、
低速かつ24分or32分間隔を音でつかめるようになるので、
音が24分内に2つあれば48分だとか、そういう感じで細かく見ていきました。
とはいえ、付点64分っぽく聞こえる音(ピアノ)もあったので、これでも一筋縄ではいかなかったです。
SKBさんからタイミング検討の問い合わせがあったときはこうやって確認していました。

繰り返しますが本来はStepMania用の作譜支援ツールなので、
使い方を間違えているんですけど超便利です。固定BPMならBPM分析機能も地味に優秀です。
これで開始秒を調べて60倍してエディタに入力後、StartNumberを+4すれば大体僕の環境ではぴったりになるので、
制作開始時の調整がめちゃくちゃ楽になりました。
皆さんも是非使ってみてくださいね。

本譜の制作の印象としては、
最初は方向性やイメージが定まりきっていなくて難航、そこからは譜面が難しくてバランス調整に難航、
全編通して採譜は鬼畜、みたいな感じで安寧の地はまったくありませんでした。
イントロはとりあえずSKBさんと小手調べに2時間くらい通話して(?)採譜調整以外の大枠を決め、
その先は交互に個人パートを進めつつ僕からは採譜面で、SKBさんからは移動構成面で意見を交わしながら進めました。
合作部についても移動メインで難しくなるところはSKBさん先行、
難しさよりも採譜の完成度を重視したほうがよさそうなところは僕先行で譜面を作り、合わせていきました。

しかし情けないことに、僕は難譜面制作の適性がほぼなく、
加えて清々しいくらいの採譜難であることもあり、中々制作のモチベーションが出ず、
長らく合作を止めてしまうことに。
大分時間が経ち、SKBさんからヘルプのオファーをいただいたのですが、
流石にそれは申し訳が立たないと思い、重い腰を上げて作譜に進みました。
僕の個人パートが通った時点でほぼ完成は約束されました。

ラスト合作部については、移動を難しくしたいSKBさんと、
装飾音符含む音を正確に取りたい僕との間で対立が発生。
装飾音符をいれればいれるほど移動の自由度が下がってしまうので、
お互いに注意しながら実現できるギリギリのラインを攻めた結果あんな感じになりました。
ここも通話で調整しましたが、意外にもイントロよりはすんなりまとまりました。

譜面が最後まで通ってからはFUJIさんエディタに舞台を移し、
装飾音符の位置や48分より細かいタイミング調整が必要な部分を調整しました。
合わせて、全体を低速で確認し、音からのずれがないかを検証しました。
(この過程で3か所リズムが変更されているので、最終検証をやって正解だったなという印象です)
FUJIさんエディタにSKBさんエディタからのコンバート機能があるのは本当に助かります。。。

余談ですが、最後の扉を閉める音に合わせて(楽曲動画と同じように)暗転させるプチ演出案があったのですが、
暗転時間を極力短くしても中々Resultに飛ばず、どうしてもバグったように見えてしまうという理由で没に。
映像作品と音ゲーではやはり勝手が違いますね。

難易度名「Extra」
譜面の難易度的な意味でも、「合作もう1つあるよ!」的な意味でも、
この難易度名はぴったりだったんじゃないかなと思います。

作品コメント「#526183」
このカラーコードはなんぞや、という話ですが、楽曲動画にちょくちょく出てくる、
「青の背景色に文字だけ」みたいなところの背景色がこのカラーコードなのです。
だいぶ暗い色なので黒背景で矢印色がこれだといろいろと終了します(^o^)


No.322「Blue Garnet」(最終部 / 投下番号71)
今回のお久しぶり枠。鍵盤狐さんとのコラボ合作でした。
鍵盤狐さんとのコラボは実は7回目で、実は僕とのコラボ回数が3番目に多い方なのですが、
いかんせん最後にやったのが夏祭り2011に提出した「お百度参り 〜 どたばた妖怪道中」で、11年ぶりだったことや、
前回9年ぶりだったTheoresuouslyと違ってSKil♪の作品は1作も難易度表に載っていなかったため、
そもそも「誰?」ってなった方も多いかもしれません。
以前のSKil♪を知る方なら11年ぶりのコンビ再結成はなかなかアツかったかも?

夏祭り2011の後、しばらくは鍵盤狐さんも普通に活動されていたのですが、なぜか合作の機会に恵まれず、
そうこうしているうちに鍵盤狐さんがだんおにから疎遠がちになってしまいました。
その裏で、鍵盤狐さんからは合作の提案を何度か受けていたのですが、
「近場にイベントが無くて流れる」を数回繰り返して今に至る、というような感じです。
初回はそもそも僕がTwitterを始める前(2013年12月以前)のようで、記録にすら残っておらず、
2014年7月に選曲に関するやりとりがあり、いろいろあって曲が提案されたのが2015年5月。
そこからもペースは遅く、swf(当時)を出力して共有したのが同年8月末のようでした。

その後この合作はお互いに放置されてしまい、3年後。
2018年8月14日に少しだけやりとりを交わしているのですが、それだけに終わり、さらに2年経過。
2020年12月にもう一度合作の話が出ています。
この時点でmuzieはサービス終了、2015年に決めていた曲は既に公開停止になっていました。
そこで新たに選曲することになったのですが、僕はこの時点で「音楽を聴く」ということから疎遠になっていて、
中々曲候補が出せないし、鍵盤狐さんから提案された曲も中々形にしにくそうで、
曲が決まらないまま今回も流れてしまい、そして1年半が経過。

今回の合作の話が出たのは2022年9月21日。
鍵盤狐さんから合作について相談したいというオファーがあって、
そこからDiscordの通話機能を駆使して一気に進めていった形になりました。
基本合作は僕からアプローチすることが多いのですが、本作については誘われる側だったんですね。
この時点で、お互いに「DOVA-SYNDROME」という心強い味方を手に入れており(※知らなかっただけです)、
DOVA経由でいろいろ曲を探していくことになりました。

お互いに曲をいくつか提案して、最終的に通ったのがISAoさんの「Blue Garnet」でした。
ちなみにこの時、鍵盤狐さんから「Candy Bass」を合作曲として提案されているのですが、
その曲は先約があったため、申し訳ないながらもこちらでは没とさせていただきました\(^o^)/
Candy Bassが飛んできたときに失礼ながら噴き出してしまったのはここだけの話。
この時点で多鍵祭'22 Winterはすでに公式ページが立ち上がった後だったので、
本イベントへの提出を視野に動き出しました。そして無事完成に至った、という感じです。

といいつつ、完成までにはそれなりに紆余曲折があり、
前半は鍵盤狐さんの個人パートが中々いい感じの難易度にはまらず、
いろいろと調整を掛けてもらうことに(初案は現行案に比べて3ランクくらい難しかったです)。
この初案を後半合作部のベースに出来たら面白そうだなと思っていたのですが、
譜面修正時に「別のパスワードで保存してほしい」ということを伝え忘れてしまった結果、
あえなく上書きされてしまいました\(^o^)/
(ちなみにその初案は現行の後半合作部より難しかったです)

その後、後半合作部の素案はまた改めて考えたい、と鍵盤狐さんから提案をいただき、
そのまま僕パート→合作部パート素案と順調?に進んでいったのですが、
鍵盤狐さんからいただいた合作パート素案がすごくリズム難で、
これどうしよう、と思っているうちに他の合作の進行でそっちにリソースを割いたり、
ポケダン救助隊DXに今更ハマったりした結果1か月以上にわたって放置してしまうことになりました。
その節は本当にすみませんでした。

僕が重い腰を上げて本合作を再開させてからはスムーズで、
特に何事もなく譜面が最後まで通りました。
「隙間を8分で統一する形にリズム補完する」という方向性は鍵盤狐さんにも好評だったので、
この部分についてはなんとかなったかなあ、という印象です。
アウトロ部分についても、密度は下がるけど緊張感のある配置を展開するという方針でまとまっていたので、
それについてはすんなり進みました。←↓→→は悪意たっぷりの露骨配置です(^o^)

キーが7ikeyになったのは、鍵盤狐さんが対応できるキー種が当時と比較して増えていたというのが大きいです。
最初の打ち合わせの段階で7keyの他、7i、8、9Bあたりは可能ですという話をいただいていて、
Blue Garnetは7iに合う曲だと思って出した経緯があったので、
今後はSKil♪のキーの幅も広がっていきそうです。8keyとかも面白そうですしね。

合作名義「SKil♪」
この名義を決めた2009年8月ごろは僕も鍵盤狐さんも7keyを精力的に作っていて、
7keyというところを名義に絡めたい、と思っていました。
そこで注目したのが、7key Festival '08のサブタイトル「夢を描こう、七つの音色で」。
僕は今までのイベントの中でこのサブタイトルが一番好きなのですが、
これを考えられたのは実は(当時は郵便屋さんだった)鍵盤狐さんなんですよね。
そこで、「七つの音色」をピックアップして、それをドイツ語に直し(Sieben Klänge、ズィーベン・クレンゲ)、
各単語の先頭2文字を抽出して並び替えた結果「SKil」という文字列が出来上がりました。
これに鍵盤狐さんから「音符マーク」を足したい、という要望があって、
最終的に出来上がったのが「SKil♪」という名義なのです。もう13年ものです。
ドイツ語は名詞の頭文字を大文字にするので、Kが大文字なのはとても重要です。

表明コメント「再会、そして」
逆転……ではなく合作です。合作の経緯を表すものですが、実はそっちも結構意識してました。
逆転裁判はめちゃくちゃやったゲームなので。
ちなみに「再会、そして逆転」は逆転裁判2の第2話のタイトルです。2の陰惨さを象徴するエピソードでもあります

難易度名「Earnest」
作品コメント「Silent DETERMINATION.」
このあたりは僕がこの曲に対して抱いていた、
「勝利のみを見据えひたすら戦い続ける騎士」という楽曲イメージに沿ったものになっています。
難易度名は僕発案。コメントの方は鍵盤狐さんの案です。


No.323「Candy Bass」(第4部 / 投下番号60)
というわけで↑と曲かぶりしそうになったぷろろーぐさんとの合作です。
ぷろろーぐさんが制作者デビューされたのは名無し祭り'10でのことですが、
交流はその前のプレイヤー時代、まだ「ぷろろおぐ」さんだった時代からあるので、
なんやらでもう13年の付き合いになるんですね。
一緒にイベントをやったり、その打ち上げでオフ会をしたり、ティックルさんも交えて3人で合作したり、
7chat合作を中心に一緒にいろんな作品に関わったりと、継続して深い交流をしているはずなのですが、
なぜか2人コラボの機会にだけは恵まれず、今回ようやく実現する形になりました。

本合作については前回の7chat合作が発端になります。あれは最終的に「poP!steP!!jumP!!!」に決まりましたが、
ぶっちゃけかなりの思い付きだったため、その前は真剣にどの曲にしようか考えていました。
それに合わせてDOVAもそこそこ巡回したのですが、その時に出会ったのがこの曲でした。
もう聴けば聴くほど11Lで、楽曲もちょうど4パートに区切れそうだったためこれで行きそうになったんですが、
よくよく考えるとこれはリレーよりは11Lガチな方(特定の1点を見ながら)とコラボするのがいいよな! と思い直したのでした。
とはいえ多鍵祭'22についてはもう十分な数の合作(※3件)を抱えていたので、
この計画自体は次のイベントに回すことになったのでした。

ページにも書いていますが、当初はこんなに難しくするつもりは全くなく、
譜面傾向としてはSugary Popと同じような感じで、でもこっちの方がBPMが11高いからその分難しくなるかも、程度だったのです。
★9くらいの地力を要求する技術譜面も好きですが、それよりはもう少し抑えて、
どっちかというと楽しさ重視?で二次元を決められる作品になったらいいなとか思っていました。
その部分をぷろろーぐさんとも共有して(重要)、とりあえずSugaryよりちょい上くらいを目指して制作を始めました。
Candy & Baguette [Hard] とかはぷろろーぐさんの11Lの中でも特に好きな作品なので、
そんな感じの程よい技術系譜面を作りたかった感じです。

冒頭の合作部は全体的な難易度観を固定するためにお互いが素案を作って考えたのですが、
ぷろろーぐさんの素案では初手から脳トレ仕様で、最初からメロと「12分間隔で上がっていくシンセ音」との混フレでした。
「脳トレといってもこれくらいは普通にアリだよな?」と思っていたら12分混フレが来て終了しました(真顔)
この部分については「初手脳トレはさすがにやりすぎだと思います」とぷろろーぐさんもおっしゃっていたので、
一旦僕の配置をベースに、軽く二次元配置や寝かし押しを交えて進む展開に。

その後については、とりあえず盛り上がるところの素案はぷろろーぐさんに組んでもらった方が楽しくなると思ったので、
その辺を共有しつつ、僕パートが終了。ぷろろーぐさんパート→合作パート→ぷろろーぐさんパートと続く部分になり、
合作パートの素案含めてここまで作譜お願いします、みたいな感じでぷろろーぐさんにバトンタッチしました。

で、戻ってきたらあんな感じになっていました。
(若干修正が入って無理のある部分の配置については易化しましたが、
 ぷろろーぐさんから飛んできたぷろろーぐさんパートの配置は最初からこんな感じでした)
しかし配置がとても楽しく、これを手前に合わせて易化させるのも忍びないし、
ぷろろーぐさん自身「ポリリズム配置はやってみたかった」とおっしゃっていたので、
手前を難化させて合わせる方針にシフトすることが確定し、二次元配置が大量に増加しました(何)

その後も「ぷろろーぐさんに素案を任せる→想定より難しいけどめっちゃ楽しい譜面が飛んでくる→うがー」みたいな展開を繰り返しつつ、
一応自分が理接できる範囲にすることで難易度が青天井になってしまうのを防いでいた感じです。
ぷろろーぐさんは作るのも遊ぶのもうますぎるため、多少の難配置なら軽くねじ伏せてしまうので、
僕が実験台になるのはある種必然だったと言えるでしょう(^o^)
ラスト合作部はこれでも初期案に比べてだいぶ易しくなってます。密度は変わらないんですけど配置が良心的になりました。

ラスト合作部中の静かなところは、ぷろろーぐさんの初手脳トレ案を受けて、
自分の中に「こういう形にするのはどうだろう」というビジョンがあったので素案を作ったのですが、
これがぷろろーぐさんに「潔く脳トレ要素にがんふりしてるのが超好き」と大ウケ(?)した結果、
完成版にもそのままの配置で残ることになってしまいました\(^o^)/
そこで0.5倍速になる点や、その後減速→加速する部分の挙動までそのまま。

個人パートについては、後半に達した時点で最終的にどういう難易度になるか読めなかったので、
全体的な難易度バランスを見ながら細部を調整するような形になりました。
初期案に比べると前半は大幅に難化しましたが、後半はやや易化程度の難易度におさまっています。
後半はハイハット追いですが、こういう構成をする人はおそらく僕くらいでしょう(謎)

4対40のゲージ設定はぷろろーぐさんの中でも特にシビアなものです。
順当にいけば2対14にするのが妥当だとは思うのですが、
せっかく難しい譜面に仕上がったし後半難の要素が強いので、
4対40にしたいことをぷろろーぐさんにお願いした結果採用されてこうなりました。
一応これでも★9で済んでいる予定ではあったんですが、済んでいなさそうです……。
済んでいませんでした(真顔)


名義「US-HAT」
コメント内で「りょゆじゃうです^ー」や「onegaismau^」が触れられていますが、
普通に「はい^」とか「おねがいします^」みたいな、シンプルに文末がハットになっただけのタイポが非常に多く印象に残っていて、
そこに僕が「よろしく尾根ギアします」とか「了解でうs」みたいなタイポをやってしまったので、
「す→うs」のタイポと「ー→^」のタイポを組み合わせた結果この名義になってしまいました。
ただそのままやってしまうと爆速で正体がばれてしまうので、
アルファベットに直すことでそれを防ごうとしています。
うs→USも^→HATも中々つながらないため、割とカモフラージュできていたような気がします。

なおチャットやTwitterのDMとは違い、DiscordのDM(やテキストチャンネル)では発言の修正ができるんですが、
2人して意地でもタイポだけは修正しないという謎のスタンスを貫いていたという裏話も。
(10分前→15分前、みたいな修正はやっていたのに)
その後のスピツイの初手でぷろろーぐさんが文末ハットをかましたことで、
Discordのボイスチャンネルは大盛り上がりになるのでした。意味がわからない。

表明コメント「よろしくお願いしますー」
作品コメント「よろしくお願いしまうs^」
izkdic「ここで表明コメントに『よろしくお願いしまうs^』とかやると一瞬でばれるんだよな」
※表明コメントをこれにしたい気持ちをぐっとこらえている
ぷろろーぐ「逆に、『よろしくお願いしますー』(表明コメントなのでタイポしてない)」
izkdic「草しか生えないんですけど」

難易度名「Future」
いつもだったら「Candy」とかにしてると思うんですが、
あまりに難しくなりすぎてキャンディ感がまったくなかったので、
フューチャーベースであることから取ってこの難易度名になりました。
若干Arcaeaの難易度表記も意識しているようです。

izkdic「あとこれはよくあることですが、半角入力してるときにタイポして直そうとして誤ってEnterを押すと投稿されてしまうんですよね」
ぷろろーぐ「たしかに 日本語入力は1回Enter間違って押してもいいから良心的」
izkdic「でもここの人たちはだいたい日本語入力中にタイポしているんですね」
ぷろろーぐ「間違ってエンターをおしているわけではないんですね〜」

izkdic「これは伝わらないというか置換式暗号なので、補足や修正が必要なパちゃーん」
izkdic「油断するとすぐこういう2枚抜きをやる」
ぷろろーぐ「音ゲーだと2枚抜きしてもOKだったりするから仕方ない」
izkdic「タイピングゲームは2枚抜きが許されないから厄介」
izkdic「まあタイプの正確さを養成するのが目的なので当然ではあるのだが」
ぷろろーぐ「タイピングゲーム難しいですよね、実はキリズマって簡単だったのかなみたいに感じる」
izkdic「キリズマは2枚抜きしても(後ろにノートがなければ)OKですからね」


No.325「今日もスタイリッシュに活動を始める」(第2部 / 投下番号18)
というわけでようやくこのあとがきで個人作が出てきました。
本当は個人作は3作品(うちキリズマ1)くらい出せるかなと思っていたんですが、
合作に力を入れすぎた結果そんな余裕はまったくありませんでした(^o^)

「今日もスタイリッシュにだんおにを始める」というネタとともに2日目トップあたりで投下するのをがやりたかった、
というのもそうなのですが、この曲自体がとてもスタイリッシュな譜面を作れそうだったことに加え、
かねてから作ろうと思っていた「11Lkeyの通常難易度表☆1相当の譜面」も作れる、と思ったので、
個人作の中ではもっとも優先度を上げて着手することになりました。
個人的にはオルガンがスタイリッシュ要素で、ヴァイオリンは陽気成分だと思っています(謎)

夏の多鍵祭が終わった時点では、11Lkeyの☆1(と★14)には譜面が1つもない状態で、
冬のイベントには☆1といえる譜面を作って出したいと思っていたんですよね。
この曲を知った時点でもその状況は変わっていなかったため、作譜に着手することになったのですが、
その後11月11日にぷろろーぐさんのDESTINYが移植され、晴れて11Lkeyにも☆1が登場し、
さらに11月27日の11L難易度再編で☆3に所属する譜面がなくなってしまい、
多鍵祭'22 Winterを迎える時点では「☆1ではなく☆3が存在しない」という状況になっていたのです。

この難易度再編の提案はSKBさんが下から11Lを巡回するのを見ながら、
SKBさんと僕でわいわい言い合って決めていったものなのですが、
タイミングがいいことにこの巡回の時点ではまだDESTINYは存在しなかったのです。
DESTINY掲載と同時に、この難易度変更提案をもとにしたアンケートがスタートしたので、
まさしく入れ違いでした。

その結果、僕は11Lkey☆1が登場したことにまったく気づかず、作品ページ内で
「本作品発表時点では、11Lkeyの通常難易度☆1に相当する譜面は難易度表に1つも収録されていません。」
という大嘘をつくことになってしまったのでした(謝罪)。

そんなわけでいろいろと前提が崩壊しているのですが、
Easyは☆1、それも生半可なものではなく、「誰が見ても☆1だといえる難易度」を目指しました。
☆2に掲載されている作品は全体的に「☆1に出来ない何らかの要素を含むけど基本的には非常に易しい」というものなので、
やるなら徹底的に易しくしよう、というのは心に決めていました。
幸い、この曲は賑やかなもののテンポ自体は112と遅めで、
曲時間も短いので入門譜面の制作という観点ではとても向いていたと思います。

配置するノートはかなり厳選しました。初期案はもう少しノート数が多かったのですが、
微妙に突っかかる配置だったりリズムが難しかったりいろいろ納得がいかなかったので、
それらを突き詰めていった結果最終的にはちょうど50ノーツが残ることに。
ただ置くだけじゃなくて、曲のキメを意識できるような置き方にしたつもりです。
Easy系譜面の制作はイメージ通りに置いてすんなり形になるか、
イメージ通りに置いたつもりなのにうまく形にならずに苦戦するかの二極化する印象があるんですが、
今回は後者だった、という感じです。

Hardに相当するStylish譜面は自分の欲望に忠実に組みました(殴)
こういうキメが明瞭な曲って多鍵に合うんですよね。
今回はキメにかっこいい二次元配置をいろいろあてがって、他も二次元配置祭りにすることにしました。
オルガンの採譜に苦労しそうでしたが、この時点ですでにグレイッシュブルーの採譜を終えていたので、
「あれに比べればはるかに楽」という印象しか残りませんでした。
ラストはとても曲的にかっこいいところなんですが、譜面的には中々かっこいい配置にならなかったり、
いけそうに思った配置が全然きれいに打てなかったりして、ここも結構苦戦することに。
Sugary Popでもそうでしたが、自分なりに流れで打てるようにはしているつもりです。
(が初見フルコンはさすがにスタイリッシュすぎてドン引きしました、ぷろろーぐさん強すぎ)

問題はNormalで、EasyとStylishだけだと難易度差が極端すぎて、
Easyが取ってつけたように見えてしまうのでなんとかNormal相当の譜面を入れたかったのですが、
そもそも明確なビジョンがなかったうえにオルガンパートの簡略が難しく、
かといってそのまま拾うと密度バランスが終了してしまうなどの問題もあり、
手探りでしっくりくる配置を探すみたいな行動を繰り返すことに。
短いのでなんとかなりましたが、事実上の締め切りも迫っていたため中々厳しかったです。
一応「二次元配置なし」というレギュレーションで作りましたが、ちょっとは入れてもよかったのかも。
変な譜面にはなりましたが、まあこれはこれでアリでしょう。

その後、本作のEasyがあまりに簡単すぎたことに加え、
DESTINYのEasyが(現☆2の連中よりは易しいが)☆1としては難しめだったため、
DESTINYが☆2に昇格し、☆1はこの譜面のみになりました。
この譜面はそういうコンセプトで作ったので、☆1に入れていただけているのはありがたい限りです。
また、多鍵祭'22 Winterの譜面の新規追加で☆3が補填されて通常難易度表は全難易度完備、
さらに11Lkeyの難易度表が独立するなど、11Lkey関係では大きな動きがありました。
それでも★14が空席なのは変わらず……。

表明コメント「合作をいっぱいやってたら個人作がギリギリになりました」
ただの実話です(??)
今回はメンバーリストの中でもかなり上の方(=表明が遅い方)にいるので、
説得力のある表明コメントになっていたかもしれません。


No.326「Trip Towards Night Horizon」(第3部 / 投下番号β)
事前飛び入りの個人作です。本当は本提出に間に合わせたかったのですがあの惨状だったため以下略。
多鍵祭'21 Returnsで同じくPotwiさんの、
「Tori-i Gates Lined on Silent Trench」を使用させていただいたのですが、
その時の曲候補には実は2曲あって、もう片方がこれなのでした。
あれから1年経ったので、今回制作してみようと思った次第です。
民族調の曲といってもいろいろありますが、その中でもケルトとアイリッシュは特に好きなジャンルです。

1年前の時点では11keyで作ろうかな、と思っていたのですが、
キメの表現は多鍵系ならなんとかなるだろうし(11keyは特にダイナミックですが)、
何度も聴くうちに11Wの方がやりたい表現ができるかな、と思ったので11Wでやることになりました。
具体的にはNormalのラストあたり配置を思いつきました(何)

某スタイリッシュのEasyとは対照的に、こっちのEasyはめちゃくちゃスムーズでした。
思った通りに打ち込んだら概ねしっくりくる形になったので、そこから微調整して終わっています。
作譜時間は20分とかそれくらいです。
SKBさんエディタだと音楽を流しながら作れるので、輪郭をとらえればいい程度の採譜だとめちゃくちゃ捗りますね。
伴奏をがっつり聴き取る系の採譜だとどのみちWPAK32を使うのでその恩恵はあまりないのですが。

問題はNormalとHardでした。
本作はNormalが「自然に作った譜面より易しめ」、Hardが「自然に作った譜面より難しめ」になっていて、
「自然に作った譜面」は搭載されていない、という不可解なことになっています。
もともと装飾音符をNではフリーズ簡略してHでは普通に拾うとか、
ブリッジ部分をNでは弦を拾い、Hではピアノを拾うとか、そんな感じで棲み分けを考えていたのですが、
一部「どう頑張っても<自然に作った譜面>より難しくならない」というパートが存在したのです。

具体的には0:11〜0:18のところとか、0:46〜0:49(ストップがあるフレーズ)のところとかです。
ここは自分が自然に構成したらHardのような配置になるので、
Normalでは棲み分けのために意図的にそれから難易度を下げたものになっています。
細かいところでは、0:30〜0:31(ブリッジに入る直前の部分)とかも自然に作ればHardのように重なるところが同時押しになるので、
Normalではそれより抑えた形を模索した、という感じです。

逆にラストとかはNormalが<自然に構成した譜面>に近く、
Hardではパッドのフリーズを入れて難しくしていたりとか。
そんな感じでNormalとHardを棲み分けしたのですが、最終的な難易度はそんなに変わりませんでしたね……。
2譜面でもよかったのかもですが、なんとなくこういう作品だと3譜面にしたくなります。

余談ですが、Potwiさんの曲は原則3ループ分収録された音源として公開されているので、
前回も今回も1ループ後フェードアウトの形に編集して使用させていただいたのですが、
前回、どっちの曲で作るかかなり迷っていたようで、
Trip略の編集後の音源も既に作られていました。
そんなわけで本作は事前準備が非常に楽ちんでした(謎)
(まあ実際は音源編集じゃなくてfadeFrameでもいいんでしょうけど、
 個人的にはせっかくならちゃんとした形で出したいというのがあります)

作品コメント「夜空と川面が満天の星々によって1つになるとき、あなたはその幻想的な光景に魅了されるだろう。」
前回同様、この曲のバックストーリーを参考に考えました。


No.314r「poP!steP!!jumP!!!」(飛び入り / 投下番号S)
本作については言いたいことがめっちゃいっぱいあります(真顔)

多鍵祭'22に提出したネタまみれの7chat合作「poP!steP!!jumP!!!」に至るまでの経緯は、
概ね作品内コメントや前回のイベントあとがきで触れた通りです。
しかし、話はこれで終わっていませんでした。
秘密裡に、勝手に追加譜面合作が行われていたのです(同イベント作品番号49)。
併せて演出面での超強化が実施されていて度肝を抜きました。
この辺はさすがショウタさんといったところです。

本作がイベントに提出されると同時に、ショウタさんから僕へ1件のオファーがありました。
それが「11key譜面(以降、旧譜)と15Akey譜面(以降、新譜)を統合したい」というもので、
内容としては「現時点でできることは全てこっちでやっておいたので、アップロードをお願いします(意訳)」ということでした。
統合した場合、旧譜にもショウタさん作の演出が乗ることになります。

ショウタさんからは「統合お願いします」みたいな感じの論調で飛んできたんですが、
僕はいくつかの理由から素直にうなずくことはできませんでした。
ここに書けないような闇の感情を除くと、焦点になったのは次の4つです。
1. この譜面は僕が管理しているが僕だけのものではない
2. プレイ中に演出が入ったことでプレイ性が変わってしまう
3. 新譜は(厳密には)7chat合作ではないので、7chat合作としての公開はできるだけ避けたい
4. (個人的に)ラストの魔王城の演出がイメージに合わない
ただし、3については最終的に新譜も全部ひっくるめて7chat+に掲載されたので以下ではスルーします。

1はまあ当然として、2が結構致命的でした。
影響するのは中盤のステップ変化、後半のグレースケール部分の色認識、
そしてラスサビ以降の演出(地味に結構重い)による処理落ちの3点です。
OFFできるようにしてあるとはいえ、今までのプレイをするために余計な手がかかるのは容認しがたいところでした。

4は個人的な好みの問題ですが、解決感のあるラストに対し、
「魔王役の森田さんのセリフに合わせて画面が赤く光る」というのがどうにも受け入れられず。
現行版はそこにキャラクター(あいすさんのイラスト)が出るようになったので初期案よりは緩和されていますが、
それでも自分のイメージには合わない部分でした。
ショウタさんは「izkさんのイメージに近づけますよ」とおっしゃってくださったのですが、
中々自分の中の理想的なイメージが言語化できず。。。

総じて、本件については「事前に話を付けておいてほしかったなあ」というのが正直なところです。
びっくりさせたいとか、反応が気になるとかいうのは痛いほどよくわかる部分なんですけど、
僕は一応運営側なので(僕の初見の反応が云々を除けば)事前に話があっても影響は少なかったと思います。
事前に話があったら「いいぞwwwもっとやれwww」みたいになったでしょうし、
自分に出来る範囲で協力(たとえばラストのBPM情報を提供したりなど)することもできたかなと。
今後類似の企画を計画する際はご検討ください(???)

結局、自分の考えを整理した結果、
旧譜のページはそのまま残しておいて、新譜側に旧譜を入れてもらえば解決するんじゃないか、と思いついたので、
それをショウタさんに提案した結果それが通りました。
(個人的には旧譜の時点で作品としては完成していて、ショウタさんの演出はDLC的なものだと考えています)
とはいえ、当然ながら旧譜は僕だけで作ったものではないので、
一応投下後に転載の可否をDiscordで聞いてみます、ということになり、この場はお開きになりました。

※本作のここまでの部分ですが、一度書いた後にがっつり書き直しています。
 最初に書いたときは闇もさらけ出すような内容だったのですが、改めて読んだら「さすがにこれはないな」と思ったので、
 闇については僕の心の奥底にしまっておくことにしました。ご容赦。

そして迎えた投下当日。この合作の投下位置は2日目の最終投下だったため、
2日目の投下が終わった後にこの件についてメンバーに話を切り出しました。
結果、全員から快諾をもらえたので(割と予想通り)、晴れて新譜のページに旧譜が掲載されることになりました。
これにてめでたし、めでたし。

……とはいきませんでした。
この時にSKBさんが放った一言が、僕らを新たなる旅立ち(という名の波瀾)へと導いたのです。

「ただマージするだけだと面白くないし、どうせならマージするときに譜面追加しません?」

あとはお察しの通りです\(^o^)/
それはそれはものすごい勢いで合作の方向性が決まり、イベントに飛び入りすることまでとんとん拍子に決まりました。
まさしく場内乱闘の様相。こうして新譜と旧譜がクロスオーバーする属性モリモリな追加譜面合作が爆誕しました。
まじでどうしてこうなった。

本格的に合作が始動したのは投下日程終了後なんですが、
そのころには別の乱闘も発生していたため、
例によって正月休みはほぼだんおににささげることに。これ毎年やるんでしょうかね。

とりあえず関係者としてdecresc.さん、僕、ショウタさん、SKBさんの参加は確定、
残りの2枠はなんやらでぷろろーぐさんと蒼宮あいすさんに決まりました。
主犯であるSKBさんには慣習に従ってアンカー+イントロアレンジ担当……になってもらうつもりだったのですが、
今回はSKBさんがイントロ部の原案を爆速で作ってしまったため、decresc.さんがイントロアレンジ担当に。
「11Wの譜面を作ったことない人が11Wガチ勢の作った譜面をアレンジする」という状態がすでにカオスですが、
実際のところはReiageの縁で、裏でdecresc.さんから救助依頼を受け取っていました(謎)
というわけで僕もイントロアレンジに一枚かんでいます(が、ここについては採譜を調整しただけです)。

decresc.さんパートについても「監修をお願いします」ということだったので確認したのですが、
なんと原案の時点では「2」(左上のギコ)が1個も入っていないという状況になっていました、TYは結構あるのに。
僕は11Wを初めて遊んだとき、2や0は(雑に飛ばしても当たるので)割とすんなり入った一方、
TやYは中々距離感がつかめず苦戦したので、今回の上段TYメインの構成は中々冒険してるなあと思いました。
全体的にはかっちり作られていて楽しかったので、そこまで深く入り込まず、
2や0に飛ばす配置をいくつか提案したり、採譜を調整したりという形でかかわることにしました。
11Wは性質上他キーとの類似性が少ないのですが、その中で初めてでこれを作れるなら、
十分独り立ちできる実力はあると思うので気が向いたら作ってみてくださいな(何)

その後、ぷろろーぐさん、あいすさんと順調に作譜が進んでいきます。
11Wのエディタ上のキー定義をオーバーライドし、2SDFT[sp]YJKL0の並びに変えていて、
メンバー間で「こっちの方が作りやすそう」という結論になり、オーバーライド後の配列を使うことになったのですが、
あいすさんが「configファイルを作ったのにインポートを忘れる」という芸術性の高いミスをされていました(謎)
config作ってないなら「忘れちゃったかー」で終わりですが、
作っていて適用してないという点がポイント高すぎます(?)

そして僕の手番に。実は4番手担当になったのは成り行きなのですが、
いざ作譜を考えると、このパートは旧譜のchipさんパートの完成度がとても高いので、
どう差別化しようかなあと、中々悩ましいところでした。
「poP!steP!!jumP!!!」のところだけは「こうしよう」という配置案があるという、ぷろろーぐさんと同じ状況に(^o^)
また、この曲はとても賑やかで、伴奏の特定要素を抽出するのが難しいのも作譜難に拍車をかけていました。
結局2サビは密度を上げながら0でそれっぽくタンバリンを取って、あとは感性で突っ切ることに。
難しくなる分にはラストがSKBさんなので大丈夫かなとは思ったのですが、
あっちは局所的な配置の難しさを除けば素直な組み方で、結局2サビが最密地帯になってしまいましたね。

2サビで苦労した一方、その後の間奏はぷろろーぐさんの天才的な1間奏にあやかる気満々だったし、
ソロもあんまり変なことはせずに11W的な配置を模索するくらいだったので、
個人パート後半はあんまり苦戦しなかった印象です。
ショウタさんもきれいに手前からつなげてくださったのでとてもありがたかったです。

名義「夢追い人の旅立ちX」
旧譜からつなげて、夢追い人の旅立ち→夢追い人の旅立ちEXときていたので、
メンバー的にこの2作のクロスオーバーであることや、スマブラ3作目が「X(無印→DX→X)」であることにあやかって、
この名義になりました。ショウタさん案。

作品コメント「この人たち、いったい何回旅立てば気が済むんですか???」
本当に何回旅立つ気なんでしょうか(真顔)というネタコメントでしたが、
そのまま通ってしまいました(^o^)
ちなみに?が3個なのは3回目の旅立ちだからです。

難易度名「X:Adventure」
仮案では「Adventure」→「Re:Adventure」と来ていたので、「Re2:Adventure」になっていました。
ただこれだとメールの返信になってしまうので、メンバー間で検討した結果、
名義ともつながる「X:Adventure」に決まりました。ぷろろーぐさん案です。
クロスアドベンチャーというとPiczle Cross Adventureというゲームの印象が強いですね(イラストロジック)。
イラロジで完成させた絵がオブジェクトとしてアドベンチャーパートで復活するのは王道だけど達成感あって気持ちいい演出です。

最後に、poP!steP!!jumP!!!をめぐるだんおに界での動きを見てみましょう。

01. decresc.さんが多鍵譜面を作る合間の気晴らしとしてpoP!steP!!jumP!!!で5key譜面を制作して公開する(2021/01/18)
02. decresc.さんが同作に7、7i、11、12、23keyの譜面を追加する(2021/01/31)
03. apoiさんがizkdicの第25回プレイ配信内で本作の11key / ANOTHER譜面をリクエストする(2021/02/13)

04. 多鍵祭'21で登場したICE CANDY SWORDに端を発するAP狙い機運に乗じて、なぜか本作の11key / ANOTHER譜面のAPを狙う
   粘着中、いろんな人が同作のいろんな譜面でAPを狙い始める(2021/08/29)
05. SKBさんにより23key / ANOTHERが討伐され、世界に平和が訪れる(2021/09/04)
06. decresc.さんが本作に9A譜面と、7、11のLEGGENDARIA譜面を追加する
   同日夜、師走の回想船合作談義中にpoPの11key追加譜面の話題を出す(2021/09/20)
07. decresc.さんが本曲をフル制作する(2021/09/28)

08. izkdicが11key追加譜面構想を7chat合作に無理やり転化したリレー合作を企画する(2022/07/24)
09. 多鍵祭'22にてリレー合作=夢追い人の旅立ち=が公開される(2022/08/13)
10. この合作を見たショウタさんが秘密裡に「勝手に追加譜面合作」を企画する
11. 多鍵祭'22Wにて勝手に追加譜面合作=夢追い人の旅立ちEX=が公開される(2022/12/29)
12. 2つの合作の統合版ページを作成する話をizkdicが持ち出したところ、SKBさんが更なる追加譜面合作を提案する(2022/12/29)
13. 更なる追加譜面合作=夢追い人の旅立ちX=が公開される(2023/01/07)

???????????
というか、2年にもわたる物語だったんですね。


「DOVAランセレ合作」(飛び入り / 作品番号V〜AK)
今回の場外乱闘にして、MFV2さんや一部の制作者をイベント後Discordサーバに縛り付けた元凶です。
企画の趣旨は単純明快、DOVA-SYNDROMEのランセレで引いた曲で作る、ただそれだけなのですが、
もう発想が何から何まで狂ってます。いんせくと!もひどかったですがあれ以上にやばいと思います。
そしてこれに4作品出している僕も相当狂ってると思います(自己評価)。
お前は年末年始だんおに以外にやることはないのか?

7key Festivalの流れを組む多鍵祭では、慣習的に事前飛び入りをギリシャ文字、
通常の飛び入りをアルファベットで番号付けをしていたのですが、
これまで7key Festivalに27作品以上の飛び入りが提出されたことはなく、アルファベット1文字で事足りていました。
しかし、今回はこの合作だけで16曲あることに加え、
パッケージものの場合楽曲ごとに番号を割り振っていたので、早くから番号の枯渇がささやかれることに。
(「飛び入りが壊れる」という表現をされていました)
枯渇した時にZの次をどうするかというのはいくつか案があり、
その中でも「a、b、c、……と小文字で続ける」「AA、AB、AC、……というExcel方式」の2つが有力視されていたのですが、
後者の方があとの番号であることが分かりやすいということで後者が採用された結果、
本合作の作品番号は「V〜AK」ということになりました。意味分からん。
今回で前例ができたので、今後の多鍵祭では飛び入りはExcel方式で採番されるでしょう。

発足の経緯はぷろろーぐさんが作品内コメントで書かれている通りです。
残念ながら発足の瞬間、僕はいなかったのでその部分をいんせくと!のときのように詳細に書くことができません。
なのでここではこの企画を僕の目線で追っていきたいと思います。

12月31日、午前2時ごろ。MFV2さんが多鍵祭'22 Winterの作品巡回をDiscordで配信しながらされていて、
それを何となく見ながらぺちゃくちゃとしゃべっていました。
MFV2さんが大トリまでたどり着き、巡回が一段落したところで、時刻は午前2時28分。
だいぶいい時間だったので、僕はここで離脱することにしました。
いんせくと!は午前1時半くらいに企画が出ていたので、これ以上ここにいても何もなさそうだと思ったのです。

イベント期間中は通話で騒がしくするため、下や隣の部屋で寝ている両親に迷惑をかけないよう、
PCを居間に持っていって居間でわちゃわちゃやっていたのですが、
離脱したのでいつも通り常用薬を飲んだあと、PCを居間から自室へ移動させ、
ふと「あのまま流れ解散になったのかなー」と思い、Discordを覗いたのです。
これが午前2時42分のことです。

この約15分の間に、ぷろろーぐさんが「あー飛び入り作りてー」とぼやいたようで(午前2時31分)、
僕の知らないうちに深夜テンションでとんとん拍子に企画が決まっていって、
既にいろんな人がDOVAの楽曲URLをDiscordの多鍵祭22チャンネルに投げる流れになっていました。
「なんでみんなDOVAのリンク投げてんの? しかも曲に統一性がないしだんおにで見たことない人の曲もあるしどういうこと?」
と思いました。しかし、さすがにボイスチャンネルに入るわけにはいかないので、
その時に多鍵祭22チャンネルに僕が投げ込んだ言葉が、僕のコメントの冒頭にある、

「なんか面白そうなことを深夜にやり始めるのやめていただけませんかね」

だったのです。

これはあとでぷろろーぐさんに聞いたことなのですが、
ぷろろーぐさんはイベント投下終了後のテンションのとき、話題がなくなると「あー飛び入り作りてー」と言うそうです。
今回、僕がずっとしゃべっていて、話題をいろいろと出していたため、
ぷろろーぐさんはその話題にずっと乗ってきてくださっていたので「あー飛び入り作りてー」と言う暇がなかったんですね。
ぷろろーぐさんが「あー飛び入り作りてー」と言うと場外乱闘が勃発するので、
イベント投下終了後のボイスチャンネルでは隙をみて黙り、
ぷろろーぐさんに「あー飛び入り作りてー」と言わせるように仕向けましょう(違)

地味にDOVA-SYNDROMEにランセレ機能があること自体を知らなくて、
最初は「どうやって引くの??」状態でしたが、なんやらで楽曲を引き、テキストチャンネルで共有。
その後、細かいところをいろいろと相談して合作の方向性を確定させました。
要約すると、
・1人1曲縛り(完成させたからといって2曲目に行くのはダメ)
・合作は参加者全員が引いて、その中から選曲するようにする
・作品公開はMFV2さんのところで、選曲ソースを使ってやる
このあたりです(引き直し禁止は当然ながら僕が参加する前の時点でできていました)。

翌日以降も、作品公開の方向性をMFV2さんと相談したりしていました。
企画内の作品の並びを作曲者順→曲名順にすることとか、
その中での並びをアルファベットで始まる人はその若い順→それ以外は読みの50音順にする、あたり。
また、どこかでBPM表記をしてほしいことや、スピツイ基準難易度の掲載について、
最終的に僕が全部見て適正Adjustment値をMFV2さんの環境にそろえることなどを話しました。
MFV2さんには作品公開ページ作成の他、作品管理全般をお願いすることになってしまい、
僕が「表示枠上しょうがないとされていた1作品4譜面制限の撤廃」、apoiさんから「ランダム選曲機能への言及」、
Tarwilさんから「選曲ソース使用時の右クリックの挙動による不具合報告」などがあり、
選曲ソースのバージョンがすごい勢いで上がっていき、それと一緒にMFV2さんの正月休みも吹き飛ぶことに。

そんな感じで裏方で糸を引いていたため、晴れて僕も役職付き(教唆犯)になりました。
MFV2さんはほとんどの部分を自動化していたので、「役職if文」という謎のフレーズが飛び出したりとか。
この期間は本当にいろいろありました。
制作者の並びも作品の並び同様、アルファベット若い順→読みの50音順になっていたのですが、
発端のぷろろーぐさんがかなり詳細に合作経緯を書かれていたので、
この辺が上にあった方がいいよねということで役職つきの人が上に来るように変更。

作品サムネイルについては、前回decresc.さんが爆笑もののネタサムネを作ってくださったこともあり、
decresc.さんに任せればきっといい感じの面白いサムネを作ってくださるに違いないと思っていました。
が、本人にそれを伝えるのが遅くなってしまい、飛び入り締切当日の夜に、

bouyomi-chan「【アナウンス】eintritt.が参加しました。」 ※eintritt.=decresc.さん
izkdic「あ、decresc.さん! ちょっとお願いがあるんですけど、DOVAランセレ合作のサムネイル作っていただけません?
MFV2「さらっと無茶振りしてて草」
decresc.「一点の曇りもない無茶振りで笑いました」

みたいなやりとりがあったりとか。
その後見事なサムネを作ってくださったので本当に感謝しています。ネタの幅が広すぎ。
DOVAのアイコンがさいころの1の目のところにあるの天才でしょ。

総じてクレイジーさが際立つ企画になりましたが、個人的に面白いと思っているのは、
goeさん(この企画を考えた人)とSKBさん(この企画をやろうと言った人)という2名の主犯格が、
そろいもそろって難しい曲を引いているというところです。因果応報
「A・E・C blues」は採譜が非常に難しいですし、「誰かの気配」はそもそも形にするのが困難です。
しかし、前者はピアノ曲でこの手の採譜をやってきたgoeさんに当たり、
後者は多鍵の力を借りて様々なアプローチを実践できるSKBさんに当たったことで、
いずれも見事に形になり、強烈な個性とインパクトを植え付ける結果になりました。
逆ならこうはなっていないと思うので、適材適所だったなあと。

ある種、これらの作品の存在がランセレ合作をランセレ合作たらしめているとすら思うので、
お二人には申し訳ないですがよくぞ引いてくれた、という思いすらあります。
あとは既にだんおにで作られている曲が出てくればネタ的にさらにおいしかったですが、
さすがにそこまでは行きませんでしたね。

適材適所という意味では、あいすさんが引いた「うずまき」も、
あいすさん以外が引いていたらここまで面白い譜面にはなっていない(と思う)ので、
とてもいい采配だったんじゃないかと思いますね。ランダムだけど。
他、いつもならこんな曲では譜面を作らないだろう、という組み合わせもあり、
自分の作風を見直すきっかけにもなったかもしれません。

もう1つ面白いのは、本企画始動時にいっぱい相槌を入れていたすずめさんが参加していないことです。
ぷろろーぐさんのコメント内で白字で書かれている匿名コメントの中にもすずめさんの発言があり、
「ランダム選曲合作マジ?」はMFV2さんが言ったことになっていてそれもおそらく正しい(言いそう)ですが、
これももとはすずめさんの発言です。
(ちなみにその後の「ダンおにランセレ合作…!?」はdecresc.さんの発言です)
ここまで突っ込んでおいて参加していないのはめちゃくちゃ面白いです。
しかもすずめさんは期間中、12i作品×2の制作+FUJIさんがエイプリルフールで公開したテンキー9keyの復刻をするなど、
かなり精力的にだんおに活動をされています。
リアルが忙しくて参加できなかった、というわけではないんですね〜

僕は先述の通り、この企画に個人+合作3組で4作品だしました。
クレイジーだけど面白い企画だし、こういう時じゃないとできないこともあると思うので、
(poPへのリソースも考慮しつつ)自分が出来る限界を攻めたつもりです。
合作内合作は4件あり、そのうち3つが僕関与、もう1つもSKBさん主導だったため、
ランセレ合作でも合作積極組が大暴れすることになったのでした。
苦労の度合いは、(スムーズ)Rickshaw<<夢色の時≦終末世界<<愛哀傘(難儀)という感じです。
各作品についてはこのあと触れていきます。

作品コメント「正気のSaturday Night」
もともとはしょーでんさんの多鍵祭'22 Winter提出作品「False strawberry」内のコメントに、
「まず、この楽曲でこの難易度帯という時点で正気の沙汰ではない。」というものがあったんですが、
それを見て「正気のサタデーナイト」とか言っていたんですよね。
本企画のコメントをどうするか、となった時にこのネタを掘り起こしたら、
ちょうど作品公開=飛び入り締切が土曜の夜だったこともあって採用されてしまいました。
公開後1分で日曜になってしまいましたが。


No.330「夢色の時」(投下番号AB)
順番が前後しますがランセレ合作内で個人で作ったものです。投下番号は飾り。
ここでも合作優先で動いていたので完成はギリギリでした(謝罪)

ページにも書いた通り、shimtoneさんの楽曲は一度譜面を作ってみたいとは思っていたのですが、
氏が多作すぎてどの曲を選んだものか見当もつかなかったり、
(これを思った時は)ループ用音源の加工方法を知らなかったので、その点で手が出ずにいました、
※ループ音源の加工方法を知ったのはゴッドロードのパンパネを作った時です
DOVA-SYNDROMEで公開されている曲の内、1割弱がshimtoneさんの曲というのだから驚異的です。
とはいえ、それを踏まえても今回のランセレ合作で4人引いているのはさすがに排出率が偏ってますが(

この曲を引いたのはまだ企画が始動した興奮が冷めやらぬタイミングで、
SKBさんが引いた「誰かの気配」のインパクトが強すぎて「曲だったらアタリ」と言われている時期でした。
(念のため、「誰かの気配」もれっきとした「曲」であるということは付け加えておきます。
 音ゲーにするような曲じゃないだけでこういうBGMが必要なシチュエーションはあるはずです)
実際はどうだったかというと、僕はこういう曲は好きだしたまにこういう曲で雰囲気重視の譜面を作りたいと思うことがあるので、
僕との相性は良かったけど総合的には「末吉」くらいだったかなあという印象です(?)
ある意味、これも適材適所かも。

この音源は一見すると2ループっぽく聞こえるのですが、前半と後半で少なくとも1か所違いが存在します。
弦の旋律が入るところで、1回目と2回目では入り出しが若干違う(2回目は1回目の8分前の位置から始まる)んですよね。
僕が見つけられていないだけで、それ以外の違いもあるかもしれません。
この時点で半分の長さに編集するという選択肢がなくなったので、実質2回の繰り返しをどうしようか、というのが勝負所でした。

また、どのキーで作るかすごく悩ましいところでした。
どういう作り方をするにしても表現重視の譜面になるはずで、
途中に入る弦のフレーズが音階込でちょうど5key的に収まるので、
5key部を含み、かつ縦に広く取れるほうがいいのかな、という感じで分析して11Lと12が浮上。
この2択で長く迷ってて、最悪両方で同じように作ってよかった方を採用しようかなとか思ったんですが、
弦の旋律は両手よりも片手で取れるほうが雰囲気に合うかな、と考えて11Lを選んだ形になりました。
11Lは本提出で3つ出していて、この時点でランセレ合作も終末世界が11Lになることが確定していたので、
11Lばかりになるなあとは思ったものの、曲に対する自分の中での最適解ならやむなし、と割り切りました。

作譜中はゆったり、ふわふわな感じの雰囲気を丁寧になぞることを重視しました。
弦のメロだけを上段4keyで取るだけだとさすがに面白みがないのですが、
だからといって他の要素を適当に混ぜるとすごく残念なことになったので、
そのあたりを慎重に吟味しながら進めています。
一方で目立つメロだけじゃなくて裏の音もちゃんと表現したいと思ったので、
後半は結構後ろにも注目する配置を入れています。
しかし、この曲は伴奏パターンが常に一定なのでそっちでも差別化に苦労することに(^o^)
採譜は簡単ですが作譜は難しい曲でした。

余談ですが、僕はこれくらいの難易度の11Lをほとんど作っていなかったようです(偶然)。
このイベントの前だと、補正成分を度外視してアルファベットだけ見た場合、
MovがAレベルなのが1譜面(cc3)、Bレベルなのが1譜面(Ouroboros)という有様。
Aはスタイリッシュが出来ましたし、夢色の時はBになったので、
いい感じにこの辺が補充される結果になりました。
(11Lは二次元配置を入れたくなってすぐにC以上になっちゃうんですよね。。。)

難易度名「Dreaming」
夢見心地という意味合いで使いました。
実は「Dream」でも同じ意味というか、むしろそちらの方が一般的な書き方のようです。
DreamingといえばCresteajuの遺跡BGM「The end of long dreaming」の印象が強くて、
そちらを少なからず意識したのでDreamingの方になりました(曲的には全然関係ないですが)。
関係ないですが「The end of long dreaming」は「長き夢見の果て」と訳したくなりますね。


No.327「終末世界」(投下番号W)
合作内合作の1つで、ティックルさんとのコラボ合作です。12回目。
前回がいんせくと!で、最近変な合作しかしてない気がするので、
そろそろ本格的に何かやりたいと思う今日このごろです(殴)

この2人からこの曲名の合作が出てくるのがランセレ合作のおそろしいところです。
終末世界は僕が引いた曲。ティックルさんが引いた曲は藍舟さんの「草原の泉」でした。
草原の泉は非常に短く(38秒)、的確に採譜して形にするのが非常に難しそうだった一方、
終末世界は3分超の長さに加えて例のない低速で、採譜は簡単でも作譜は厳しいという内容でした。
2人で相談した結果終末世界の方で合作することになったのですが、
正直合作でないと詰んでいたと思うので、運勢としては「凶」くらいだったかもしれません。

この曲の印象は、「ゲーム終盤で世界が滅亡の危機に瀕するような何らかの事件があり、
その後に流れるフィールド曲」と書きましたが、具体的にイメージしていたのはFF6の「死界」です。
さらにその後のイベントでフィールド曲が変わる、というところも含めて。まあ死界はあんまり終盤じゃないけど。

そんなこんなで曲が決まったところで、ではどういうアプローチを掛けるのか、ということになったのですが、
この曲は音数が少なく、普通に作ったら密度の低い譜面しかならない一方で、
では易しい譜面が似合う曲かといえばそうではない、というところがあったので、
早々に多鍵の力を借りて多鍵的に難しくしていく方向性が決まりました。
最終的にキー候補としては11Lと11Wが残りましたが、
11Lの方が構成の幅がありそう、ということで11Lでやってみることに。

とりあえず大まかな方向性を確定させるために初手をもらうことになったのですが、
この時点で寝かし押しも含む容赦のない配置で攻め立てていくことにしました。
寝かし押しや、[DR]みたいなひねる感じの打鍵を流れに組み込むのは結構難しいと思うんですが、
この曲で組む分にはほとんどが単発の打鍵になるし、そういう重い運指の方が合いそうだったというのはありましたね。
その先も全体的に二次元配置や寝かし押し、フリーズ絡みの拘束運指を用いつつ、
全体的に重い運指になるよう2人でいろいろ考えながら進めていきました。

淡々と進んでいく曲調の一方で、旋律自体には幾分かのパターンが存在したし、
丁寧に聴くと雰囲気面でも細かく差別化がされていたりしたのですが、
それらを味方にしても終盤はネタ切れとの戦いになっていました。
60BPMということは8小節が32秒あるということであり、1楽段が非常に長いので、どうしても間延びしてしまいます。
極力丁寧に表現し、運指もいろんなパターンを入れていったつもりですが、
もう1楽段あったら限界を迎えていたと思います(遠い目)

結局、APM126かつ最も密度が高い部分でも「1.5」の目盛りくらいまでしかいかないという低密度さに、
割に合わないレベルの配置難易度を組み合わせた、当初の予想通りの譜面が出来上がりました。
その一方でリズムは非常に分かりやすく、全て音通りなので、
リズムの認識にリソースを割く必要が少なく、上下の認識と配置に集中できるようになっています。
少々長めですが、こういう配置の練習譜面と割り切ればこういう作品もアリなのかも。
リズムが単純であることで倍速を低めにできるのも練習には向いている気がします。

譜面が出来上がってからは、譜面以外の要素で「終末世界」感のある内容にしようと思い、いろいろ考えました。
特に、フリーズについては、フリーズが全体的に長く運指的にも拘束が厄介だったので、
始点判定をいれて終端の猶予フレームを0にする(デフォルトは5)というのは割とぱっと思いつきました。
また、ゲージについても、緩やかに破滅へと向かっていく感じの方が合いそうだと思ったので、
理不尽にならない程度に緩めの回復なしゲージをデフォルトゲージにすることにしました。
(回復ありゲージはEasyゲージの立ち位置としました)
他、選曲単品モード時のタイトル画面や、作品の色合いについてもMFV2さんに協力してもらいながら、
終末世界という「作品」としての雰囲気を整えました。

完全に余談ですが、本作がDOVAランセレ合作内の4作の中では最も早く完成し、
完成日が1月1日だったので、2023年の最初の作品がこれになりました(^o^)

難易度名「Clock」
終末時計をイメージしました。
加えて、この曲のテンポが60=1拍1秒なので、それも時計というキーワードに合うかなと思いました。


No.328「愛哀傘」(投下番号AF)
合作内合作の1つで、SKBさんとのコラボ合作です。6回目。
1イベントに合作を2つ出す、ということを提案したのは僕ですが、
まさか3つ目をやることになるとは思いませんでした\(^o^)/

愛哀傘はSKBさんが引いた曲で、僕が引いたのはalaki pacaさんの「satelitell」でした(後ろ2文字はツーではなくエルエル)。
satelitellは効果音多めのEDM(?)で、音ゲーとの相性がいいのはこっちだと思うんですが、
自分の中で効果音の表現をどうするかがイメージしにくかったことに加え、
愛哀傘が自分の好みドストライクな曲だったので、かなり無理を言ってこっちの曲にしてもらいました(謝罪)。
こういう雰囲気の曲は本当に好きです。雨の季節の晴れ間、雨上がり的な印象が強いですね。

この曲は3分ほどの長さがあるんですが、終盤以外はほぼ2ループの構成だったので、
その部分を1ループにカットして使用させていただきました。
(A→B→A→B→CをA→B→Cに編集した形ですが、改めて確認するとタンバリンの入り方が違いますね。。。(汗)
 実際はフルの長さだと厳しいといわれていたので、確証バイアスがかかってたかも)
そうなると2分弱くらいの長さになり、選択肢もそんなに多くなさそうだったので、
SKBさんからお互いに全体の譜面を作って、その後通話ですりあわせながら再構築する全編コラボの提案をいただき、
自分の中では3回目の全編コラボ合作になりました(うち1回はarc the crossの下位難易度なので実質2回目ですが)。
キーについても、変に多鍵に走るよりは基礎的なキーの方がゆったりとした雰囲気に合いそう、ということで、
またまたこのコンビでは初となる5keyで制作する流れに。

DOVAランセレ合作に出した中で最も苦戦したのが本作品なのですが、
僕はこういう曲での作譜は得意だし好きなので、個人譜は比較的すぐに出来上がりましたし、
運勢的には「吉」くらいかな、と思っています(フル制作するなら「末吉」程度)。
苦戦要因は全編コラボ……ではなく、「選択肢が少ないこと」「独特な曲構成」にあるのでした。

個人譜の作成の観点では、Bメロはややノイズのかかった木管と木琴の掛け合いがやりたくて、
前者を矢印で、後者をおにぎりで拾うような形がすっと頭に浮かびました(完成譜では没になってます)。
Cメロは順当にいけばフルート(?)を拾うのがベスト、
こういう「目立つメロ」には補完やほかの要素はあまり入れたくないので、ストレートに拾っていきました。
フェードアウト部分は「聴かせるフレーズ」と認識していたので、迷わずにCメロ9小節目の頭におにぎりを置き、終了。
総じて後半はわかりやすい構成になっていたと思います。
一方Aメロはいろんな構成ができて悩ましかった部分で、ここは苦戦要素がありましたが、
24分タンバリンが明確なアピールポイントとしてあったので、そこを入れながら試した結果中性的な譜面に。

SKBさんが個人譜を作成された際も似たようなことになっていたらしく、
前半は選択肢があって難しい、後半は表現しやすい、という認識で一致しました。
とりあえず前半部分については、24分タンバリンの存在もあり、
僕側に寄せる感じで配置を考えていくことに。
SKBさんは配置を考えるのがめちゃくちゃ速いので、基本的にエディタに起こすのはSKBさんに任せ、
その画面を共有してもらいながら相談して決めていきました。

後半については僕の「木管と木琴を矢印とおにぎりに分ける」というのが、
「木琴側にも音階があるのにおにぎり1レーンで済ませてしまうのはさみしい」という理由でSKBさんから不評だったことと、
SKBさん側から強く「この部分は自分の配置を推したいです」という要望があったので、そちらに寄せていくことになりました。
とはいえ、両方矢印で拾うと木管側の最後の音が強調できずに死んでしまうため、
先頭のみおにぎりにおいて木管のラストの形を明瞭に見せていくことに。
この部分はフリーズの長さなどでいろいろもめましたが、なんやらでまとまっていきました。

問題はCメロ部です。
この曲のCメロはループ系の曲のオチ部分としては珍しく12小節もあり、
新しいフレーズを流しながらフェードアウト、という形になっています。
この表現は「まだ物語は続く」的な、先への展開をイメージさせるものでとても好きなのですが、
作譜という上では非常に厄介というか、「価値観の違い」を浮き彫りにさせる部分でした。

個人譜のところで書きましたが、僕はこういうフェードアウトのところは、
キリがいいところで譜面自体はすぱっと切って、あとは音楽を聴いてもらう部分だと認識しています。
(昔は密度を減らしながらラストギリギリまでノートを入れるとかもやっていたのですが)
ところが、SKBさんはこの曲については、
「新しいフレーズが流れ続ける」「最高音がこのフェードアウト中にある」ということから、
最後まで拾いたいと主張され、真っ向から対立することに。
その後の議論は平行線をたどりました。

細かい配置の部分についてはまだ工夫してお互いが納得できる落としどころを探すことができますが、
ここは「最後まで拾う」「拾わない」の2択以外ありえず、もうどうしようもありません。
ならお前はSKBさんが言及された2点についてはどう思っているのか、ということになりますが、
僕の見解は変わらず、そうであってもこの部分は聴かせるパートだ、
ゆえに9小節目の頭におにぎりを置いて終わるのが一番きれいな形だ、と思っていました。

とはいえ、SKBさんがおっしゃる内容は説得力があり、僕は自分の中の価値観に従ってゴネているだけ、
SKBさんを説得できるような要素は何もないことから、この部分は僕が折れることになりました。
ただし、自分の中でそのまま配置を受けられるという内容ではなかったため、
「この部分にフルートが単押しで入り、フルート以外のノートが入らないのであれば譲歩できる」という形で提案。
最後の4小節にノートを入れるか否かという点だけで40分ほどバトルしていましたが、
どうにか妥結、ということになったのでした。

この時、こういう形なら譲歩できますという形でサンプルの配置を提示していたのですが、
それに対してSKBさんからいくつか要望が飛んできました。
強調したいから同時押しを入れたい、リズムを整えるために補完ノート(3小節目の頭)を配置したい、などです。
すでに3時間以上、休憩なしで合作談義していて疲労もあったのか、
つい放ってしまった暴言(の要旨)が次のものです。

「(フェードアウト部分にノートを入れることに対して)こちらが譲歩したのだから、いい加減そちらも譲歩してくれないか」

これは非常に問題のある発言です。
そもそも我を忘れて、「合作をするときには合作相手とは対等の立場であるべし」という自分の信条を見失っています。
また、相手が合作慣れしているSKBさんだからノーダメージだったものの、
この発言は合作相手を萎縮させるリスクが高く、今後の合作進行にも甚大な悪影響を及ぼしうるものでした。

その後は一旦気持ちを落ち着かせて、アウトロ部分の微調整に取り組みました。
2人でいろんな可能性を検討して、最終的にSKBさんが天才的な発想をされて僕の中の違和感が解消されたので、
アウトロ部分の配置が無事確定したのでした。

最終的に合作談義は4時間強に及び(通話自体は5時間超えていたけどラスト1時間くらいは雑談だった)、
そのうち2時間弱くらいはラスト4小節をどうするかについて話していました。
通話によるコラボはお互いの意思疎通がスピーディに進むというメリットが非常に大きいですが、
チャット形式とは違いリアルタイム性があることによる難しさも同時に実感することになりました。
特に僕は優柔不断で細かい配置をどうするか悩みがちなので。。。
(とはいえSKBさんは配置を考えるのが早すぎます。
 chipさんやTarwilさんもその傾向があるしさすがは数多くの縛コンで鍛え上げられたぽっつべ経験者だなあと思います)

完成後、選曲単品モード時のタイトル画面についてMFV2さんに作っていただきました。
フォントは自分の中でのイメージがあくあフォントだったのでそれを使ってもらったのですが、
1回ミスで終末世界のテキスト色、グラデーションが反映されてしまっていて、
その時の絵面が軽いホラー画像みたいになっていて面白かったです(何)

難易度名「Shared」
相合傘→Sharing an umbrellaから取りました。


No.329「Rickshaw」(投下番号AH)
合作内合作の1つで、decresc.さんとのコラボ合作です。2回目。
decresc.さんは個人作でなぜか3分以上ある曲に対してきっちり4譜面をつけているのですが、
その作譜量とは対照的に企画内でも完成はかなり早かった方でした。
というわけでこれ見よがしに合作内合作に巻き込んでみました(殴)
前回(師走の回想船)に比べて突発感がすごい。

Rickshawは僕が引いた曲で、decresc.さんが引いた曲はMakoto Hiramatsuさんの「はじまり」という曲です。
「はじまり」は物語の導入シチュエーション想定BGMなのですが、堂々とした「開幕!」という感じの曲ではなく、
どちらかといえば不穏な、何かが始まるんだという「予兆」を感じさせるような曲になっています。
1分半の曲の中で最初の30秒ほどはほぼ環境音くらいしか音がなく、
その後はハイハットやシンセ、ピアノなどが入るものの作譜面では非常に厳しい曲でした。
なお、ここではあくまで作譜対象の曲としての言及であり、
こういう曲が必要になるシチュエーションは間違いなく存在するということは付け加えておきますね。

一方でRickshawの方ですが、こちらは今回decresc.さんと合作する上では、
これ以上ないくらいやりやすい曲でした。というのも、
・掛け声が多い→おにぎりにアサインしたい→5keyに向く+見せ場を作りやすい
 ※掛け声音源のデモ曲というだけあっていろんな掛け声が入っているのも◎
・曲がちょうど3セクションに分かれている→合作のパート分けがしやすい
・120BPMというほどよい速度→縦連を入れやすい
 ※decresc.さんは縦連好き
などの理由があったのです。
decresc.さんは別件でいろんなキーの合作に巻き込まれているものの本業は5keyであり、
特段の理由がない限り5keyで合作したいと思っていたので、5keyに向く曲が来てくれたのは本当に助かりました。
付け加えて、こういう曲は自分が自発的に音楽を聴いている範囲では中々たどり着きにくいので、
ランダム選曲が縛りどころか強みになっていて、とてもよかったと思います。
文句なしで大吉です。

とりあえず僕が先手でいくことになり、decresc.さんがその後の作譜と合作部素案作成を担当することに。
方針として、「ツール10くらい、声ネタはおにぎりに積極的にアサイン」という点を決めておきました。
その日はいったんこれで解散となり、「余裕があったら仮組みしてみます」とのことだったのですが、
その44分後にdecresc.さんパート+合作部素案の両方を通したデータが飛んできました(真顔)
※僕はそもそも導入部を作っていない状態です
余裕があったら is 何。

合作部については、とにかくdecresc.さんの微縦連配置がめちゃくちゃ楽しかったのですが、
主旋律もそれはそれで主張したいところだったので、前半は主旋律をベースに据え、
後半で微縦連を見せていくことにしました。
最後の部分だけ掛け声のパターンが変わり、おにぎり連打がなくなるので、
ここぞとばかりに16分乱打を入れています(本来弦はずっと16分で、手前までは簡略して配置しています)。
中々に盛り上がる構成にできたんじゃないでしょうか。

一方、decresc.さんパートについては、あの縦連で拾っている音がもともとはおにぎり縦連でした。
声ネタ以外でおにぎりラッシュ要素は入れたくないなあというのがあったので、
検討を依頼したところ、裏の和太鼓(?)をフィーチャーした配置が飛んできました。
それはそれでアリなんですが、縦連が面白かったというのはあるので、
こんな配置はどうですか、とdecresc.さんっぽく置いた配置を提案しました(殴)
本当はこういうのはやらない方がいいとは思うんですが、
もともとのリズムはdecresc.さんの配置そのままなので、と言い訳してみます(^o^)

個人部は自分の中のイメージをそのまま形にしました。
細かい打鍵回しと「ヤーレン、ソーラン」をフリーズにするかどうか迷ったくらいで、
ほぼ脳内構想のまま、みたいな譜面になっています。
フリーズで拾っている音の終端が微妙な位置にあったりしたので、そこは丁寧に合わせました。

総じて、めちゃくちゃ趣旨とアピールポイントが分かりやすい譜面になったと思います。
僕が個人で作ると裏の細かい音を取りたくなって分かりにくくなりがちなので、
その辺はうまくdecresc.さんがうまくストッパーになってくださっている印象です。
(師走でも似たようなことを書きましたが、あちらは作品としては演出重視なのでRickshawとは状況が異なる)
僕は僕で全体のバランス調整や採譜面で役割を持てている(と思う)ので、
本作は自信をもって、「この2人でないと出来なかった作品」、
そして「このランセレ合作内じゃないと出来なかった作品」と言えます。

余談ですが、本作は愛哀傘と同じ日に完成しています。
SKBさんと20時から通話する約束をしていたので、それまでに主要な検討を全部済ませてdecresc.さんに投げつけ、
そこから1時までSKBさんと通話、その間にdecresc.さんがいろいろチェックして、
通話終了後にこっちに戻ってきて完成、となったからです。
スケジュールがめちゃくちゃすぎ。しかも実際は通話に20分遅れているので救いようがありません(すみません)。
そんなスケジュールで大丈夫か?

難易度名「Festival」
お祭りワッショイ!


イベントについて。
規模感は夏の多鍵祭と同じくらい、作品チェックも(apoiさんの自作品以外)apoiさんが全部やってしまったので、
主催者がティックルさんからapoiさんに変わっただけで僕の臨み方はそんなに変わりませんでした。
作品提出締切から開催まで4日しかなかった夏とは異なり、今回は10日もあったので、
締切直前はともかく、そのあとは割と余裕があったように思います。
(むしろ夏はよく4日で固めたなあと思います(爆))

僕は作品を出しまくっていた関係で締切時点では大半の作品内容を確認できておらず、
締切後に一気に巡回→主要投下枠策定→投下順策定というように進んだので、
そこは強行スケジュールになりましたが半分以上自業自得です。
投下順確定後の作業がapoiさんに寄っていたので、僕側の作業は1日でも早く終わらせ、
apoiさんに引き継ぐ、という気概でした。その分修正期間後半は事前飛び入りを作れるくらいには余裕があった感じです。
トラブルがなかったわけではないですが、概ね順調でした。

投下順については主要投下枠策定のため、
apoiさんに事前に「注目作品や最終部に推したい作品があったらメモっといてくださいね」と伝えてあったのですが、
apoiさんからかなりの数の提案をいただけたので材料が多く、充実した策定会議ができました。
初回投下と最終部は2人で作った感がすごくあります。各部最終投下についてもある程度方向性は反映できたと思います。

最終部については、今回は(どっかの誰かさんたちのせいで)合作が非常に多かったため、
合作を多めに入れたいというapoiさんの意向を受けて、合作多めで構成されています。
最終部選出作品については極力作者の重複がないようにしているのですが、
合作を多めに入れるなら1人1枠だときつかったため、
合作は0.5作、個人は1作とし、各人の選出数が1作品を超過しないようにする形で調整しました。
(要は、合作のみなら2作品選出できるようにしました)

早い段階でapoiさん vs iskbicの構図が出来ていたので、
SKBさん絡みの合作 with izkdic絡みの合作の投下を作るとおもしろそう、ということになり、
キーや難易度等考慮して選出されたのがアンドロイドガールとBlue Garnetで、
図らずも久々同士の組み合わせになりました。

大トリをどうするかは結構悩みどころで、
最初の時点ではSTART BUTTONを準トリ(最終回)→Pixel Princessを大トリ(カーテンコール)にしよう、みたいな案も出ていたのですが、
締切の直前にティックルさんのFeels happinessが提出されたことで、
日頃お世話になっているティックルさんへの感謝を込めてこれを大トリにするのはどうですか、とapoiさんに提案したところ、
apoiさんも理由も含めて全く同じことを考えられていたということで、この作品がラストに据えられることに。
その結果START BUTTONは順当に最終部トップ行きとなりました。
個人的にはオープニング曲が終盤やラストで出てくるのは余韻があって好きだったりします。

通常投下枠については、運よく夏のイベントと作品数がほぼ同じであったことから、
poPの追加譜面合作を49、Phantasy Storyが50にできそうというのがあり、それを目指して構成しました。
特段の理由がない限りは制作者(特にいっぱい出した人)ごとに位置をばらけさせています。
第3部ラストはかなり特殊で、poPとPhantasy Storyが並ぶのでリレー特集にしたいと思い、
この投下枠に「カラスの背中に乗っかって」を含めることにしたのですが、
3作品だと所要時間が少なくなってしまうのであと1作品入れたくなりました。

リレー投下枠の中に1つ入れるので相応の特殊性を持った作品が必要だったのですが、
ショウタさんの「侵略種と〜」が曲名的にも作品の完成度的にも申し分なく、
加えてショウタさんは今回の合作的に相当やらかしている部類だったので、この枠に入れることに。
その結果ショウタさんの残作品が第3部ラストで全部出てくることになってしまったのは完全に想定外で、
それについてはなんというか申し訳なかったです\(^o^)/

第4部ラスト=通常投下最終枠のボスラッシュも中々特徴的だったのではないかと思います。
ここには様々なキー種から選りすぐりの難譜面を終結させました。
この投下枠のラストが討伐ミッションをフィーチャーしている「TERRANOVA」なのはかなり熱いと思っていて、
キー種も23keyと一般的には意味のわからないものであるためボス感もきっちり出ていたので、
個人的にはこの投下は一番のお気に入りです。apoiさんからも好評だったのでよかったです。

2日目以降の初回投下は、2日目についてはスタイリッシュにする気満々でした(すみません)。
3日目についてはいろいろ悩ましかったですが、結局YUU-GATAというネタをすることになりました。
REI-MEIは程よい難易度で幅広い人が遊べるのでトップ属性を持っていると思います(謎)
あとは被った曲を横並びにしたり、場合によっては同じ作曲者の作品を横並びにしたりしながら、
全体的なキーバランスと、各投下内の位置に気を配りながら全体を決めていきました。
多少やらかしはあったものの、バランスはよかったのではないでしょうか?

投下順を考えるのはめちゃくちゃ楽しいです。
僕の中では運営をしていて2番目に楽しい部分です。
多くの選択肢の中から最適な答えに近づいていくよう詰めていくような動きになるので、
パズルゲームの理詰めが好きなのも影響しているかもしれません。条件付き最適化に近い?
投下順メインに関わるというのはなんかイベント運営のおいしいところ取りをしている感じがして、
すこし申し訳ないなあというのはありましたが、任された以上は全力でやりました。
ちなみに1番楽しい部分は開催中、Discordのボイスチャンネルに入り、
他参加者の「作品に対する反応」を高みの見物することです(殴)
運営にいないとプレイしながらになるので、反応に集中できないんですよね。運営特権です(?)

今回のイベントでは、作品募集時にこれまで明示的に「譜面数」で出していたキー別譜面数一覧を、
「多い、普通、少ない(、なし)」の3+1段階で表記するようにしたという変更点があります。
個人的にこの変更はよかったのではないかと思います。
従来はキーの枯渇だとか、譜面数の増え方でdecresc.さんの作品数がバレるとか、問題がありましたからね。
今回は多い、普通、少ないの基準を公開していましたが、それも公開しないようにすると、
さらによかったかもしれません。

スピードツイスターについて。
多鍵作品のEasyと多鍵でない作品(5keyや7key)の発狂譜面との間の判定数格差が、
いよいよ16倍しても足りないようなレベルになってきました。
Easy救済カードはNormalize、COMBO Battleなど他にもあるので、
Easy倍化カードはそろそろお役御免かもしれませんね。
Easyがなくなると、僕側としては難易度査定をする必要がなくなるという非常に大きな利点もあります。
初級者向けとか、超上級者向けとかは別に考えればいい話ですからね。

また、Mod 100が必要以上に後攻有利なカードになってしまっているなあと感じました。
後攻は負けているので後攻有利なのはいいんですが、Mod 100の趣旨に合ってないというか、そういう違和感です。
Mod 100の即時反映性は削除し、もとの形(常駐型)にもどすかもしれません。
Malice(スコア下2桁を00にする)については、切り上げる形のボーナスカードにしたらいいのではという意見がありました。
これは要はスコアが777点だったとき、Maliceなら700点になるところを800点にしてはどうか、ということです。
Mod 100の即時反映性をなくすという前提なら、余計なお世話感がでてそれもいいかもしれません。


提出作品については、今回は以下の作品がお気に入りでした(合作を除いて1人1作縛り)。
No.01「Saffron Beach Driving」(Cie)
No.34「レインボーロード神社.mk8Retro」(MFV2)
No.41「Highway Mermaid」(蒼宮あいす)
No.48「侵略種とうたかたの夢〜醒めぬセピアとユートピア〜」(ショウタ)
No.62「Silence is Golden, Speech is Golden」(長月)
No.68「START BUTTON」(goe)
No.72「アンドロイドガール」(SKB、chip)
No.73「ときめき☆ラビリンス」(ぷろろーぐ)
No.77「Prayer」(すずめ)
No.78「Signager」(apoi)
No.R「Raid_FolkMetal」(mi)

今まで、MVP的なものをだいたい毎回挙げていたのですが、
今回は今まで以上に甲乙つけがたい作品が多かったので、
MVP的なものを挙げるのはやめにしました。
この中で1つに絞るのは無理です(真顔)

最後になりましたが、スピードツイスター用のスプレッドシート作成補助として、作品から可能な分のデータを収集し、
スプレッドシートのフォーマットに合わせて出力するブックマークレットを提供してくださったgoeさんへ、
この場を借りて深く御礼申し上げます。本当にありがとうございましたm(_ _)m
冗談抜きでリスト作成が4倍くらい速くなりました。めちゃくちゃ助かりました。
以前Cah-mさんがgoeさんのことをgodさんとタイポしてしまうシーンがありましたが、
今回は本気でgoeさんをネ申と崇めながら作業していました(何)


では、あとがきはこの辺で締めたいと思います。
超絶長文&乱文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
まだDan☆Oni成人式の振り返りも残っているので、そっちも早いうちに。

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